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66.旅立ちの日
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マルコがアダムと共にノースローザンヌに旅立ったのは、よく晴れて空がとても綺麗な日だった。
見送りを禁じられ部屋にいるよう命じられた私は、落ちつかなくて窓から外をただぼんやりと眺めていた。
「全部終わったぞ」
アダムを見送って部屋に戻って来たエイデンは少し疲れたようにソファーに体を沈めた。
「ねぇ、エイデン? マルコはどんな様子だった?」
「いつも通りだ」
「それだけ?」
他に何かないのかと尋ねても、結局たいした話は出てこない。
「まぁレオナルドがノースローザンヌまでついて行くから大丈夫だろ」
そう言いながら、エイデンはポケットから小さな封筒を取り出した。
「マルコからだ」
「私に?」
すぐに封を開けようとして、やっぱりやめた。
「なんだ? 読まないのか?」
隣に座るエイデンから鋭い視線を感じる。
「ええ。後でゆっくり読むわ」
本当は今すぐ読みたいけど、エイデンの横で読むのはなんだが落ちつかない。なくさないよう、しまっておこう。
そう思い立ち上がった途端、手を引かれてソファーに逆戻りさせられる。
「今ここで読めよ」
エイデンの視線が一段と鋭くなったもんだから怯んでしまう。
「でも……」
やだなぁ。なんか今のエイデン、すっごく怖いんだもん。
「レイナが読まないんなら、俺が読んでやろうか」
「ちょっ。エイデン、返してよ」
奪われた封筒をエイデンの手から取り返そうとして、思わずエイデンの上に倒れこんでしまった。
「あっ。ごめんなさい」
慌てて起き上がろうとする私をエイデンが抱きしめるもんだから、エイデンの上から逃げれない。
「エイデン、離して」
ジタバタしている私の耳元に、エイデンの笑い声が混じった囁きが聞こえた。
「マルコの手紙を今ここで読むなら離してやるよ」
「読みます。読むから離してぇ」
「しょうがないな」
エイデンの腕が緩むとすぐさま体を起こしてソファーにきちんと座りなおす。
はぁっ……全部エイデンの思い通りになるのは面白くないけれど、降参するしかないわよね。ずっとエイデンを押し倒したまんまなんて、恥ずかしすぎて耐えられないもん。
手紙の封を切り、中から白い便箋を取り出した。便箋がカサっと乾いた音を立てる。
「きゃっ」
右肩に、ただならぬ気配を感じて振りかえり……ギョッとした。
「もうエイデン!! おどかさないでよ」
違和感の正体はエイデンだった。首を伸ばして私の肩の後ろから便箋を覗きこんでいたのだ。しかもものすごく真剣な顔をして。
そんなにこの手紙が気になるのかしら?
「エイデンも一緒に読む?」
「レイナが読んで欲しいなら、読んでやってもいいぞ」
私的には一人でゆっくり読みたいんだけど……って、めちゃくちゃ読みたかったみたいね。
私より手紙に集中しているエイデンの顔を見ながら苦笑してしまう。そんなに読みたいなら、素直に言ってくれればいいのに。
便箋には綺麗な字が綴られていた。
『親愛なるレイナへ
あの日ガードランドで、俺は本気でお前を道連れに死のうと思っていた。そうすれば苦しみから解放されて楽になれると思っていたんだ。
目が覚めて自分がフレイムジールにいると分かった時は酷く絶望した。まさか生きかえってしまうとは。
生きていることへの絶望と同時に、レイナが無事なことにほっとした。なぜだろうな。あんなにお前を憎んでいたはずなのに。今俺の心はとても穏やかだ。
もしかしたら、お前のいとこだったマルクスは本当に死んで、今の俺はただのマルコになってしまったのかもしれない。
どんな事情があれ、俺がしたことは決して許されることではない。レイナ、お前が俺に会いたがっていると聞いたが、一生会う事はないだろう。
レイナ、幸せになれよ』
どうかマルコのこれから先の人生が明るく楽しいものになりますように……
そしていつかマルコが幸せになった時、もう一度会えますように……
手紙を読み終わり、私を見つめていたエイデンと目があった。エイデンが何を考えているのか、表情から判断するのは難しい。
「今マルコが幸せになるようにって願ってただろ?」
「え、何で?」
何で分かったのかしら?
「本当に甘いよな……分かってんのか? レイナはあいつに殺されたんだぞ」
「それでも私はやっぱりマルコに幸せになって欲しいわ。だってマルコは私にとってただ一人の親戚なんだもん」
家族のいない私にとって、マルコという従兄妹がいたことはとても嬉しい事だ。そのマルコが幸せじゃないなんて、絶対ダメよ。私もマルコも幸せにならなきゃダメなんだから。
エイデンが優しく私を引き寄せ、そっと頰に口づけた。
「そんなに寂しがらなくても、もうすぐ俺が家族になるだろう。秋には結婚だ」
「そうだね」
もう何のトラブルもなく、秋には結婚式を迎えたい。
「それに……そんなに家族が欲しいなら今すぐに作ってもいいんだぞ」
それって、子供ってこと!?
「そ、それは……まだ昼だし……っていうか結婚もしてないのに……」
「ははっ。何慌ててんだ」
エイデンが明るい声を出して笑った。
「だ、だってエイデンが変なこと言うから……」
「こんなに赤くなって……本当にレイナは可愛いな」
エイデンはまだククっとおかしそうに笑いながら私の頭にキスをした。
「このまま押し倒したいところだが、さすがに今日はカイルがうるさいからなぁ……」
この数日アダム王子がいたため、色々溜まっている仕事があるのだとエイデンは言った。
「相手してやれなくて悪いな」
いやいや。悪いというなら私の相手をできないことよりも、私を困らせる発言の方ですから。
「全く気にしないから、どうぞカイルのところへ戻ってください」
「なんだそりゃ」
エイデンが再び声を出して笑った。
「そう言われると戻りたくなくなるじゃないか」
エイデンに至近距離でじっと見つめられ、心臓が大きな音を立て始める。チョコレート色の瞳から目が離せない。エイデンの唇がゆっくりと私の唇に重なった。
「やっぱり戻るのは後にするかな……」
そう言って私を抱きしめたエイデンを慌てて押し返す。
あぶないあぶない。このままだとまたエイデンを拒めなくなっちゃう。
「カイルが待ってるんだから、早く戻った方がいいわ」
「なんだよ? 俺を早く追い出したいのか?」
「そうじゃないけど、レオナルド様もノースローザンヌに行ってていないんだし、忙しいでしょ?」
「まあな。レオナルドのやつ、すぐに帰ってくればいいが……」
まぁレオナルドの事だし、ノースローザンヌでのんびりしてくるんんじゃないかな。
エイデンが小さくため息をついた。
「それにしてもアダムの奴、何度もレイナに色目を使いやがったな」
色目なんて使われたかしら? 思い当たる事がないんだけど……
「だいたいレイナは危機感がなさすぎだろ。レイナは最高に可愛いんだから、俺以外の男を部屋に入れて何かあったらどうするんだ」
ええー!! この場合は、ありがとうなの? それともごめんなさい?
怒られてるんだか、褒められてるんだか、やきもちなのか……よく分からない。よく分からないけど、何だか嬉しいことは嬉しいからまぁいっか。
「でもエイデンもアダム様と盛り上がってたじゃない。昨日私は先に寝ちゃったけど、レオナルド様と三人で夜中まで飲んでたんでしょ?」
「それはそうだが、仲良くなったわけじゃない」
エイデンがきっぱりと言い切った。
「ただ今は尊敬できる部分もあると思っている。前はただの女好きの馬鹿だと思ってたからな……」
エイデンったら、アダムに対して結構ひどいこと思ってたのね。まぁ私も似たような事思った気がするけど。
「俺なら好きな女が他の男と結婚したのを黙って見守ることはできん」
「じゃあ……もしまた私の記憶がなくなっちゃって、他の人と結婚するって言ったらどうする?」
冗談っぽく尋ねた私にエイデンが真面目な顔をして、「それはあり得ないな」と答えた。
「どうして?」
「レイナが俺以外の男を好きになるなんてあり得ないからだ」
そう言ってエイデンが私に口付けた。いつもより深く、長い口付けに体が熱を帯びてくる。
「な? そうだろ?」
もう……エイデンはずるい!!
これじゃ頷くしかできないじゃない。
「まぁもし仮にそんな事があったら、俺は間違いなくその男を焼き殺すだろうけどな」
エイデンの大きな胸の中で幸せに包まれていた私の耳に、エイデンの小さな冗談が聞こえた。
見送りを禁じられ部屋にいるよう命じられた私は、落ちつかなくて窓から外をただぼんやりと眺めていた。
「全部終わったぞ」
アダムを見送って部屋に戻って来たエイデンは少し疲れたようにソファーに体を沈めた。
「ねぇ、エイデン? マルコはどんな様子だった?」
「いつも通りだ」
「それだけ?」
他に何かないのかと尋ねても、結局たいした話は出てこない。
「まぁレオナルドがノースローザンヌまでついて行くから大丈夫だろ」
そう言いながら、エイデンはポケットから小さな封筒を取り出した。
「マルコからだ」
「私に?」
すぐに封を開けようとして、やっぱりやめた。
「なんだ? 読まないのか?」
隣に座るエイデンから鋭い視線を感じる。
「ええ。後でゆっくり読むわ」
本当は今すぐ読みたいけど、エイデンの横で読むのはなんだが落ちつかない。なくさないよう、しまっておこう。
そう思い立ち上がった途端、手を引かれてソファーに逆戻りさせられる。
「今ここで読めよ」
エイデンの視線が一段と鋭くなったもんだから怯んでしまう。
「でも……」
やだなぁ。なんか今のエイデン、すっごく怖いんだもん。
「レイナが読まないんなら、俺が読んでやろうか」
「ちょっ。エイデン、返してよ」
奪われた封筒をエイデンの手から取り返そうとして、思わずエイデンの上に倒れこんでしまった。
「あっ。ごめんなさい」
慌てて起き上がろうとする私をエイデンが抱きしめるもんだから、エイデンの上から逃げれない。
「エイデン、離して」
ジタバタしている私の耳元に、エイデンの笑い声が混じった囁きが聞こえた。
「マルコの手紙を今ここで読むなら離してやるよ」
「読みます。読むから離してぇ」
「しょうがないな」
エイデンの腕が緩むとすぐさま体を起こしてソファーにきちんと座りなおす。
はぁっ……全部エイデンの思い通りになるのは面白くないけれど、降参するしかないわよね。ずっとエイデンを押し倒したまんまなんて、恥ずかしすぎて耐えられないもん。
手紙の封を切り、中から白い便箋を取り出した。便箋がカサっと乾いた音を立てる。
「きゃっ」
右肩に、ただならぬ気配を感じて振りかえり……ギョッとした。
「もうエイデン!! おどかさないでよ」
違和感の正体はエイデンだった。首を伸ばして私の肩の後ろから便箋を覗きこんでいたのだ。しかもものすごく真剣な顔をして。
そんなにこの手紙が気になるのかしら?
「エイデンも一緒に読む?」
「レイナが読んで欲しいなら、読んでやってもいいぞ」
私的には一人でゆっくり読みたいんだけど……って、めちゃくちゃ読みたかったみたいね。
私より手紙に集中しているエイデンの顔を見ながら苦笑してしまう。そんなに読みたいなら、素直に言ってくれればいいのに。
便箋には綺麗な字が綴られていた。
『親愛なるレイナへ
あの日ガードランドで、俺は本気でお前を道連れに死のうと思っていた。そうすれば苦しみから解放されて楽になれると思っていたんだ。
目が覚めて自分がフレイムジールにいると分かった時は酷く絶望した。まさか生きかえってしまうとは。
生きていることへの絶望と同時に、レイナが無事なことにほっとした。なぜだろうな。あんなにお前を憎んでいたはずなのに。今俺の心はとても穏やかだ。
もしかしたら、お前のいとこだったマルクスは本当に死んで、今の俺はただのマルコになってしまったのかもしれない。
どんな事情があれ、俺がしたことは決して許されることではない。レイナ、お前が俺に会いたがっていると聞いたが、一生会う事はないだろう。
レイナ、幸せになれよ』
どうかマルコのこれから先の人生が明るく楽しいものになりますように……
そしていつかマルコが幸せになった時、もう一度会えますように……
手紙を読み終わり、私を見つめていたエイデンと目があった。エイデンが何を考えているのか、表情から判断するのは難しい。
「今マルコが幸せになるようにって願ってただろ?」
「え、何で?」
何で分かったのかしら?
「本当に甘いよな……分かってんのか? レイナはあいつに殺されたんだぞ」
「それでも私はやっぱりマルコに幸せになって欲しいわ。だってマルコは私にとってただ一人の親戚なんだもん」
家族のいない私にとって、マルコという従兄妹がいたことはとても嬉しい事だ。そのマルコが幸せじゃないなんて、絶対ダメよ。私もマルコも幸せにならなきゃダメなんだから。
エイデンが優しく私を引き寄せ、そっと頰に口づけた。
「そんなに寂しがらなくても、もうすぐ俺が家族になるだろう。秋には結婚だ」
「そうだね」
もう何のトラブルもなく、秋には結婚式を迎えたい。
「それに……そんなに家族が欲しいなら今すぐに作ってもいいんだぞ」
それって、子供ってこと!?
「そ、それは……まだ昼だし……っていうか結婚もしてないのに……」
「ははっ。何慌ててんだ」
エイデンが明るい声を出して笑った。
「だ、だってエイデンが変なこと言うから……」
「こんなに赤くなって……本当にレイナは可愛いな」
エイデンはまだククっとおかしそうに笑いながら私の頭にキスをした。
「このまま押し倒したいところだが、さすがに今日はカイルがうるさいからなぁ……」
この数日アダム王子がいたため、色々溜まっている仕事があるのだとエイデンは言った。
「相手してやれなくて悪いな」
いやいや。悪いというなら私の相手をできないことよりも、私を困らせる発言の方ですから。
「全く気にしないから、どうぞカイルのところへ戻ってください」
「なんだそりゃ」
エイデンが再び声を出して笑った。
「そう言われると戻りたくなくなるじゃないか」
エイデンに至近距離でじっと見つめられ、心臓が大きな音を立て始める。チョコレート色の瞳から目が離せない。エイデンの唇がゆっくりと私の唇に重なった。
「やっぱり戻るのは後にするかな……」
そう言って私を抱きしめたエイデンを慌てて押し返す。
あぶないあぶない。このままだとまたエイデンを拒めなくなっちゃう。
「カイルが待ってるんだから、早く戻った方がいいわ」
「なんだよ? 俺を早く追い出したいのか?」
「そうじゃないけど、レオナルド様もノースローザンヌに行ってていないんだし、忙しいでしょ?」
「まあな。レオナルドのやつ、すぐに帰ってくればいいが……」
まぁレオナルドの事だし、ノースローザンヌでのんびりしてくるんんじゃないかな。
エイデンが小さくため息をついた。
「それにしてもアダムの奴、何度もレイナに色目を使いやがったな」
色目なんて使われたかしら? 思い当たる事がないんだけど……
「だいたいレイナは危機感がなさすぎだろ。レイナは最高に可愛いんだから、俺以外の男を部屋に入れて何かあったらどうするんだ」
ええー!! この場合は、ありがとうなの? それともごめんなさい?
怒られてるんだか、褒められてるんだか、やきもちなのか……よく分からない。よく分からないけど、何だか嬉しいことは嬉しいからまぁいっか。
「でもエイデンもアダム様と盛り上がってたじゃない。昨日私は先に寝ちゃったけど、レオナルド様と三人で夜中まで飲んでたんでしょ?」
「それはそうだが、仲良くなったわけじゃない」
エイデンがきっぱりと言い切った。
「ただ今は尊敬できる部分もあると思っている。前はただの女好きの馬鹿だと思ってたからな……」
エイデンったら、アダムに対して結構ひどいこと思ってたのね。まぁ私も似たような事思った気がするけど。
「俺なら好きな女が他の男と結婚したのを黙って見守ることはできん」
「じゃあ……もしまた私の記憶がなくなっちゃって、他の人と結婚するって言ったらどうする?」
冗談っぽく尋ねた私にエイデンが真面目な顔をして、「それはあり得ないな」と答えた。
「どうして?」
「レイナが俺以外の男を好きになるなんてあり得ないからだ」
そう言ってエイデンが私に口付けた。いつもより深く、長い口付けに体が熱を帯びてくる。
「な? そうだろ?」
もう……エイデンはずるい!!
これじゃ頷くしかできないじゃない。
「まぁもし仮にそんな事があったら、俺は間違いなくその男を焼き殺すだろうけどな」
エイデンの大きな胸の中で幸せに包まれていた私の耳に、エイデンの小さな冗談が聞こえた。
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