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50.エイデンの悩み事は?
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はっくしゅん
「大変だ。レイナ、大丈夫ですか?」
豪快なくしゃみをした私にレオナルドがティッシュを渡してくれる。ティッシュで鼻を抑えながら、無言でこくこくと頷いた。
今日の朝食はレオナルドだけじゃなくジョアンナも一緒だ。パンケーキにこれでもかというほどのシロップをかけ、美味しそうにパクリと口に入れるジョアンナはレオナルドと同じくかなりの甘党だ。
「昨日は風邪で寝込んでたんですってね」
「エイデンと庭でお茶をしたと聞きましたが、それが悪かったんですかね?」
心配そうなレオナルドの言葉を聞いたジョアンナが信じられないといった顔をした。
「この寒いのに? そりゃ風邪もひくわよ」
「そう思ったんですけど、せっかくエイデンが誘ってくれたので……」
エイデンにも困ったもんだと、レオナルドとジョアンナが顔を見合わせておかしそうに笑っている。
「それで今日は二人で夕食なんでしょう? エイデンは今夜の予定をあけるため、昨日できる限り仕事を終わらせるとか言って執務室にこもってましたよ」
見るからに甘そうなパンケーキをペロリと平らげ、レオナルドは紅茶のお代わりを飲んでいる。
「ふーん、二人で夕食ね。いいじゃない」
エイデンと二人での夕食はもちろん嬉しいし楽しみよ。だけど今日の夕食は、なんでだろ? ドレスアップするよう言われてるのよね。今まで二人で食事をするのに、服装の事なんて言われたことはないのに。
「なんだか最近、エイデンの様子がおかしくありませんか?」
あの寒すぎる庭の散歩の時だって、特に話をするわけでもなく、同じところをぐるぐると一時間も歩いていただけよ。
昨日だって具合が悪くて横になっている私の所に来たエイデンは、ベッド脇の椅子に腰掛け腕を組んだまま難しい顔をしていた。結局私は眠ってしまったけど、ビビアンによるとエイデンはそのままの状態で夜更けまで過ごしていたらしい。
「何だかよく難しい顔をしてるし、何か悩みがあるんじゃないかと思うんですけど……」
プッと吹き出したジョアンナが、おかしそうに声を出して笑っている。何がそんなにおかしいのか、笑いすぎて涙が出る始末だ。
「いやー、エイデンは本当に期待を裏切らないわね」
「そんなに笑ったらダメですよ」
ジョアンナを嗜めるレオナルドも笑っている。二人とも楽しそうで結構だけど、私一人状況についていけてない。大笑いして気がすんだのか、ジョアンナが口を開いた。
「エイデンはあなたのことで悩んでるのよ」
えっ? 私の事?
そう言われても私、エイデンを悩ませている覚えなんて全くないんだけど。
「エイデンはね……」
「ジョアンナ!」
ジョアンナの言葉をレオナルドがキツイ声で遮った。レオナルドが無言で首を振るのを見て、ジョアンナが首をすくめる。
「今のは聞かなかったことにしてくれますよね?」
待ってよ、レオナルド!! ここで話を止められたら気になって仕方ないでしょ。
「少しくらい教えてあげてもいいじゃない。エイデンがさっさと言わないのが悪いんだから」
ジョアンナとレオナルドのやりとりを聞きながら、不安が募っていく。
「二人ともエイデンが何を悩んでいるのか知ってるんですか?」
私の問いかけに二人は口をつぐんだ。
この顔はもう明らかに知ってるわよね。じゃあ私だけ知らないんだ……エイデンは一体何を悩んでるの?? エイデンが私にだけ言えないことってなんだろう?
ここ数日のエイデンの様子を思い出してみても、いい話じゃない事は確かね。なんかずっと眉間に皺を寄せて難しい顔してたし。
「まぁでも私達が言わなくても分かるでしょ。あなたとのことで悩む理由なんて……」
「ジョアンナ!」
レオナルドが再びジョアンナに黙るよう合図を送った。
私とのことで悩む理由……って、思いつくことは一つしかない。
「もしかして……結婚のことですか?」
ジョアンナが「そうだ」とばかりに大きく頷くのを見てレオナルドは諦めたようにため息をついた。
「エイデンは少し不器用なところがありますからね。レイナを前にしたらうまく言えなくなってしまうんでしょう。そのうちきちんと本人から話すでしょうから、待っていてあげてください」
「……分かりました……」
そっかぁ……じゃあエイデンは私と正式に婚約解消をしてお別れするつもりなのね。てっきりもう仲直りして元通りかと思ってたけど、私の勘違いだったのかぁ。湖でエイデンは「分かるだろ?」って言ってたから、つい自分に都合のいい解釈をしちゃった。
「そっかぁ……エイデンはそれで悩んでたのかぁ……それならそうと、さっさと言ってくれれば良かったのに」
ごめんねエイデン気づいてあげられなくて……
思い出してみると、庭で過ごした時も、昨日お見舞いに来てくれた時も、エイデンは何か言いにくそうにしていた。
もしかしたら婚約解消したんだから、さっさと出て行けとか言いたかったのかな? 私ったら本当に鈍いわ。全然気がつかなかったんだもの。
ドレスアップしろと言われたってことは、今夜が私とエイデンの最後の晩餐になるのかもしれない。
私、泣かずに笑って話せるかしら?
悲しみを胸に迎えたエイデンとの夕食タイム、前菜とサラダを勢いよく食べた私を見ながら、エイデンがほっとしたような顔で笑った。
「具合はすっかりよくなったみたいだな」
「おかげ様で」
今朝レオナルドとジョアンナと別れてから色々な考えが頭をめぐり、昼食は食べられなかったのだ。
「んー、美味しい」
大好物のタンシチューはお肉がトロトロで最高!! この濃厚なソースは絶品よ。
「それにしても、すごい花ね」
部屋を覆い尽くすかのように飾られた花々はとても色鮮やかなで美しい。これだけの花に囲まれていると、まるで花畑にいるようだ。
「気に入ったか?」
「ええ。とても綺麗ね」
喜んでいるのかしら? エイデンの口元が少し緩んだ。嬉しいならもっと嬉しそうにすればいいのに。でもこういう素直じゃないとこも結構好きだったわ。
エイデンが私との関係を完全に終わらせるつもりだと知って私も色々考えた。そして笑って受け入れる覚悟を決めた。なのになんで話を切り出してくれないの??
本当は別れ話なんて話聞きたくない。だけどどうせ言われるなら早くして欲しいなと思いながら、テーブルのお皿が下げられていくのをぼんやりと見つめていた。あっと言う間に残すはデザートだけだ。
「なぁレイナ……せっかくおしゃれしたんだ。デザートの用意が整うまで少し踊らないか?」
エイデンが音楽をかけるよう命じると、すぐに明るい音が部屋を満たしていく。差し出されたエイデンの手をとると、エイデンが優しく私をひきよせた。
いつもぶっきらぼうで愛想がないのに、こういう時のリードは優しいのよね。
「エイデン……今日はありがとう」
「ああ……」
もう我慢できない!! 終わりなら終わりって早く言ってよ!!
「エイデン……私に話があるんでしょ? ごめんね。レオナルド様達から聞いちゃったんだ」
エイデンが足を止め給仕係に退出するよう命じた。音楽がやみ、部屋は静寂に包まれる。
「はぁ。何だよ!! これじゃあ計画が全てパァじゃないか」
エイデンが椅子に腰掛けグラスに残っていたワインを一口で飲み干した。
「ごめんなさい」
「お前が悪いんじゃない。あのおしゃべり共のせいだ」
頭をかき私から視線を逸らしたエイデンの頰は、少し赤みがかっている。
「悪いな。もっと早く言いたかったんだが、こういうの慣れてなくてな」
「大丈夫よ。エイデンの気持ちは分かってるから」
今後のことについて話したいと言うエイデンに、頭痛がするので今日はもう休みたいと伝え部屋に戻る。
一人になった途端、抑えていた涙が静かに溢れ落ちた。
よく頑張った。エイデンの前ではちゃんと笑っていられたんだから上出来よ。だから今だけ少し泣かせて。
その夜私は、布団にくるまり誰にも気づかれないよう声を押し殺して涙を流した。
「大変だ。レイナ、大丈夫ですか?」
豪快なくしゃみをした私にレオナルドがティッシュを渡してくれる。ティッシュで鼻を抑えながら、無言でこくこくと頷いた。
今日の朝食はレオナルドだけじゃなくジョアンナも一緒だ。パンケーキにこれでもかというほどのシロップをかけ、美味しそうにパクリと口に入れるジョアンナはレオナルドと同じくかなりの甘党だ。
「昨日は風邪で寝込んでたんですってね」
「エイデンと庭でお茶をしたと聞きましたが、それが悪かったんですかね?」
心配そうなレオナルドの言葉を聞いたジョアンナが信じられないといった顔をした。
「この寒いのに? そりゃ風邪もひくわよ」
「そう思ったんですけど、せっかくエイデンが誘ってくれたので……」
エイデンにも困ったもんだと、レオナルドとジョアンナが顔を見合わせておかしそうに笑っている。
「それで今日は二人で夕食なんでしょう? エイデンは今夜の予定をあけるため、昨日できる限り仕事を終わらせるとか言って執務室にこもってましたよ」
見るからに甘そうなパンケーキをペロリと平らげ、レオナルドは紅茶のお代わりを飲んでいる。
「ふーん、二人で夕食ね。いいじゃない」
エイデンと二人での夕食はもちろん嬉しいし楽しみよ。だけど今日の夕食は、なんでだろ? ドレスアップするよう言われてるのよね。今まで二人で食事をするのに、服装の事なんて言われたことはないのに。
「なんだか最近、エイデンの様子がおかしくありませんか?」
あの寒すぎる庭の散歩の時だって、特に話をするわけでもなく、同じところをぐるぐると一時間も歩いていただけよ。
昨日だって具合が悪くて横になっている私の所に来たエイデンは、ベッド脇の椅子に腰掛け腕を組んだまま難しい顔をしていた。結局私は眠ってしまったけど、ビビアンによるとエイデンはそのままの状態で夜更けまで過ごしていたらしい。
「何だかよく難しい顔をしてるし、何か悩みがあるんじゃないかと思うんですけど……」
プッと吹き出したジョアンナが、おかしそうに声を出して笑っている。何がそんなにおかしいのか、笑いすぎて涙が出る始末だ。
「いやー、エイデンは本当に期待を裏切らないわね」
「そんなに笑ったらダメですよ」
ジョアンナを嗜めるレオナルドも笑っている。二人とも楽しそうで結構だけど、私一人状況についていけてない。大笑いして気がすんだのか、ジョアンナが口を開いた。
「エイデンはあなたのことで悩んでるのよ」
えっ? 私の事?
そう言われても私、エイデンを悩ませている覚えなんて全くないんだけど。
「エイデンはね……」
「ジョアンナ!」
ジョアンナの言葉をレオナルドがキツイ声で遮った。レオナルドが無言で首を振るのを見て、ジョアンナが首をすくめる。
「今のは聞かなかったことにしてくれますよね?」
待ってよ、レオナルド!! ここで話を止められたら気になって仕方ないでしょ。
「少しくらい教えてあげてもいいじゃない。エイデンがさっさと言わないのが悪いんだから」
ジョアンナとレオナルドのやりとりを聞きながら、不安が募っていく。
「二人ともエイデンが何を悩んでいるのか知ってるんですか?」
私の問いかけに二人は口をつぐんだ。
この顔はもう明らかに知ってるわよね。じゃあ私だけ知らないんだ……エイデンは一体何を悩んでるの?? エイデンが私にだけ言えないことってなんだろう?
ここ数日のエイデンの様子を思い出してみても、いい話じゃない事は確かね。なんかずっと眉間に皺を寄せて難しい顔してたし。
「まぁでも私達が言わなくても分かるでしょ。あなたとのことで悩む理由なんて……」
「ジョアンナ!」
レオナルドが再びジョアンナに黙るよう合図を送った。
私とのことで悩む理由……って、思いつくことは一つしかない。
「もしかして……結婚のことですか?」
ジョアンナが「そうだ」とばかりに大きく頷くのを見てレオナルドは諦めたようにため息をついた。
「エイデンは少し不器用なところがありますからね。レイナを前にしたらうまく言えなくなってしまうんでしょう。そのうちきちんと本人から話すでしょうから、待っていてあげてください」
「……分かりました……」
そっかぁ……じゃあエイデンは私と正式に婚約解消をしてお別れするつもりなのね。てっきりもう仲直りして元通りかと思ってたけど、私の勘違いだったのかぁ。湖でエイデンは「分かるだろ?」って言ってたから、つい自分に都合のいい解釈をしちゃった。
「そっかぁ……エイデンはそれで悩んでたのかぁ……それならそうと、さっさと言ってくれれば良かったのに」
ごめんねエイデン気づいてあげられなくて……
思い出してみると、庭で過ごした時も、昨日お見舞いに来てくれた時も、エイデンは何か言いにくそうにしていた。
もしかしたら婚約解消したんだから、さっさと出て行けとか言いたかったのかな? 私ったら本当に鈍いわ。全然気がつかなかったんだもの。
ドレスアップしろと言われたってことは、今夜が私とエイデンの最後の晩餐になるのかもしれない。
私、泣かずに笑って話せるかしら?
悲しみを胸に迎えたエイデンとの夕食タイム、前菜とサラダを勢いよく食べた私を見ながら、エイデンがほっとしたような顔で笑った。
「具合はすっかりよくなったみたいだな」
「おかげ様で」
今朝レオナルドとジョアンナと別れてから色々な考えが頭をめぐり、昼食は食べられなかったのだ。
「んー、美味しい」
大好物のタンシチューはお肉がトロトロで最高!! この濃厚なソースは絶品よ。
「それにしても、すごい花ね」
部屋を覆い尽くすかのように飾られた花々はとても色鮮やかなで美しい。これだけの花に囲まれていると、まるで花畑にいるようだ。
「気に入ったか?」
「ええ。とても綺麗ね」
喜んでいるのかしら? エイデンの口元が少し緩んだ。嬉しいならもっと嬉しそうにすればいいのに。でもこういう素直じゃないとこも結構好きだったわ。
エイデンが私との関係を完全に終わらせるつもりだと知って私も色々考えた。そして笑って受け入れる覚悟を決めた。なのになんで話を切り出してくれないの??
本当は別れ話なんて話聞きたくない。だけどどうせ言われるなら早くして欲しいなと思いながら、テーブルのお皿が下げられていくのをぼんやりと見つめていた。あっと言う間に残すはデザートだけだ。
「なぁレイナ……せっかくおしゃれしたんだ。デザートの用意が整うまで少し踊らないか?」
エイデンが音楽をかけるよう命じると、すぐに明るい音が部屋を満たしていく。差し出されたエイデンの手をとると、エイデンが優しく私をひきよせた。
いつもぶっきらぼうで愛想がないのに、こういう時のリードは優しいのよね。
「エイデン……今日はありがとう」
「ああ……」
もう我慢できない!! 終わりなら終わりって早く言ってよ!!
「エイデン……私に話があるんでしょ? ごめんね。レオナルド様達から聞いちゃったんだ」
エイデンが足を止め給仕係に退出するよう命じた。音楽がやみ、部屋は静寂に包まれる。
「はぁ。何だよ!! これじゃあ計画が全てパァじゃないか」
エイデンが椅子に腰掛けグラスに残っていたワインを一口で飲み干した。
「ごめんなさい」
「お前が悪いんじゃない。あのおしゃべり共のせいだ」
頭をかき私から視線を逸らしたエイデンの頰は、少し赤みがかっている。
「悪いな。もっと早く言いたかったんだが、こういうの慣れてなくてな」
「大丈夫よ。エイデンの気持ちは分かってるから」
今後のことについて話したいと言うエイデンに、頭痛がするので今日はもう休みたいと伝え部屋に戻る。
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