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25.妃修行
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「妃修行?」
久しぶりに私の部屋を訪れたカイルが、体の調子もよくなった事だし、そろそろ妃修行を再開してはどうかと提案をした。
妃修行とは、ダンス、テーブルマナーなど令嬢として基本的なことから、王妃になる心構えまでを徹底的に叩き込む事らしい。
「レイナ様には以前にも妃修行を受けていただいたのですが、どうやら全てお忘れのご様子。仕方ありませんので、ビシバシとスパルタでいかせていただきます」
スパルタと言った時のカイルが、やけに生き生きとして見えたのは気のせいかしら?
「えーっと……頑張らせていただきます」
カイルがコホンと一つ咳をした。
「お分かりかと思いますが、レイナ様の妃修業が終了するまで、陛下と結婚することはできません」
そう言われてもねぇ。正直まだエイデンとの結婚って、なんだかピンとこないのよ。こんな状態で王妃になる心構えって言われても……
私が以前に妃修業をしていたなんて、信じられないくらいだ。
「結婚かぁ……」
思わず口から出た言葉にカイルが素早く反応する。
「レイナ様は陛下と結婚したいと思ってるんですよね?」
な、なんで皆そんな真剣な顔で私を見てるの? カイルだけではなく、ビビアンとミアにまで注目されて戸惑ってしまう。
「結婚……したいようなしたくないような……」
カイルが、はぁ? 結局どっちなんだ? っという顔で私を見た。
「だ、だって、まだ分からないんだもん。エイデンが婚約者だっていうのもまだ実感がないくらいだし……」
エイデンが私の事を想ってくれているのは伝わってきているし、私もその気持ちに応えたいと思ってはいるのよ。でもなんだろう。まだ私の中で何かがモヤモヤしてるっていうかなんていうか……
「そうですか。分かりました」
私にも分からない私の気持ちをカイルは分かったのだろうか? 考えがあると言い残し、部屋を出ていった。
カイルの考えが何かは分からないけれど、その翌日はエイデンと共にピクニックに出かけることになった。
「何でお前達が一緒なんだ?」
朝早く、城門にエイデンの不機嫌そうな声が響く。
「エイデンと一緒にピクニックに行くためですよ。今日一日遊ぶため、昨夜は遅くまで仕事をしたんですからね」
不機嫌なエイデンの様子など気にすることもなく、レオナルドは馬車に乗り込んだ。私達を乗せた馬車は春の暖かい日差しの中をゆっくりと進んでいく。
ピクニックは湖のほとりで行われた。んーっと思い切り伸びをして息を吸い込むと、爽やかな草原の香りが気分を明るくしてくれる。
ビビアンとミアが日陰に広げた大きなシートの上に、沢山のお弁当が並べられていくのをワクワクする気持ちで眺めた。
「いただきまーす!!」
タマゴサンドをパクリ。暖かい場所で皆と食べる昼食はとてもおいしくて幸せだ。なのに隣に座るエイデンは、サンドイッチをかじりながら難しい顔をしている。
「エイデンどうしたの? サンドイッチ嫌いだった?」
「いや、そんなことはない」
相変わらず難しそうな顔のままエイデンが答えた。
「心配しなくてもいいですよ。エイデンはレイナと二人きりのピクニックだと勘違いして、ガッカリしているだけですから」
「カイルから、レイナとお互いを知るためにピクニックをしたらどうかと言われたんだ。二人きりだと思うだろ」
このピクニックにそんな意味があったなんて。
留守番でここには来ていないカイルに対して、エイデンがブツブツと愚痴を言う。
「あぁ、そうでした。忘れてました」
ビビアンが何かを思い出したかのように、手をパンっと叩いた。
「今朝先代からピクニックに持って行くようにと渡されたんです」
「先代から?」
ビビアンが取り出した大きな水筒を見た、エイデンとレオナルドが同時に驚いた。
「さっすが双子ですね」
レオナルドの従者のマルコは、二人の声が被った事に妙に感心している。
「先代からって、一体何なんだい?」
「お茶ですよ。今お配りしますね」
よく冷えたお茶は爽やかで、暖かいピクニックにピッタリだった。お祖父様のお茶パワーなのかなんなのか? エイデンの機嫌も少しは回復したようだ。
昼食が終わり、しばらく経った頃だろう。
「レイナ、行くぞ」
「え? どこに?」
私の質問には答えず、エイデンは私を馬に乗せると自分も後ろに飛び乗った。
「誰もついてくるなよ!!」
皆に向かって言うやいなや、馬を走らせる。エイデンが馬を止めたのは、一面の白い綿毛の花畑が広がっている場所だった。綿毛の海に足を踏み入れると、白い綿毛が空へとのぼっていく。
「きれい……」
空に吸い込まれてしまいそう。
絵に描いたような真っ青な空に向かって飛んでいく綿毛はとても綺麗だ。
「すごいだろ。ずっとレイナにこの花畑を見せたいと思ってたんだ」
二人で飛んでいく綿毛を一緒に眺める。エイデンが優しく微笑み、私の手を握った。
「やっと二人きりになれたな」
純粋に喜んでいるエイデンを見ると、嬉しいと思う気持ちと共に、どうしてという気持ちもわいてくる。
「エイデンはどうして私の事をそんなに好きなの?」
ちょっと、いや、かなり自惚れた質問で、聞くのは恥ずかしいんだけど。でも聞いてもいいわよね。エイデンみたいな素敵な人が、私を好きになる理由なんて全く思いつかないんだもん。
「それは……レイナが可愛いからだよ」
嘘!! それは絶対に違うわね。悲しいけど、見た目だけで私が選ばれるのは無理がある。
「本当だよ。レイナは世界一可愛いから」
絶対に嘘だって分かってるのに、エイデンがあんまりにも甘い顔して言うもんだから、ついつい信じてしまいたくなる。
「レイナ、愛してるよ」
エイデンの言葉が胸をくすぐる。言葉にならない感情が、私の中から湧きあがってきた。
もっと……もっとエイデンの愛が欲しい。もっと私に触れて、もっと私を愛して欲しい。
「どうした?」
足を止めたエイデンが、んっと私の瞳を覗きこんだ。チョコレート色の瞳に見つめられて、心臓が大きな音を立てて踊り出す。
どうしよう? キスして欲しいって言ったら引かれちゃうかな?
エイデンの事を好きかどうかも分からないくせに、キスして欲しいと思うなんて。自分でも呆れちゃうくらい破廉恥だわ。
でもでも、キスしたら自分の気持ちもはっきりするかもしれないし……
「ねぇ、エイデン……キス……して欲しいな……」
え? っとエイデンが驚いた瞬間、突風が吹いた。
「わぁ……」
あたり一面、空へとのぼっていく綿毛でいっぱいになる様子はとても美しい。
「レイナ!!」
綿毛に見惚れ、空を見上げていた私をエイデンが優しく抱きしめた。
「レイナ、もう一度言って」
エイデンの胸に頰を押し当てると、エイデンの胸の音が聞こえてくる。
エイデンもドキドキしてる……
いつも余裕そうなエイデンが今、私と同じようにドキドキしているのだと思うと、何だか急に愛おしく感じた。
「エイデン……お願い。キスして……」
エイデンが両手で私の頬を挟んだ。
私の事を確かめるようにじっと見つめているエイデンを見つめ返す。心臓が暴れるようにドクドクいっている音すら、どこか遠くの出来事のように何も聞こえない。
瞳を閉じるとエイデンの唇が私に触れた。ゆっくりと優しく、私の反応を確認するかのようにエイデンが繰り返しキスをする。
あぁ。もしかしたら私……自分で思ってたよりエイデンの事好きなのかもしれない。
唇から伝わってくるエイデンの愛情が私を満たし、言い表せないくらいの幸福感に包まれた。
久しぶりに私の部屋を訪れたカイルが、体の調子もよくなった事だし、そろそろ妃修行を再開してはどうかと提案をした。
妃修行とは、ダンス、テーブルマナーなど令嬢として基本的なことから、王妃になる心構えまでを徹底的に叩き込む事らしい。
「レイナ様には以前にも妃修行を受けていただいたのですが、どうやら全てお忘れのご様子。仕方ありませんので、ビシバシとスパルタでいかせていただきます」
スパルタと言った時のカイルが、やけに生き生きとして見えたのは気のせいかしら?
「えーっと……頑張らせていただきます」
カイルがコホンと一つ咳をした。
「お分かりかと思いますが、レイナ様の妃修業が終了するまで、陛下と結婚することはできません」
そう言われてもねぇ。正直まだエイデンとの結婚って、なんだかピンとこないのよ。こんな状態で王妃になる心構えって言われても……
私が以前に妃修業をしていたなんて、信じられないくらいだ。
「結婚かぁ……」
思わず口から出た言葉にカイルが素早く反応する。
「レイナ様は陛下と結婚したいと思ってるんですよね?」
な、なんで皆そんな真剣な顔で私を見てるの? カイルだけではなく、ビビアンとミアにまで注目されて戸惑ってしまう。
「結婚……したいようなしたくないような……」
カイルが、はぁ? 結局どっちなんだ? っという顔で私を見た。
「だ、だって、まだ分からないんだもん。エイデンが婚約者だっていうのもまだ実感がないくらいだし……」
エイデンが私の事を想ってくれているのは伝わってきているし、私もその気持ちに応えたいと思ってはいるのよ。でもなんだろう。まだ私の中で何かがモヤモヤしてるっていうかなんていうか……
「そうですか。分かりました」
私にも分からない私の気持ちをカイルは分かったのだろうか? 考えがあると言い残し、部屋を出ていった。
カイルの考えが何かは分からないけれど、その翌日はエイデンと共にピクニックに出かけることになった。
「何でお前達が一緒なんだ?」
朝早く、城門にエイデンの不機嫌そうな声が響く。
「エイデンと一緒にピクニックに行くためですよ。今日一日遊ぶため、昨夜は遅くまで仕事をしたんですからね」
不機嫌なエイデンの様子など気にすることもなく、レオナルドは馬車に乗り込んだ。私達を乗せた馬車は春の暖かい日差しの中をゆっくりと進んでいく。
ピクニックは湖のほとりで行われた。んーっと思い切り伸びをして息を吸い込むと、爽やかな草原の香りが気分を明るくしてくれる。
ビビアンとミアが日陰に広げた大きなシートの上に、沢山のお弁当が並べられていくのをワクワクする気持ちで眺めた。
「いただきまーす!!」
タマゴサンドをパクリ。暖かい場所で皆と食べる昼食はとてもおいしくて幸せだ。なのに隣に座るエイデンは、サンドイッチをかじりながら難しい顔をしている。
「エイデンどうしたの? サンドイッチ嫌いだった?」
「いや、そんなことはない」
相変わらず難しそうな顔のままエイデンが答えた。
「心配しなくてもいいですよ。エイデンはレイナと二人きりのピクニックだと勘違いして、ガッカリしているだけですから」
「カイルから、レイナとお互いを知るためにピクニックをしたらどうかと言われたんだ。二人きりだと思うだろ」
このピクニックにそんな意味があったなんて。
留守番でここには来ていないカイルに対して、エイデンがブツブツと愚痴を言う。
「あぁ、そうでした。忘れてました」
ビビアンが何かを思い出したかのように、手をパンっと叩いた。
「今朝先代からピクニックに持って行くようにと渡されたんです」
「先代から?」
ビビアンが取り出した大きな水筒を見た、エイデンとレオナルドが同時に驚いた。
「さっすが双子ですね」
レオナルドの従者のマルコは、二人の声が被った事に妙に感心している。
「先代からって、一体何なんだい?」
「お茶ですよ。今お配りしますね」
よく冷えたお茶は爽やかで、暖かいピクニックにピッタリだった。お祖父様のお茶パワーなのかなんなのか? エイデンの機嫌も少しは回復したようだ。
昼食が終わり、しばらく経った頃だろう。
「レイナ、行くぞ」
「え? どこに?」
私の質問には答えず、エイデンは私を馬に乗せると自分も後ろに飛び乗った。
「誰もついてくるなよ!!」
皆に向かって言うやいなや、馬を走らせる。エイデンが馬を止めたのは、一面の白い綿毛の花畑が広がっている場所だった。綿毛の海に足を踏み入れると、白い綿毛が空へとのぼっていく。
「きれい……」
空に吸い込まれてしまいそう。
絵に描いたような真っ青な空に向かって飛んでいく綿毛はとても綺麗だ。
「すごいだろ。ずっとレイナにこの花畑を見せたいと思ってたんだ」
二人で飛んでいく綿毛を一緒に眺める。エイデンが優しく微笑み、私の手を握った。
「やっと二人きりになれたな」
純粋に喜んでいるエイデンを見ると、嬉しいと思う気持ちと共に、どうしてという気持ちもわいてくる。
「エイデンはどうして私の事をそんなに好きなの?」
ちょっと、いや、かなり自惚れた質問で、聞くのは恥ずかしいんだけど。でも聞いてもいいわよね。エイデンみたいな素敵な人が、私を好きになる理由なんて全く思いつかないんだもん。
「それは……レイナが可愛いからだよ」
嘘!! それは絶対に違うわね。悲しいけど、見た目だけで私が選ばれるのは無理がある。
「本当だよ。レイナは世界一可愛いから」
絶対に嘘だって分かってるのに、エイデンがあんまりにも甘い顔して言うもんだから、ついつい信じてしまいたくなる。
「レイナ、愛してるよ」
エイデンの言葉が胸をくすぐる。言葉にならない感情が、私の中から湧きあがってきた。
もっと……もっとエイデンの愛が欲しい。もっと私に触れて、もっと私を愛して欲しい。
「どうした?」
足を止めたエイデンが、んっと私の瞳を覗きこんだ。チョコレート色の瞳に見つめられて、心臓が大きな音を立てて踊り出す。
どうしよう? キスして欲しいって言ったら引かれちゃうかな?
エイデンの事を好きかどうかも分からないくせに、キスして欲しいと思うなんて。自分でも呆れちゃうくらい破廉恥だわ。
でもでも、キスしたら自分の気持ちもはっきりするかもしれないし……
「ねぇ、エイデン……キス……して欲しいな……」
え? っとエイデンが驚いた瞬間、突風が吹いた。
「わぁ……」
あたり一面、空へとのぼっていく綿毛でいっぱいになる様子はとても美しい。
「レイナ!!」
綿毛に見惚れ、空を見上げていた私をエイデンが優しく抱きしめた。
「レイナ、もう一度言って」
エイデンの胸に頰を押し当てると、エイデンの胸の音が聞こえてくる。
エイデンもドキドキしてる……
いつも余裕そうなエイデンが今、私と同じようにドキドキしているのだと思うと、何だか急に愛おしく感じた。
「エイデン……お願い。キスして……」
エイデンが両手で私の頬を挟んだ。
私の事を確かめるようにじっと見つめているエイデンを見つめ返す。心臓が暴れるようにドクドクいっている音すら、どこか遠くの出来事のように何も聞こえない。
瞳を閉じるとエイデンの唇が私に触れた。ゆっくりと優しく、私の反応を確認するかのようにエイデンが繰り返しキスをする。
あぁ。もしかしたら私……自分で思ってたよりエイデンの事好きなのかもしれない。
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