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21.意識の中で
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「……イナ、レイナ……」
あぁ、エイデンが私を呼んでいる。
「レイナ……頼む。目を覚ましてくれ……」
大変。エイデンってば泣いてるんじゃない?
早く起きなきゃっと思うのに、体が動かないし目も開かない。
そりゃそうか。力を使いすぎちゃったんだもん、仕方ないわよね。
「レイナ、よく聞いてね。あなたの持つ力は選ばれた龍族だけが使う事を許されたものなの。人間のあなたが使ってはいけないわ」
小さな頃から、繰り返し母から聞かされてきた言葉だ。龍族の力はとても強大で、人間が使うには強すぎる。たとえうまく力を使えたとしても、必ず代償を払う事になる。
私は天候を操るという強大な力を使い、今その代償としてこうやって眠りについているのだ。眠っているとは言っても、外の音は聞こえてるし考える事もできる。ただ視覚と体の感覚はないから、真っ暗な空間をふわふわ漂っているような感じだ。
禁止されていたから龍族の力を使った事はあまりないけれど、使うと必ずこうやって眠りについてしまう。死ぬわけじゃないから、まぁいっかと思えなくもないんだけど……この眠り、いつ目覚めるか分からないので困るのだ。
力を使うとどうして眠ってしまうのか?
そのはっきりした理由は分からないけど、多分力を使い果たした体が死んでしまわないように、生命活動を停止してるんじゃないかと母は言ってたっけ。
眠ったままでも年はとるわけだし、長ければ体が死ぬまで目覚めない可能性もあるんだから、眠っているだけと言っても結構恐ろしい。
前に眠った時はどれくらい寝てたんだっけ?
あれ? そういえば前に力を使ったのって、エイデンと出会った時なんじゃない?
あれはまだ私が小さかった頃。母もまだ生きていて、人目を避けて湖のほとりで暮らしていた時の事だ。
どこから来たのか、ふらりと現れたエイデンと何を話したのかは覚えていない。ただ魚を焼こうとしてたら、火をつけてくれた事ははっきりと覚えている。
初めて会った日から、エイデンは毎日私達の所に来るようになった。それまで同年代の子の知り合いなんていなかった私にとって、エイデンは初めてのお友達。毎日エイデンが来るのを待ってたっけ。
エイデンとの交流を母は禁止しなかった。でもくれぐれも私の正体はバラさないようにとだけは言われていた。
髪の毛の色が見られたらすぐに正体がバレちゃう。そう思ってエイデンがいる時はいつもフードを深く被っていたけれど、この金色の目はどうしても隠せなかった。それでもエイデンがこの瞳について何かを言った事はなかった。
あの時は本当に楽しかったな。エイデンと二人で森でかくれんぼしたり魚釣りしたり……
あのままずっと森で静かに暮らせてたら幸せだっただろうな。誰にも邪魔されずに母とエイデンと……
でも私はこんなだから、そんな穏やかな生活なんて続かないわよね。私を捕まえたい人はいっぱいいたんだもの。
昔は龍族の人も地上にいたみたいだけど、今は天に帰っちゃったもんだから、その血をひいてるってだけで私は希少生物だ。実験したい人、コレクションにしたい人、見せ物にしたい人……まぁ、とにかく色々な目的を持った人から狙われたものよ。
エイデンといた時もそうだった。私を捕らえようとする男達に見つかり、もう少しで攫われそうになってしまった。
私が攫われなかったのはエイデンが森を燃やしてくれたおかげ。激しい炎で私に近づけなかった男達は逃げるしかなかったみたい。
でも気がつけば火は燃え広がり、私とエイデンは火の海の中に取り残されていた。まだあの時のエイデンは自分の力をコントロールできてなかったみたいなのよね。だから助かるために私が雨を降らせたんだけど……まぁ案の定ぶっ倒れて眠ってしまった。
それから私を探しに来た母とエイデンとのやりとりは、眠りの中でしっかりと聞いていた。
「……大丈夫だ。今はまだ炎の力をコントロールできていないが、いずれは制御してみせる。俺がこの国の王になれば、レイナを守れるはずだ」
「だけど力を使ったレイナは、いつ目覚めるか分からないのよ」
母から私が一生目覚めない可能性もあると聞かされたエイデンはかなりショックを受けているようだった。
「どうすればいい? レイナを助ける方法があれば何でもする」
必死なエイデンに母が提案したのは、エイデンの炎の力を私に吹き込むことだった。空になった私のエネルギーを、エイデンの力で満たそうというのだ。
私に力を吹きこむ時、エイデンは炎の力で私の記憶と龍族の力を封印した。それは炎の力でしか燃やせない呪いのような物だと言っていたっけ。
そこから先の記憶はもうない。ただ最後にエイデンが、「いつか必ず迎えに行くから待っててくれ」って言ってたような気はするんだけど。
目が覚めた私は封印のせいでエイデンの事なんて覚えてなかったもんなぁ。あんな小さい時の約束を守って私を探してくれたエイデンには感謝しかない。
あぁ、今もエイデンが私を呼んでる声が聞こえる。
「……レイナ……目が覚めたら3回目の初めましてだな」
きっとエイデンはまた私の中に炎の力を入れて私を目覚めさせてくれるつもりなのね。そしたら私はまたエイデンの事忘れちゃうのかなぁ……
やだな。エイデンを好きな事、忘れたくない!!
感覚が戻ってきたのか、体が燃えるように熱い。だんだんと意識が薄れていく。そして私の意識はプツリと消えた。
あぁ、エイデンが私を呼んでいる。
「レイナ……頼む。目を覚ましてくれ……」
大変。エイデンってば泣いてるんじゃない?
早く起きなきゃっと思うのに、体が動かないし目も開かない。
そりゃそうか。力を使いすぎちゃったんだもん、仕方ないわよね。
「レイナ、よく聞いてね。あなたの持つ力は選ばれた龍族だけが使う事を許されたものなの。人間のあなたが使ってはいけないわ」
小さな頃から、繰り返し母から聞かされてきた言葉だ。龍族の力はとても強大で、人間が使うには強すぎる。たとえうまく力を使えたとしても、必ず代償を払う事になる。
私は天候を操るという強大な力を使い、今その代償としてこうやって眠りについているのだ。眠っているとは言っても、外の音は聞こえてるし考える事もできる。ただ視覚と体の感覚はないから、真っ暗な空間をふわふわ漂っているような感じだ。
禁止されていたから龍族の力を使った事はあまりないけれど、使うと必ずこうやって眠りについてしまう。死ぬわけじゃないから、まぁいっかと思えなくもないんだけど……この眠り、いつ目覚めるか分からないので困るのだ。
力を使うとどうして眠ってしまうのか?
そのはっきりした理由は分からないけど、多分力を使い果たした体が死んでしまわないように、生命活動を停止してるんじゃないかと母は言ってたっけ。
眠ったままでも年はとるわけだし、長ければ体が死ぬまで目覚めない可能性もあるんだから、眠っているだけと言っても結構恐ろしい。
前に眠った時はどれくらい寝てたんだっけ?
あれ? そういえば前に力を使ったのって、エイデンと出会った時なんじゃない?
あれはまだ私が小さかった頃。母もまだ生きていて、人目を避けて湖のほとりで暮らしていた時の事だ。
どこから来たのか、ふらりと現れたエイデンと何を話したのかは覚えていない。ただ魚を焼こうとしてたら、火をつけてくれた事ははっきりと覚えている。
初めて会った日から、エイデンは毎日私達の所に来るようになった。それまで同年代の子の知り合いなんていなかった私にとって、エイデンは初めてのお友達。毎日エイデンが来るのを待ってたっけ。
エイデンとの交流を母は禁止しなかった。でもくれぐれも私の正体はバラさないようにとだけは言われていた。
髪の毛の色が見られたらすぐに正体がバレちゃう。そう思ってエイデンがいる時はいつもフードを深く被っていたけれど、この金色の目はどうしても隠せなかった。それでもエイデンがこの瞳について何かを言った事はなかった。
あの時は本当に楽しかったな。エイデンと二人で森でかくれんぼしたり魚釣りしたり……
あのままずっと森で静かに暮らせてたら幸せだっただろうな。誰にも邪魔されずに母とエイデンと……
でも私はこんなだから、そんな穏やかな生活なんて続かないわよね。私を捕まえたい人はいっぱいいたんだもの。
昔は龍族の人も地上にいたみたいだけど、今は天に帰っちゃったもんだから、その血をひいてるってだけで私は希少生物だ。実験したい人、コレクションにしたい人、見せ物にしたい人……まぁ、とにかく色々な目的を持った人から狙われたものよ。
エイデンといた時もそうだった。私を捕らえようとする男達に見つかり、もう少しで攫われそうになってしまった。
私が攫われなかったのはエイデンが森を燃やしてくれたおかげ。激しい炎で私に近づけなかった男達は逃げるしかなかったみたい。
でも気がつけば火は燃え広がり、私とエイデンは火の海の中に取り残されていた。まだあの時のエイデンは自分の力をコントロールできてなかったみたいなのよね。だから助かるために私が雨を降らせたんだけど……まぁ案の定ぶっ倒れて眠ってしまった。
それから私を探しに来た母とエイデンとのやりとりは、眠りの中でしっかりと聞いていた。
「……大丈夫だ。今はまだ炎の力をコントロールできていないが、いずれは制御してみせる。俺がこの国の王になれば、レイナを守れるはずだ」
「だけど力を使ったレイナは、いつ目覚めるか分からないのよ」
母から私が一生目覚めない可能性もあると聞かされたエイデンはかなりショックを受けているようだった。
「どうすればいい? レイナを助ける方法があれば何でもする」
必死なエイデンに母が提案したのは、エイデンの炎の力を私に吹き込むことだった。空になった私のエネルギーを、エイデンの力で満たそうというのだ。
私に力を吹きこむ時、エイデンは炎の力で私の記憶と龍族の力を封印した。それは炎の力でしか燃やせない呪いのような物だと言っていたっけ。
そこから先の記憶はもうない。ただ最後にエイデンが、「いつか必ず迎えに行くから待っててくれ」って言ってたような気はするんだけど。
目が覚めた私は封印のせいでエイデンの事なんて覚えてなかったもんなぁ。あんな小さい時の約束を守って私を探してくれたエイデンには感謝しかない。
あぁ、今もエイデンが私を呼んでる声が聞こえる。
「……レイナ……目が覚めたら3回目の初めましてだな」
きっとエイデンはまた私の中に炎の力を入れて私を目覚めさせてくれるつもりなのね。そしたら私はまたエイデンの事忘れちゃうのかなぁ……
やだな。エイデンを好きな事、忘れたくない!!
感覚が戻ってきたのか、体が燃えるように熱い。だんだんと意識が薄れていく。そして私の意識はプツリと消えた。
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