夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの？

11、講演会

188.アキラの覚悟 （side会長）

女性ファンがほとんどで、黄色い声が飛ぶ講演会会場

この雰囲気ではアキラもいますとは大々的に言えないだろう。

「はい、最近付合い始めました。」

言った！さらっと！

ぎゃぁぁぁーイヤァァ
なんで？アキラぁぁアキラぁぁ

などと悲鳴のような声が客席を埋め尽くす。

「僕ずっと探していたんですよ、僕の乾きを満たしてくれる糧を。
研究で見つかるって信じてたけど、見つけれなくて…

でも今側にいてくれる人がきっとそうなんだって…
だから、応援していただけると嬉しいです。」



最高のはにかみスマイルで客席の悲鳴を黙らせた。


ジョンを見れば、嬉しそうにモジモジと下を向いている。
あやつ、やるではないか…


「じゃあ、近々結婚とか考えているってことですか？」

涙目のまだ若い女性が質問を飛ばす。

「結婚はちょっと、無理かな？
いろいろと、うん、考えもしなかったけど…
ずっと側にいるっ約束はいつもしてますけどね？」


会場がザワザワと騒ぎ出す。

「何？不倫とか？既婚者？」

「アキラのことだから身分違いとか、すごいの捕まえてるんじゃない？」


様々な憶測が飛ぶ中


「ずずっそれでは、お時間が押してますので、質疑応答を締めさせていただきます。

ふぅぅひっ
皆様、お気をつけておかえりください」


司会の女性も何故か涙声がまじっている。


アキラは再度、全方向にスマイルを撒き散らしながら壇上を消えていった。


「…ジョンくん…よかったのう？」


小さくジョンにだけ聞こえる声で呟けば、最高に可愛いはにかみ顔でコクリと頷く。


ちょっとだけ、アキラの覚悟のようなものを垣間見た気がした。