夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの？

11、講演会

190.儚い講演会アキラ

やっと谷口が運転する車に乗り込んで、一息をついた。

「はぁ凄まじかった。ゴブリンに囲まれた方がなんぼかましでした。

倒せないで、守る一手なのがめちゃくちゃきつかった」


社長がブツブツ文句を言っている。


しばらく車で走ると、アキラが自分の頭をくしゃくしゃと崩しだし、メイク落としシートでメイクを落としだす。最後にコンタクトを外してメガネにする。


「はぁスッキリした。皮膚が呼吸できてる感じ？

はぁ～本当は髪の毛も洗いたい。
ワックスで気持ち悪い、なんか固まってるとこあるし…」


まだ顔はポーションで若返ったままのアキラだが、雰囲気はいつものアキラになっている。


「本当に講演会でのアキラさんは儚いなぁ～

あとさっきのなんなんですか？耳元でいきなり、訳わからなかったですよ」


「あぁナイショ話のですか？ファンサービスですよ。

ネットニュースとかSNSとか早いところなら、昼ごはん終わるくらいには載るんじゃないかな？

まぁ楽しみにしててください。
今回の無茶なスケジュール組んだ、講演会の仕返しですからね！」

仕返しという言葉と、ニヤリと嫌な笑い顔に、社長はだまった。


遅い昼食にと、会長とジョンと田中とシノダ教授はタクシーで高級中華料理屋に向かう。
そこに谷口の車で向かい落ち合って遅めの、昼食を楽しむ。