夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの？

6.ジョンの変化

76.崩れ去る日常

家族や一部の親しい知人用の携帯がなり、アキラ君と表示されてでると

ジョンの大きな泣き声だった


「あうぁぃ～
おじいちゃんだすけてぇ、僕は、やっちゃった、アキラにアキラに、うわあぁぁ」


「どうしたんじゃ？大丈夫か？
何があったんじゃ？
すぐ行くから、今からすぐ行くから、家におるんじゃよな？」



田中に手で車を用意するように指示をする。
緊迫した雰囲気に、田中は直ぐに察してテキパキと準備をし、会長を誘導する


「うあぁ～おねがい、おじいちゃん僕を遠くにやって……もぅもうアキラとぐらせない、
ずっと一緒にいれないよぉごめんなざい」

電話口からジョンの悲痛な声が続く。


「大丈夫じゃ、すぐ行くから」

ジョンをなんとかなだめようと、声をかけ続けるがその声は届いているようには聞こえない。


「僕はアキラに、なんてことを、アキラにアキラに、
もぅもう、ー一緒に、いれない、いられないよぉぉ」


会長はアキラの身も案じた。どうやらジョンはアキラに何かしたらしい

専属の医師も同乗させ、万が一のとき用にあとから救急搬送用の車の手配をし、アキラ宅へ急いだ。


アキラ宅前の階段で、ジョンが突っ伏して泣いていた。
顔はぐちぐくちゃになりながら、しゃくりあげて


「おじいちゃんごめんなさい、我慢できなかったんだぁ、僕はアキラにアキラにぃぃ、あぁぁぁ」


泣きじゃくるジョンを抱きしめながら、背中をさすり、田中と医師に指で指図をしてアキラの様子を見に行かせる。


あとで到着した救急搬送班がタンカでアキラを運んでいく。
そのときのアキラの顔をみて、息がとまりそうになる。


かすり傷と打撲痕があった。