66 / 86
58.牢
しおりを挟む
「はぁ……もう夜なのね……」
鉄格子のついた小さな窓から月の光が差しこんでいる。
ビビアンとクリスティーナは無事かしら?
はぁっと小さなため息がもれた。
それにしても……まさか牢獄に入れられちゃうなんてね。
冷たくて硬いベッドに腰掛け、目の前の鉄格子をぼんやりと眺めた。見張りはいないが、頑丈そうな鍵がドーンと中央にぶら下がっている。
はぁ…… 一体いつになったらここから出られるのかしら?
恐ろしいほどの静寂に、私のため息だけが響いている。
バルコニーで起きた炎はものすごいスピードで燃え広がっていった。騒ぎを聞きつけ駆けつけてくれた人々に助け出されてほっとしたのもつかの間、すぐに捕らえられここに閉じ込められてしまった。
「クリスティーナを刺したのはあの娘よ」
厳しい声で私を捕まえるよう命じたシャーナは、私と目があうといやらしく笑った。私が犯人だという証拠は何もなかったけれど、私とビビアンしかいない部屋で刺されたのだから当然私が犯人と誰も疑わなかったのだろう。
シャーナが部屋を出る前に、クリスティーナは殺して私は生かしておくよう男に命じたのは、私をクリスティーナ殺しの犯人に仕立てるためだったのかもしれない。
そんなのたまったもんじゃない!!
「やっぱりクリスティーナ様の言うとおりだったのかなぁ……」
クリスティーナは、シャーナがフレイムジールとサンドピークを争わせたいのではないかと考えていた。もしこのままクリスティーナが亡くなり私が犯人にされてしまったら……戦が起こらないにしても両国関係は今までどおり良好とはいかないだろう。シャーナの思い通りってわけだ。
何とか誤解を解かなくちゃね。でもシャーナの企みである以上、ここで私が何を言っても誰も信じてはくれないだろうし……
一番良いのはクリスティーナが回復して、何があったのかを皆に説明してくれることだ。
「煙臭い……」
冷たいベッドの上に座り体を丸めていると匂いが気になって仕方ない。炎に巻かれた時に煙のにおいがついてしまったんだろう。抱え直した膝に頭をのせて目をつぶった。
エイデン、心配してるだろうなぁ……
私が犯人扱いされてる事で迷惑かけてなきゃいいけど。
エイデン……会いたいよぅ。
今朝まで一緒にいたのに、ずいぶん会ってないような気がする。
うずくまる事しかできない私の耳に、ガチャガチャという音が聞こえた。
誰かしら?
暗がりで動く人物に、不安で胸がドキドキと音を立てる。エイデンだろうかという期待と、シャーナだったらどうしようかという不安で落ちつかない。
鍵をあけて入ってきたのは、そのどちらでもなかった。
「無事か?」
「マルコ? どうして?」
マルコはなんで普通に鍵をあけて入ってこれたの? 私の容疑は晴れたってことなのかな?
「エイデン様に言われて助けに来たんだ。早くこっから出ろよ」
「え、でも……」
「このままこっそりフレイムジールに戻ればいいんだ。後はエイデン様にお任せすりゃ何とかなるだろ」
こっそりってことは、まだ私の容疑は晴れてないんだ……
「おい、早くしろよ。気付かれるぞ!!」
「でも勝手に出て行ったら余計疑われちゃうじゃない? そんなの嫌だから、容疑が晴れるまでここで大人しくしとくわ」
「何言ってんだ? このままじゃ反論することなく処罰されちまうぞ」
でも……
躊躇う私にマルコがにっこりと微笑んだ。その笑顔に心がざわめく。
なんだろうこの違和感……
マルコからこんな笑顔を向けられた事なんて今までなかったわよね? 私を見るマルコの瞳はいつだって軽蔑するように冷ややかだった。
何かがおかしい……
そう思いながらも牢獄から出たい気持ちには勝てなかった。私はマルコから差し出された手をとった。
☆ ☆ ☆
あぁ、頭が痛い……
それになんだろ、何だか体が揺れてるような気が……ゆらゆら揺れて……揺れて……揺れてる⁈
「何これ!? どうなってるの?」
目を開けた私の目の前には大海原が!!
私はさっきまで砂漠にいたはずなのに、どうして海の上にいるのよ。
と、とりあえず落ちつこう。
スーハーと深呼吸をして自分の気持ちを落ちつかせた。
「やっぱりどう見ても海の上よね……」
四方八方どこを見ても陸地らしきものは全く見えない。雲一つない春の綺麗な空と、はるか先まで続く海の青さが合わさって、まるで青い世界にいるみたいだ。
船なんだから操縦してる人がいるはずよね。とりあえずこの状況を説明してくれる誰かを探さなきゃ。
……マルコ?
デッキを歩くとすぐに海を見つめるマルコの姿を見つけることができた。
何見てるんだろう?
あまりにも真剣な眼差しに声をかけることを躊躇してしまう。
「あぁ、起きたのか?」
足音に気づいたのか、マルコが私の方へ顔を向けた。
「綺麗な海だろ?」
確かに綺麗な海よ。でも今はのほほんと海を見ている余裕はない。
「ねぇマルコ、何で私達海にいるの? エイデンは? フレイムジールに戻るんじゃなかったの?」
牢を出る時にマルコはエイデンの命令で私をフレイムジールに戻すと言っていたはずなんだけど……
あれ? 私、マルコと一緒に牢から出てどうしたんだったっけ?
「全く……そんなに尋ねられても一度に答えられるかよ」
いつもよりも冷めきったマルコの瞳にゾクリと寒気がする。
「まさか……嘘だったの?」
「当たり前だろ」
悪びれも誤魔化しもせずマルコは頷いた。
「あの状況でお前が牢からいなくなったら余計疑われるに決まってるじゃないか。いくらフレイムジール王がお前の事を助けたくても、勝手に国に戻るよう命令なんかするかよ」
マルコがバカにしたような笑みを浮かべた。
「本当に馬鹿な女だな。もっと手こずるかと思ったが、こんな簡単に捕まるなんてな」
たしかにマルコの言う通りだけど、まさかマルコが私を騙しているなんて思わないじゃない。
「何で私を捕まえたかったの? 私のことが嫌いだから、私が疑われるようにしたかったの?」
「へぇ……俺がお前の事を嫌いだってバレてんだ?」
「そりゃあね。でもどうして嫌われてるのか分からないけど……」
だってマルコはいつも私のことを冷たい目で見ていたもの。嫌われてるって思って当然よね。
「まぁ話の続きは目的地に着いてからにするか……」
目的地? この船はどこかへ向かってたの?
「ほら見ろよ。あそこだ」
マルコの指差した先には海から飛び出た岩の柱のようなものがあった。
「これが目的地?」
円柱形の高く聳え立つ柱の横に船が着いた。
不思議ね。こんな海の中に、こんな大きな柱が建ってるなんて。
マルコが船から手を伸ばし、その岩の柱に片方の手のひらを当てた。
「ほら、行くぞ!!」
マルコがもう片方の手を私に差し出した。
その手をとるべきか……迷っている私の手を、マルコがキツく握った。
「ザルーシア」
マルコの声が海に響いた。その途端、ぐにゃりと視界が歪む。吸い込まれるような、吹き飛ばされるような不思議な感覚を感じて、意識が遠のいていく……
あれれ? 私、死んじゃったのかしら?
気がつくと綺麗な花畑の上でプカプカ浮いていた。もしかして、今の私は実体じゃないんだろうか? 心なしか体が透けている気がする。
空に浮かんだまま緩やかな風に流されて、いつしか花畑の中央にある、大きな岩の扉の前についた。その横では、フードを深く被った子供が二人花を摘んで遊んでいる。
あれは……?
「大きくなったら君は僕のお嫁さんになるんだよ」
「うん。私マルクスのお嫁さんになる!!」
二人の子供のうち、大きな子が小さな子に花冠を被せ、額にキスをした。
「約束だよ、レイナ。僕の可愛い龍のお姫様……」
あれは……あれは小さい頃の私と……
鉄格子のついた小さな窓から月の光が差しこんでいる。
ビビアンとクリスティーナは無事かしら?
はぁっと小さなため息がもれた。
それにしても……まさか牢獄に入れられちゃうなんてね。
冷たくて硬いベッドに腰掛け、目の前の鉄格子をぼんやりと眺めた。見張りはいないが、頑丈そうな鍵がドーンと中央にぶら下がっている。
はぁ…… 一体いつになったらここから出られるのかしら?
恐ろしいほどの静寂に、私のため息だけが響いている。
バルコニーで起きた炎はものすごいスピードで燃え広がっていった。騒ぎを聞きつけ駆けつけてくれた人々に助け出されてほっとしたのもつかの間、すぐに捕らえられここに閉じ込められてしまった。
「クリスティーナを刺したのはあの娘よ」
厳しい声で私を捕まえるよう命じたシャーナは、私と目があうといやらしく笑った。私が犯人だという証拠は何もなかったけれど、私とビビアンしかいない部屋で刺されたのだから当然私が犯人と誰も疑わなかったのだろう。
シャーナが部屋を出る前に、クリスティーナは殺して私は生かしておくよう男に命じたのは、私をクリスティーナ殺しの犯人に仕立てるためだったのかもしれない。
そんなのたまったもんじゃない!!
「やっぱりクリスティーナ様の言うとおりだったのかなぁ……」
クリスティーナは、シャーナがフレイムジールとサンドピークを争わせたいのではないかと考えていた。もしこのままクリスティーナが亡くなり私が犯人にされてしまったら……戦が起こらないにしても両国関係は今までどおり良好とはいかないだろう。シャーナの思い通りってわけだ。
何とか誤解を解かなくちゃね。でもシャーナの企みである以上、ここで私が何を言っても誰も信じてはくれないだろうし……
一番良いのはクリスティーナが回復して、何があったのかを皆に説明してくれることだ。
「煙臭い……」
冷たいベッドの上に座り体を丸めていると匂いが気になって仕方ない。炎に巻かれた時に煙のにおいがついてしまったんだろう。抱え直した膝に頭をのせて目をつぶった。
エイデン、心配してるだろうなぁ……
私が犯人扱いされてる事で迷惑かけてなきゃいいけど。
エイデン……会いたいよぅ。
今朝まで一緒にいたのに、ずいぶん会ってないような気がする。
うずくまる事しかできない私の耳に、ガチャガチャという音が聞こえた。
誰かしら?
暗がりで動く人物に、不安で胸がドキドキと音を立てる。エイデンだろうかという期待と、シャーナだったらどうしようかという不安で落ちつかない。
鍵をあけて入ってきたのは、そのどちらでもなかった。
「無事か?」
「マルコ? どうして?」
マルコはなんで普通に鍵をあけて入ってこれたの? 私の容疑は晴れたってことなのかな?
「エイデン様に言われて助けに来たんだ。早くこっから出ろよ」
「え、でも……」
「このままこっそりフレイムジールに戻ればいいんだ。後はエイデン様にお任せすりゃ何とかなるだろ」
こっそりってことは、まだ私の容疑は晴れてないんだ……
「おい、早くしろよ。気付かれるぞ!!」
「でも勝手に出て行ったら余計疑われちゃうじゃない? そんなの嫌だから、容疑が晴れるまでここで大人しくしとくわ」
「何言ってんだ? このままじゃ反論することなく処罰されちまうぞ」
でも……
躊躇う私にマルコがにっこりと微笑んだ。その笑顔に心がざわめく。
なんだろうこの違和感……
マルコからこんな笑顔を向けられた事なんて今までなかったわよね? 私を見るマルコの瞳はいつだって軽蔑するように冷ややかだった。
何かがおかしい……
そう思いながらも牢獄から出たい気持ちには勝てなかった。私はマルコから差し出された手をとった。
☆ ☆ ☆
あぁ、頭が痛い……
それになんだろ、何だか体が揺れてるような気が……ゆらゆら揺れて……揺れて……揺れてる⁈
「何これ!? どうなってるの?」
目を開けた私の目の前には大海原が!!
私はさっきまで砂漠にいたはずなのに、どうして海の上にいるのよ。
と、とりあえず落ちつこう。
スーハーと深呼吸をして自分の気持ちを落ちつかせた。
「やっぱりどう見ても海の上よね……」
四方八方どこを見ても陸地らしきものは全く見えない。雲一つない春の綺麗な空と、はるか先まで続く海の青さが合わさって、まるで青い世界にいるみたいだ。
船なんだから操縦してる人がいるはずよね。とりあえずこの状況を説明してくれる誰かを探さなきゃ。
……マルコ?
デッキを歩くとすぐに海を見つめるマルコの姿を見つけることができた。
何見てるんだろう?
あまりにも真剣な眼差しに声をかけることを躊躇してしまう。
「あぁ、起きたのか?」
足音に気づいたのか、マルコが私の方へ顔を向けた。
「綺麗な海だろ?」
確かに綺麗な海よ。でも今はのほほんと海を見ている余裕はない。
「ねぇマルコ、何で私達海にいるの? エイデンは? フレイムジールに戻るんじゃなかったの?」
牢を出る時にマルコはエイデンの命令で私をフレイムジールに戻すと言っていたはずなんだけど……
あれ? 私、マルコと一緒に牢から出てどうしたんだったっけ?
「全く……そんなに尋ねられても一度に答えられるかよ」
いつもよりも冷めきったマルコの瞳にゾクリと寒気がする。
「まさか……嘘だったの?」
「当たり前だろ」
悪びれも誤魔化しもせずマルコは頷いた。
「あの状況でお前が牢からいなくなったら余計疑われるに決まってるじゃないか。いくらフレイムジール王がお前の事を助けたくても、勝手に国に戻るよう命令なんかするかよ」
マルコがバカにしたような笑みを浮かべた。
「本当に馬鹿な女だな。もっと手こずるかと思ったが、こんな簡単に捕まるなんてな」
たしかにマルコの言う通りだけど、まさかマルコが私を騙しているなんて思わないじゃない。
「何で私を捕まえたかったの? 私のことが嫌いだから、私が疑われるようにしたかったの?」
「へぇ……俺がお前の事を嫌いだってバレてんだ?」
「そりゃあね。でもどうして嫌われてるのか分からないけど……」
だってマルコはいつも私のことを冷たい目で見ていたもの。嫌われてるって思って当然よね。
「まぁ話の続きは目的地に着いてからにするか……」
目的地? この船はどこかへ向かってたの?
「ほら見ろよ。あそこだ」
マルコの指差した先には海から飛び出た岩の柱のようなものがあった。
「これが目的地?」
円柱形の高く聳え立つ柱の横に船が着いた。
不思議ね。こんな海の中に、こんな大きな柱が建ってるなんて。
マルコが船から手を伸ばし、その岩の柱に片方の手のひらを当てた。
「ほら、行くぞ!!」
マルコがもう片方の手を私に差し出した。
その手をとるべきか……迷っている私の手を、マルコがキツく握った。
「ザルーシア」
マルコの声が海に響いた。その途端、ぐにゃりと視界が歪む。吸い込まれるような、吹き飛ばされるような不思議な感覚を感じて、意識が遠のいていく……
あれれ? 私、死んじゃったのかしら?
気がつくと綺麗な花畑の上でプカプカ浮いていた。もしかして、今の私は実体じゃないんだろうか? 心なしか体が透けている気がする。
空に浮かんだまま緩やかな風に流されて、いつしか花畑の中央にある、大きな岩の扉の前についた。その横では、フードを深く被った子供が二人花を摘んで遊んでいる。
あれは……?
「大きくなったら君は僕のお嫁さんになるんだよ」
「うん。私マルクスのお嫁さんになる!!」
二人の子供のうち、大きな子が小さな子に花冠を被せ、額にキスをした。
「約束だよ、レイナ。僕の可愛い龍のお姫様……」
あれは……あれは小さい頃の私と……
0
お気に入りに追加
93
あなたにおすすめの小説
【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる
三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。
こんなはずじゃなかった!
異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。
珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に!
やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活!
右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり!
アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

オバサンが転生しましたが何も持ってないので何もできません!
みさちぃ
恋愛
50歳近くのおばさんが異世界転生した!
転生したら普通チートじゃない?何もありませんがっ!!
前世で苦しい思いをしたのでもう一人で生きて行こうかと思います。
とにかく目指すは自由気ままなスローライフ。
森で調合師して暮らすこと!
ひとまず読み漁った小説に沿って悪役令嬢から国外追放を目指しますが…
無理そうです……
更に隣で笑う幼なじみが気になります…
完結済みです。
なろう様にも掲載しています。
副題に*がついているものはアルファポリス様のみになります。
エピローグで完結です。
番外編になります。
※完結設定してしまい新しい話が追加できませんので、以後番外編載せる場合は別に設けるかなろう様のみになります。
稀代の悪女として処刑されたはずの私は、なぜか幼女になって公爵様に溺愛されています
水谷繭
ファンタジー
グレースは皆に悪女と罵られながら処刑された。しかし、確かに死んだはずが目を覚ますと森の中だった。その上、なぜか元の姿とは似ても似つかない幼女の姿になっている。
森を彷徨っていたグレースは、公爵様に見つかりお屋敷に引き取られることに。初めは戸惑っていたグレースだが、都合がいいので、かわい子ぶって公爵家の力を利用することに決める。
公爵様にシャーリーと名付けられ、溺愛されながら過ごすグレース。そんなある日、前世で自分を陥れたシスターと出くわす。公爵様に好意を持っているそのシスターは、シャーリーを世話するという口実で公爵に近づこうとする。シスターの目的を察したグレースは、彼女に復讐することを思いつき……。
◇画像はGirly Drop様からお借りしました
◆エール送ってくれた方ありがとうございます!
【王都最強の崖っぷちクラン誕生!?】~戦えないやつはいらん。と追放されたスカウトはスカウトされたので、個性派メンバーを超絶サポートします!~
夕姫
ファンタジー
【珍しいジョブの『スカウト』の私が霞んでる……私が一番まともなんだけど……これ?】
「朝早くからすまんな。エステル。お前は今日限りでこのパーティーを抜けてもらう。今までご苦労様」
主人公のエステルはパーティーのリーダー、グラン=デルタニアに呼び出されいきなり追放宣言をされた。
理由はもっと強い仲間を探している。だから弱いお前はいらないんだよ。と簡単な理由。そして更に「お前のジョブはなんだ?『スカウト』だろ?なら尚更役立たずじゃねぇか。時代遅れなんだよお前のジョブは。」
エステルのジョブは珍しい『スカウト』。敵の気配を感じ取り事前に察知したり、罠の発見をしたり出来るジョブ。戦闘ではあまり役に立たない、それでも一生懸命サポートをしていたがエステルの頑張りは誰も認めてくれない。周りからは「時代遅れのジョブ」と思われているだけだった。
しかしエステルはダンジョン攻略に必要な『危険回避』『マッピング』『罠解除』『索敵』『開錠』『アイテム係』すべての能力を持ち合わせているサポートマスターだった。彼女が不得意なのは『戦闘』だけ。
今までの給料「銅貨2枚」を握りしめ、貧民街に行き、そこで『妖精の隠れ家』と呼ばれる酒場を経営している、元冒険者のマスター アリシア=フォン=ルーザリアと出会うのだが……。
この物語は今時珍しいジョブの『スカウト』のエステルがスカウトされ新たな『妖精の隠れ家』で、「おしゃべり陽キャのアサシン」「怪力の破壊魔少女」「腰痛持ちの剣聖」「超絶美少女の男の娘クレリック」……etc
超絶個性派な仲間たちと成り上がっていくファンタスティックストーリーです!
【完結】魔力がないと見下されていた私は仮面で素顔を隠した伯爵と結婚することになりました〜さらに魔力石まで作り出せなんて、冗談じゃない〜
光城 朱純
ファンタジー
魔力が強いはずの見た目に生まれた王女リーゼロッテ。
それにも拘わらず、魔力の片鱗すらみえないリーゼロッテは家族中から疎まれ、ある日辺境伯との結婚を決められる。
自分のあざを隠す為に仮面をつけて生活する辺境伯は、龍を操ることができると噂の伯爵。
隣に魔獣の出る森を持ち、雪深い辺境地での冷たい辺境伯との新婚生活は、身も心も凍えそう。
それでも国の端でひっそり生きていくから、もう放っておいて下さい。
私のことは私で何とかします。
ですから、国のことは国王が何とかすればいいのです。
魔力が使えない私に、魔力石を作り出せだなんて、そんなの無茶です。
もし作り出すことができたとしても、やすやすと渡したりしませんよ?
これまで虐げられた分、ちゃんと返して下さいね。
表紙はPhoto AC様よりお借りしております。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
悪役令嬢エリザベート物語
kirara
ファンタジー
私の名前はエリザベート・ノイズ
公爵令嬢である。
前世の名前は横川禮子。大学を卒業して入った企業でOLをしていたが、ある日の帰宅時に赤信号を無視してスクランブル交差点に飛び込んできた大型トラックとぶつかりそうになって。それからどうなったのだろう。気が付いた時には私は別の世界に転生していた。
ここは乙女ゲームの世界だ。そして私は悪役令嬢に生まれかわった。そのことを5歳の誕生パーティーの夜に知るのだった。
父はアフレイド・ノイズ公爵。
ノイズ公爵家の家長であり王国の重鎮。
魔法騎士団の総団長でもある。
母はマーガレット。
隣国アミルダ王国の第2王女。隣国の聖女の娘でもある。
兄の名前はリアム。
前世の記憶にある「乙女ゲーム」の中のエリザベート・ノイズは、王都学園の卒業パーティで、ウィリアム王太子殿下に真実の愛を見つけたと婚約を破棄され、身に覚えのない罪をきせられて国外に追放される。
そして、国境の手前で何者かに事故にみせかけて殺害されてしまうのだ。
王太子と婚約なんてするものか。
国外追放になどなるものか。
乙女ゲームの中では一人ぼっちだったエリザベート。
私は人生をあきらめない。
エリザベート・ノイズの二回目の人生が始まった。
⭐️第16回 ファンタジー小説大賞参加中です。応援してくれると嬉しいです

【完結】番である私の旦那様
桜もふ
恋愛
異世界であるミーストの世界最強なのが黒竜族!
黒竜族の第一皇子、オパール・ブラック・オニキス(愛称:オール)の番をミースト神が異世界転移させた、それが『私』だ。
バールナ公爵の元へ養女として出向く事になるのだが、1人娘であった義妹が最後まで『自分』が黒竜族の番だと思い込み、魅了の力を使って男性を味方に付け、なにかと嫌味や嫌がらせをして来る。
オールは政務が忙しい身ではあるが、溺愛している私の送り迎えだけは必須事項みたい。
気が抜けるほど甘々なのに、義妹に邪魔されっぱなし。
でも神様からは特別なチートを貰い、世界最強の黒竜族の番に相応しい子になろうと頑張るのだが、なぜかディロ-ルの侯爵子息に学園主催の舞踏会で「お前との婚約を破棄する!」なんて訳の分からない事を言われるし、義妹は最後の最後まで頭お花畑状態で、オールを手に入れようと男の元を転々としながら、絡んで来ます!(鬱陶しいくらい来ます!)
大好きな乙女ゲームや異世界の漫画に出てくる「私がヒロインよ!」な頭の変な……じゃなかった、変わった義妹もいるし、何と言っても、この世界の料理はマズイ、不味すぎるのです!
神様から貰った、特別なスキルを使って異世界の皆と地球へ行き来したり、地球での家族と異世界へ行き来しながら、日本で得た知識や得意な家事(食事)などを、この世界でオールと一緒に自由にのんびりと生きて行こうと思います。
前半は転移する前の私生活から始まります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる