24 / 86
23.エイデンの祖父
しおりを挟む
私が目覚めてからもう一か月。最初の頃は起き上がるのも辛かったけど、今は体もだんだんと自由に動かせるようになってきた。
「ん。ビビアン、この紅茶甘くておいしいわ。桃が入ってるの?」
ビビアンがいれてくれた紅茶からは、ほんのりと桃の香りが漂っている。
「桃のジャムが入ってるんです。お気に召しましたか?」
「うん。とってもおいしいわ」
なぜだかビビアンとミアがとっても嬉しそうに笑っている。
「昨夜エイデン様が持って来てくださったんです」
「エイデンが?」
「はい。このジャムはレイナ様とエイデン様の思い出のジャムなんですよ」
なんでも私とエイデンが街でデートした際、この桃ジャムをお土産に買って来たらしい。
紅茶をゆっくりと口へと運ぶ。
うーん。前にも味わったことがあるかと聞かれたら、あるような気もするけれど……
「ダメだわ。全く思い出せない。せっかく買って来てくれたのに、エイデンに申し訳ないわね」
「大丈夫よ。何も覚えてなくても、エイデン様はレイナが元気なだけで嬉しいんだから」
ミアが励ましてくれるけど、やっぱり落ち込んじゃうのよね。自分の婚約者を忘れるなんて、私ってばなんてひどい女なんだろう。
それなのにエイデンは、私を責めるどころかとても優しくしてくれる。それがまた余計に心苦しい。
思い出せなくてごめんなさいと、何度かエイデンに謝った。そのたびにエイデンは、「無理に思い出すことはない」と言って笑ってくれる。
本当にどうして何も思い出せないんだろう。
エイデンからは大規模な山火事が起こり、それに巻きこまれた私は意識を失ったと聞いてるのよね。でもそれ以上のことは何度聞いてもはぐらかされちゃうし。結局よく分からないままだ。
ビビアンやミアも同様に、私についての詳しいことはあまり教えてくれない。それが余計に不安なのよね。私って、皆が説明できないくらい悪い女だったんじゃないかしら?
「忘れてしまったのは辛いことだけど、今からエイデン様の事を好きになっていけばいいんじゃない?」
そうは言ってもねぇ……何だか恐れ多い気がして恋愛対象としては見れないのよね。だってエイデンはこの国の王様なんだし。
「前の私はエイデンの事、好きだったのかな?」
「もちろん」
ビビアンとミアが口を揃えて言うくらいだから、きっと本当なのだろう。
そうよね。なんたってあんなにカッコいいんだもん。
普段は凛々しく整っているエイデンの顔が、楽しそうに笑う時にくしゃっと崩れるのはとても魅力的だ。
「それにしても、どうしてこんな大国の王で、あんなにステキな人が私と婚約なんてしたんだろ?」
「それは……」
ビビアンとミアが顔を見合わせた。まぁ想像通り、二人は何も教えてはくれない。こういう話題になると、必ず皆私がどこまで覚えているかを確認するような質問をしてくる。
自分の記憶がどこまでかと聞かれてもあまり上手に答えられない。所々虫喰いの本のように記憶が抜け落ちているのだ。 ある時までですっぱり消えてるってわけではない。
まぁいいや、考えても仕方がない。
今の私にできることは、皆に心配されず普通の生活を送ることだけだ。
「さぁ。美味しい紅茶も飲んだし、少し散歩でもしようかしら」
カップを置き立ち上がる。窓から見える外の世界は薄暗い。
「外を散歩するのはまだ無理そうね」
冬の厳しい寒さが終わるまでは、まだしばらくかかりそうだ。
ビビアンに付き添ってもらいながら、廊下をゆっくりと歩く。エイデンから、私の部屋がある階の廊下だけは自由に歩いていいと言われている。この階は人が自由に出入りできないよう封鎖されてるから安全らしい。
「あれは……」
廊下の先にいる人物を見てビビアンが足をとめた。
知り合いかしら?
ビビアンの視線の先にいた老人が、私達に気づいて近づいてくる。
ビビアンが老人に向かって深々と頭をさげた。ひどく険しい顔をして、老人が私を睨む様に見つめてくる。
「……お前が、ガードランドの娘か……」
「レイナです。よろしくお願いします」
誰だか分からないけれど、ビビアンの態度からして偉い人に違いない。失礼のないよう、しっかりと頭を下げた。
「娘、ついてこい」
しばらくの沈黙の後、老人はそう言って歩き出した。なぜだろう。この老人には人を従わせるような力がある。誰だか分からないまま、とりあえず後に続く。
この老人は誰なのか?
小さな声でビビアンに尋ねると、エイデンのお祖父様だと教えてくれた。
連れて来られた部屋に入ると、そこにはたくさんの花や観葉植物の鉢が置かれていた。
「お花、お好きなんですね」
花瓶も多く置かれていて、飾られている花はとても綺麗だ。
「ふん。死んだ妻が飾っていたのを真似して、メイド達が飾っているだけだ」
部屋にいる中年のメイド二人と目があうと、二人はにっこりと笑って視線を壁に向けた。そこには綺麗な女性の絵が飾ってあった。
「これがエイデンのお祖母様ですか? お綺麗な方ですね」
ふんっともう一度鼻で笑う声がしたが、お祖父様の顔を見てドキッとした。壁の絵を見ている瞳がとても優しかったのだ。私を優しく見つめてくれるエイデンにどことなく似ている気がする。
「すぐに茶の用意をするから、お前はここに座れ。ビビアンだったな。お前は後で迎えに来い」
「ですが……」
私を一人にする事を心配しているビビアンを、大丈夫だからと笑って見送った。
「さぁ、茶をいれるかな」
「お祖父様がいれてくださるんですか?」
「何だ? 何か文句があるのか?」
「文句なんてありません。ただお祖父様がいれてくださるなんて思わなかったので……」
部屋にいたメイドがクスクスと笑い声を出した。
「ジョージ様はお茶をいれるのが趣味なんですよ。どうか付き合ってあげてください」
エイデンの祖父はジョージというのか。そんなことを考えていると、「余計な事を言わずに早く茶菓子を用意しろ」と、お祖父様が大きな声を出した。
「はいはい」っと言いながら、メイドはまたクスクスと笑っている。二人のやりとりに、何だか私まで楽しい気分になって来た。
「お茶だ。ゆっくり飲め」
わーお。見るからに苦そうな色をしたお茶に、一瞬躊躇ってしまう。でもせっかく用意くれたんだしっと勇気を出して飲んでみる。
んっ。何だか甘くて香ばしい。
「美味しいです。こんなに深く濃い緑色なのに、全く苦くないなんて不思議ですね」
「ワシの淹れ方が上手いからな」
お祖父様は満足そうに、自分も茶をすすった。
「これは、抹茶という特別な茶だ」
そう言って茶菓子を一つ選んで手にとった。
「抹茶ですか……はじめて聞きました」
「お前の祖父が好きだった茶だぞ」
茶菓子を口に放り込みながら、サラッと言われた言葉にひっかかる。
えっ? 今、私の祖父って言った?
「……あの……今誰の好きだったお茶って言いましたか?」
きょとんとしている私にお祖父様は言った。
「お前の祖父だよ。ガードランドの最後の国王の好きだった茶だと言ったんだ」
「ん。ビビアン、この紅茶甘くておいしいわ。桃が入ってるの?」
ビビアンがいれてくれた紅茶からは、ほんのりと桃の香りが漂っている。
「桃のジャムが入ってるんです。お気に召しましたか?」
「うん。とってもおいしいわ」
なぜだかビビアンとミアがとっても嬉しそうに笑っている。
「昨夜エイデン様が持って来てくださったんです」
「エイデンが?」
「はい。このジャムはレイナ様とエイデン様の思い出のジャムなんですよ」
なんでも私とエイデンが街でデートした際、この桃ジャムをお土産に買って来たらしい。
紅茶をゆっくりと口へと運ぶ。
うーん。前にも味わったことがあるかと聞かれたら、あるような気もするけれど……
「ダメだわ。全く思い出せない。せっかく買って来てくれたのに、エイデンに申し訳ないわね」
「大丈夫よ。何も覚えてなくても、エイデン様はレイナが元気なだけで嬉しいんだから」
ミアが励ましてくれるけど、やっぱり落ち込んじゃうのよね。自分の婚約者を忘れるなんて、私ってばなんてひどい女なんだろう。
それなのにエイデンは、私を責めるどころかとても優しくしてくれる。それがまた余計に心苦しい。
思い出せなくてごめんなさいと、何度かエイデンに謝った。そのたびにエイデンは、「無理に思い出すことはない」と言って笑ってくれる。
本当にどうして何も思い出せないんだろう。
エイデンからは大規模な山火事が起こり、それに巻きこまれた私は意識を失ったと聞いてるのよね。でもそれ以上のことは何度聞いてもはぐらかされちゃうし。結局よく分からないままだ。
ビビアンやミアも同様に、私についての詳しいことはあまり教えてくれない。それが余計に不安なのよね。私って、皆が説明できないくらい悪い女だったんじゃないかしら?
「忘れてしまったのは辛いことだけど、今からエイデン様の事を好きになっていけばいいんじゃない?」
そうは言ってもねぇ……何だか恐れ多い気がして恋愛対象としては見れないのよね。だってエイデンはこの国の王様なんだし。
「前の私はエイデンの事、好きだったのかな?」
「もちろん」
ビビアンとミアが口を揃えて言うくらいだから、きっと本当なのだろう。
そうよね。なんたってあんなにカッコいいんだもん。
普段は凛々しく整っているエイデンの顔が、楽しそうに笑う時にくしゃっと崩れるのはとても魅力的だ。
「それにしても、どうしてこんな大国の王で、あんなにステキな人が私と婚約なんてしたんだろ?」
「それは……」
ビビアンとミアが顔を見合わせた。まぁ想像通り、二人は何も教えてはくれない。こういう話題になると、必ず皆私がどこまで覚えているかを確認するような質問をしてくる。
自分の記憶がどこまでかと聞かれてもあまり上手に答えられない。所々虫喰いの本のように記憶が抜け落ちているのだ。 ある時までですっぱり消えてるってわけではない。
まぁいいや、考えても仕方がない。
今の私にできることは、皆に心配されず普通の生活を送ることだけだ。
「さぁ。美味しい紅茶も飲んだし、少し散歩でもしようかしら」
カップを置き立ち上がる。窓から見える外の世界は薄暗い。
「外を散歩するのはまだ無理そうね」
冬の厳しい寒さが終わるまでは、まだしばらくかかりそうだ。
ビビアンに付き添ってもらいながら、廊下をゆっくりと歩く。エイデンから、私の部屋がある階の廊下だけは自由に歩いていいと言われている。この階は人が自由に出入りできないよう封鎖されてるから安全らしい。
「あれは……」
廊下の先にいる人物を見てビビアンが足をとめた。
知り合いかしら?
ビビアンの視線の先にいた老人が、私達に気づいて近づいてくる。
ビビアンが老人に向かって深々と頭をさげた。ひどく険しい顔をして、老人が私を睨む様に見つめてくる。
「……お前が、ガードランドの娘か……」
「レイナです。よろしくお願いします」
誰だか分からないけれど、ビビアンの態度からして偉い人に違いない。失礼のないよう、しっかりと頭を下げた。
「娘、ついてこい」
しばらくの沈黙の後、老人はそう言って歩き出した。なぜだろう。この老人には人を従わせるような力がある。誰だか分からないまま、とりあえず後に続く。
この老人は誰なのか?
小さな声でビビアンに尋ねると、エイデンのお祖父様だと教えてくれた。
連れて来られた部屋に入ると、そこにはたくさんの花や観葉植物の鉢が置かれていた。
「お花、お好きなんですね」
花瓶も多く置かれていて、飾られている花はとても綺麗だ。
「ふん。死んだ妻が飾っていたのを真似して、メイド達が飾っているだけだ」
部屋にいる中年のメイド二人と目があうと、二人はにっこりと笑って視線を壁に向けた。そこには綺麗な女性の絵が飾ってあった。
「これがエイデンのお祖母様ですか? お綺麗な方ですね」
ふんっともう一度鼻で笑う声がしたが、お祖父様の顔を見てドキッとした。壁の絵を見ている瞳がとても優しかったのだ。私を優しく見つめてくれるエイデンにどことなく似ている気がする。
「すぐに茶の用意をするから、お前はここに座れ。ビビアンだったな。お前は後で迎えに来い」
「ですが……」
私を一人にする事を心配しているビビアンを、大丈夫だからと笑って見送った。
「さぁ、茶をいれるかな」
「お祖父様がいれてくださるんですか?」
「何だ? 何か文句があるのか?」
「文句なんてありません。ただお祖父様がいれてくださるなんて思わなかったので……」
部屋にいたメイドがクスクスと笑い声を出した。
「ジョージ様はお茶をいれるのが趣味なんですよ。どうか付き合ってあげてください」
エイデンの祖父はジョージというのか。そんなことを考えていると、「余計な事を言わずに早く茶菓子を用意しろ」と、お祖父様が大きな声を出した。
「はいはい」っと言いながら、メイドはまたクスクスと笑っている。二人のやりとりに、何だか私まで楽しい気分になって来た。
「お茶だ。ゆっくり飲め」
わーお。見るからに苦そうな色をしたお茶に、一瞬躊躇ってしまう。でもせっかく用意くれたんだしっと勇気を出して飲んでみる。
んっ。何だか甘くて香ばしい。
「美味しいです。こんなに深く濃い緑色なのに、全く苦くないなんて不思議ですね」
「ワシの淹れ方が上手いからな」
お祖父様は満足そうに、自分も茶をすすった。
「これは、抹茶という特別な茶だ」
そう言って茶菓子を一つ選んで手にとった。
「抹茶ですか……はじめて聞きました」
「お前の祖父が好きだった茶だぞ」
茶菓子を口に放り込みながら、サラッと言われた言葉にひっかかる。
えっ? 今、私の祖父って言った?
「……あの……今誰の好きだったお茶って言いましたか?」
きょとんとしている私にお祖父様は言った。
「お前の祖父だよ。ガードランドの最後の国王の好きだった茶だと言ったんだ」
0
お気に入りに追加
93
あなたにおすすめの小説
優しい愛に包まれて~イケメンとの同居生活はドキドキの連続です~
けいこ
恋愛
人生に疲れ、自暴自棄になり、私はいろんなことから逃げていた。
してはいけないことをしてしまった自分を恥ながらも、この関係を断ち切れないままでいた。
そんな私に、ひょんなことから同居生活を始めた個性的なイケメン男子達が、それぞれに甘く優しく、大人の女の恋心をくすぐるような言葉をかけてくる…
ピアノが得意で大企業の御曹司、山崎祥太君、24歳。
有名大学に通い医師を目指してる、神田文都君、23歳。
美大生で画家志望の、望月颯君、21歳。
真っ直ぐで素直なみんなとの関わりの中で、ひどく冷め切った心が、ゆっくり溶けていくのがわかった。
家族、同居の女子達ともいろいろあって、大きく揺れ動く気持ちに戸惑いを隠せない。
こんな私でもやり直せるの?
幸せを願っても…いいの?
動き出す私の未来には、いったい何が待ち受けているの?
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!
愛することをやめたら、怒る必要もなくなりました。今さら私を愛する振りなんて、していただかなくても大丈夫です。
石河 翠
恋愛
貴族令嬢でありながら、家族に虐げられて育ったアイビー。彼女は社交界でも人気者の恋多き侯爵エリックに望まれて、彼の妻となった。
ひとなみに愛される生活を夢見たものの、彼が欲していたのは、夫に従順で、家の中を取り仕切る女主人のみ。先妻の子どもと仲良くできない彼女をエリックは疎み、なじる。
それでもエリックを愛し、結婚生活にしがみついていたアイビーだが、彼の子どもに言われたたった一言で心が折れてしまう。ところが、愛することを止めてしまえばその生活は以前よりも穏やかで心地いいものになっていて……。
愛することをやめた途端に愛を囁くようになったヒーローと、その愛をやんわりと拒むヒロインのお話。
この作品は他サイトにも投稿しております。
扉絵は、写真ACよりチョコラテさまの作品(写真ID 179331)をお借りしております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
真実の愛のお相手様と仲睦まじくお過ごしください
LIN
恋愛
「私には真実に愛する人がいる。私から愛されるなんて事は期待しないでほしい」冷たい声で男は言った。
伯爵家の嫡男ジェラルドと同格の伯爵家の長女マーガレットが、互いの家の共同事業のために結ばれた婚約期間を経て、晴れて行われた結婚式の夜の出来事だった。
真実の愛が尊ばれる国で、マーガレットが周囲の人を巻き込んで起こす色んな出来事。
(他サイトで載せていたものです。今はここでしか載せていません。今まで読んでくれた方で、見つけてくれた方がいましたら…ありがとうございます…)
(1月14日完結です。設定変えてなかったらすみません…)
子育てが落ち着いた20年目の結婚記念日……「離縁よ!離縁!」私は屋敷を飛び出しました。
さくしゃ
恋愛
アーリントン王国の片隅にあるバーンズ男爵領では、6人の子育てが落ち着いた領主夫人のエミリアと領主のヴァーンズは20回目の結婚記念日を迎えていた。
忙しい子育てと政務にすれ違いの生活を送っていた二人は、久しぶりに二人だけで食事をすることに。
「はぁ……盛り上がりすぎて7人目なんて言われたらどうしよう……いいえ!いっそのことあと5人くらい!」
気合いを入れるエミリアは侍女の案内でヴァーンズが待つ食堂へ。しかし、
「信じられない!離縁よ!離縁!」
深夜2時、エミリアは怒りを露わに屋敷を飛び出していった。自室に「実家へ帰らせていただきます!」という書き置きを残して。
結婚20年目にして離婚の危機……果たしてその結末は!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
傷物令嬢シャルロットは辺境伯様の人質となってスローライフ
悠木真帆
恋愛
侯爵令嬢シャルロット・ラドフォルンは幼いとき王子を庇って右上半身に大やけどを負う。
残ったやけどの痕はシャルロットに暗い影を落とす。
そんなシャルロットにも他国の貴族との婚約が決まり幸せとなるはずだった。
だがーー
月あかりに照らされた婚約者との初めての夜。
やけどの痕を目にした婚約者は顔色を変えて、そのままベッドの上でシャルロットに婚約破棄を申し渡した。
それ以来、屋敷に閉じこもる生活を送っていたシャルロットに父から敵国の人質となることを命じられる。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結】高嶺の花がいなくなった日。
紺
恋愛
侯爵令嬢ルノア=ダリッジは誰もが認める高嶺の花。
清く、正しく、美しくーーそんな彼女がある日忽然と姿を消した。
婚約者である王太子、友人の子爵令嬢、教師や使用人たちは彼女の失踪を機に大きく人生が変わることとなった。
※ざまぁ展開多め、後半に恋愛要素あり。
母と妹が出来て婚約者が義理の家族になった伯爵令嬢は・・
結城芙由奈@2/28コミカライズ発売
恋愛
全てを失った伯爵令嬢の再生と逆転劇の物語
母を早くに亡くした19歳の美しく、心優しい伯爵令嬢スカーレットには2歳年上の婚約者がいた。2人は間もなく結婚するはずだったが、ある日突然単身赴任中だった父から再婚の知らせが届いた。やがて屋敷にやって来たのは義理の母と2歳年下の義理の妹。肝心の父は旅の途中で不慮の死を遂げていた。そして始まるスカーレットの受難の日々。持っているものを全て奪われ、ついには婚約者と屋敷まで奪われ、住む場所を失ったスカーレットの行く末は・・・?
※ カクヨム、小説家になろうにも投稿しています
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる