夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの？

4.幸せへの基軸

53.リハビリを

「カウンセリングですか？」


医師が屋敷を離れる前につたえたいことがある。と言われた。

そこには会長もなぜが同席している。


「はい、ジョン君の体は完全に回復してますが、残念ながら心の方はまだ不安定です。
ぜひ、カウンセリングをおすすめします。」


確かにジョンはまだ夜中に飛び起きて、叫び声をあげることがある。
最初はアキラがいないと、パニックを起して探し回るよいなこともあった。

会長と遊んでいるうちに、その回数もかなり減ったが


「あと、ジョン君は身体的虐待だけでなく性的虐待も受けていたと思われます。
そちらの配慮も心がけてあげてください」


医師の言葉に、吐き気がした。
なんとなくは気づいていた。

ジョンの怖がり方や言動に、でもなるべく目をそらす様に、触れてはいけないかのような感覚があったのだ。


ハヤトへの殺意が蘇り、体を強張らせるアキラに会長は溜息をはく。


「すまなかった。ワシもアイツの監禁室に転がってる、禍々しい道具やらを見て気づいてはいたんじゃ。
しかし言い出せなんだ。本当に申し訳なかった。」


今はその会長の配慮はありがたい。
どんな顔をしてジョンにあえばいいのか、わからなかった。


「僕はどうしたらいいのでしょうか？
体に触れないほうがいいとか、何かアドバイスがあれば助かります。」


助けを求めるように、医師に尋ねる。


「普通に接してあげてください。
体を強張らせるようなことがあれば、気づかないフリをしてあげてください。
普通に体に触れ、怖いことなどないと教えてあげるのもリハビリになります。」


医師の言葉に涙がでそうになる。


「わかりました。カウンセリングは定期的にお願いします。」