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15.友との別れ
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「レイナ様、このたびは大変ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」
エリザベスが私の誘拐の首謀者だと聞かされてから一か月後、久しぶりに対面したウィリアムは私を見るなり深々と頭を下げた。
以前は華やかな美しさのあったウィリアムだが、今は疲れているのだろう。憂いを帯びた表情が以前とは違った色気を醸し出している。
「大変でしたね。長い間拘束されていたんでしょう?」
「エリザベスのした事を考えれば、当然の事です」
エリザベスが罪を犯した事で、親である大臣を始めエリザベスの近しい者は全て拘束され、取り調べを受けた。
数週間に渡る取り調べと調査の結果、結局ウィリアムも大臣も私の誘拐には全く関わってなかったそうだ。エリザベスが家族には内緒で計画し、仲間を見つけ実行した。これがエイデン達の出した結論だった。
実質的に関わっていないとはいえ、娘のしたことだ。責任をとらねばならない大臣は職を離れ、田舎の領地で隠居生活を送ることになっている。
エリザベスも罪を認め、現在は城のどこかに監禁されているらしい。その処罰についてはまだ揉めているみたいだけれど、いずれは属国に嫁ぎ、一生国に戻れない事で決着するのではとカイルは言っていた。
「せっかくいらしてくださったんですから、今日は私のお茶に付き合ってくださいね」
「ですが……」
「エイデンに許可はもらってますから。ねっ。まだ私達お友達ですよね?」
ウィリアムは困ったような表情を浮かべたまま優しく笑い、デッキに用意された席についた。気持ちよく晴れた秋の空がとてもきれいで、吹き抜ける風が心地よい。
「どうぞ。エイデン様がご用意されたケーキです」
エイデンったら、あんなに反対してたのに。こんなに美味しそうなケーキを用意してくれたんだ。
ウィリアムが私に挨拶に来ると聞いて、エイデンに前もって一緒にお茶をしていいか聞いていたのだ。もちろん大反対だったけど。
ウィリアムの疑惑は晴れたとはいえ、やはり完全にシロであるとは言い切れない。何があるか分からないと心配しているエイデンの気持ちも分かる。
それでも何とかお願いして、ウィリアムとのお茶の許可をとりつけたのだ。ただしエイデンの選んだ護衛が見ている場所でという条件つきで。
だけどまさかこんなに沢山の見張りがいるとは。仕方ないとはいえ、これだけ重々しい雰囲気だと何も悪い事をしていないのに、変に緊張してしまう。
とりあえず、まずは緊張をほぐすためにもケーキよね。
「ん~!! 美味しい」
さっすがエイデン。私の好みをしっかり把握している。栗とさつまいもが甘くてしっとりしているケーキは私の好きな味だ。
「ふっ」
あっという間にケーキを平らげ、ビビアンにお代わりをお願いする私を見て、ウィリアムが微かに笑った。
やだ。がっついてるなって思われちゃったかしら。ウィリアムみたいなイケメンにじっと見つめられると、何だか恥ずかしい。
「やっぱり……食べすぎですよね?」
「そんな事ありませんよ。美味しそうに食べるレイナ様は素敵だと思いますよ」
きっとウィリアムは本心から言ってくれているのだろう。にっこりと微笑んだウィリアムの表情はとても優しかった。
「最後にこうしてレイナ様にお会いできてよかった。陛下に感謝しなくてはいけませんね」
最後……
ウィリアムの言葉に胸が痛んだ。
「レイナ様、そんな悲しい顔をしないでください。私は本当に感謝しているんですから」
本当ならエリザベスのしたことで、アーガイット家は取り潰しになっていてもおかしくはなかった。けれど国の重要なポストを担ってきたアーガイット家を潰すと、色々ややこしい事もあるらしい。
いずれウィリアムの子供がアーガイット家を継ぐまで、ウィリアムも大臣達と同様隠居生活を送らなくてはならない。ウィリアムは明日、どこか僻地へ向けて出発することになっている。
「寂しくなりますね」
少しだけ切ない顔でウィリアムが私を見た。
「……レイナ様……もしレイナ様が私の事をまだ友だと思ってくださるのなら、一つだけお願いが……」
「何ですか?」
「もしできたら、時々でいいので師匠の様子を見に行っていただけないでしょうか?」
聞けば、ガラス細工の師匠がウィリアムがいなくなることにすごくショックを受けているらしい。高齢なこともあるのでウィリアムは心配しているのだ。
「そんな事お安い御用だわ。師匠には私もお世話になったんだし任せてください」
「よかった……これで安心して出発できます」
そう言って笑うウィリアムの顔に悲壮感は全くなかった。
☆ ☆ ☆
「レオナルド様……また来てたんですか?」
朝気持ちよく目覚めると、ソファーに座るレオナルドが目に飛び込んでくる。
「レイナと一緒に朝食をとろうと思って待っていたんですよ」
レオナルドは読んでいた本を閉じて顔をあげ、窓から差し込む光に眩しそうに目を細めた。
「この部屋は本当に居心地がいいですね」
このお城は大きいんだから、居心地のいい部屋なんて他にいくらでもあるだろうに。それなのにレオナルドは毎日のように私の寝室で過ごしてるんだから困ったもんだ。
正直私の寝ている時に部屋に入るのはやめてほしい。寝顔を見られるのって結構恥ずかしいんだから。
ビビアンとミアに手伝ってもらい、急いで身支度を整えて戻ると、レオナルドと共にクリームたっぷりふわふわパンケーキが私を待っていた。
「エイデン達は皆忙しそうにしてますけど、レオナルド様はのんびりしてていいんですか?」
大臣が誘拐事件の責任をとり離職したため、エイデンやカイルは忙しそうだ。
「私は政治に関わっていませんからね。この国に戻ってきたのも久しぶりですし、もう少しのんびりさせてもらいますよ」
のんびりするなら、何も私の部屋じゃなくてもいいのに……エイデンに言えば、いくらでも部屋を用意してくれるだろう。
レオナルドといつも通りのんびりとした朝を過ごしていると、エイデンがやって来た。
「なんだレオナルド。またここにいたのか……」
私の隣に腰かけ、エイデンは呆れたようにため息をついた。
「お前は少しレイナの部屋に入り浸りすぎじゃないか?」
エイデンったら休めてないのかしら?
ビビアンのいれたお茶を飲むエイデンの顔には疲れが見える。
「エイデンは今日も忙しいの?」
「あぁ。空席になっている大臣のポストに誰をつけるか決まらなくてな……色々厄介だよ……」
ひどく渋い顔をしてエイデンは深いため息をついた。
大臣かぁ。エイデンが大変そうだから何か手伝ってあげたいけど、政治の事はよく分からないしなぁ。うーん……
「暇そうだし、レオナルド様がやってみたらいいんじゃないですか? なーんて……」
エイデンの表情を緩めて眉間の皺をとるための冗談のつもりで言ったのに、その場に変な沈黙が流れてしまった。
っと、二人が同時に、
「いやいやいや~」「おぉ!!」っと口を開いた。
「レイナ、名案だ。レオナルド、レイナの部屋に入り浸れないよう仕事させてやるよ」
「私は仕事なんてしたくないですからね」
嫌がるレオナルドを、エイデンが引きずるようにして部屋を出て行ってしまった。
レオナルドが新大臣に任命されたと聞かされたのはその夜の事だ。それからしばらく私の寝顔をレオナルドに見られる事はなかった。
その代わり……
「レイナのせいで忙しくなってしまったじゃありませんか」というレオナルドの愚痴を散々聞かされるはめになってしまった。
エリザベスが私の誘拐の首謀者だと聞かされてから一か月後、久しぶりに対面したウィリアムは私を見るなり深々と頭を下げた。
以前は華やかな美しさのあったウィリアムだが、今は疲れているのだろう。憂いを帯びた表情が以前とは違った色気を醸し出している。
「大変でしたね。長い間拘束されていたんでしょう?」
「エリザベスのした事を考えれば、当然の事です」
エリザベスが罪を犯した事で、親である大臣を始めエリザベスの近しい者は全て拘束され、取り調べを受けた。
数週間に渡る取り調べと調査の結果、結局ウィリアムも大臣も私の誘拐には全く関わってなかったそうだ。エリザベスが家族には内緒で計画し、仲間を見つけ実行した。これがエイデン達の出した結論だった。
実質的に関わっていないとはいえ、娘のしたことだ。責任をとらねばならない大臣は職を離れ、田舎の領地で隠居生活を送ることになっている。
エリザベスも罪を認め、現在は城のどこかに監禁されているらしい。その処罰についてはまだ揉めているみたいだけれど、いずれは属国に嫁ぎ、一生国に戻れない事で決着するのではとカイルは言っていた。
「せっかくいらしてくださったんですから、今日は私のお茶に付き合ってくださいね」
「ですが……」
「エイデンに許可はもらってますから。ねっ。まだ私達お友達ですよね?」
ウィリアムは困ったような表情を浮かべたまま優しく笑い、デッキに用意された席についた。気持ちよく晴れた秋の空がとてもきれいで、吹き抜ける風が心地よい。
「どうぞ。エイデン様がご用意されたケーキです」
エイデンったら、あんなに反対してたのに。こんなに美味しそうなケーキを用意してくれたんだ。
ウィリアムが私に挨拶に来ると聞いて、エイデンに前もって一緒にお茶をしていいか聞いていたのだ。もちろん大反対だったけど。
ウィリアムの疑惑は晴れたとはいえ、やはり完全にシロであるとは言い切れない。何があるか分からないと心配しているエイデンの気持ちも分かる。
それでも何とかお願いして、ウィリアムとのお茶の許可をとりつけたのだ。ただしエイデンの選んだ護衛が見ている場所でという条件つきで。
だけどまさかこんなに沢山の見張りがいるとは。仕方ないとはいえ、これだけ重々しい雰囲気だと何も悪い事をしていないのに、変に緊張してしまう。
とりあえず、まずは緊張をほぐすためにもケーキよね。
「ん~!! 美味しい」
さっすがエイデン。私の好みをしっかり把握している。栗とさつまいもが甘くてしっとりしているケーキは私の好きな味だ。
「ふっ」
あっという間にケーキを平らげ、ビビアンにお代わりをお願いする私を見て、ウィリアムが微かに笑った。
やだ。がっついてるなって思われちゃったかしら。ウィリアムみたいなイケメンにじっと見つめられると、何だか恥ずかしい。
「やっぱり……食べすぎですよね?」
「そんな事ありませんよ。美味しそうに食べるレイナ様は素敵だと思いますよ」
きっとウィリアムは本心から言ってくれているのだろう。にっこりと微笑んだウィリアムの表情はとても優しかった。
「最後にこうしてレイナ様にお会いできてよかった。陛下に感謝しなくてはいけませんね」
最後……
ウィリアムの言葉に胸が痛んだ。
「レイナ様、そんな悲しい顔をしないでください。私は本当に感謝しているんですから」
本当ならエリザベスのしたことで、アーガイット家は取り潰しになっていてもおかしくはなかった。けれど国の重要なポストを担ってきたアーガイット家を潰すと、色々ややこしい事もあるらしい。
いずれウィリアムの子供がアーガイット家を継ぐまで、ウィリアムも大臣達と同様隠居生活を送らなくてはならない。ウィリアムは明日、どこか僻地へ向けて出発することになっている。
「寂しくなりますね」
少しだけ切ない顔でウィリアムが私を見た。
「……レイナ様……もしレイナ様が私の事をまだ友だと思ってくださるのなら、一つだけお願いが……」
「何ですか?」
「もしできたら、時々でいいので師匠の様子を見に行っていただけないでしょうか?」
聞けば、ガラス細工の師匠がウィリアムがいなくなることにすごくショックを受けているらしい。高齢なこともあるのでウィリアムは心配しているのだ。
「そんな事お安い御用だわ。師匠には私もお世話になったんだし任せてください」
「よかった……これで安心して出発できます」
そう言って笑うウィリアムの顔に悲壮感は全くなかった。
☆ ☆ ☆
「レオナルド様……また来てたんですか?」
朝気持ちよく目覚めると、ソファーに座るレオナルドが目に飛び込んでくる。
「レイナと一緒に朝食をとろうと思って待っていたんですよ」
レオナルドは読んでいた本を閉じて顔をあげ、窓から差し込む光に眩しそうに目を細めた。
「この部屋は本当に居心地がいいですね」
このお城は大きいんだから、居心地のいい部屋なんて他にいくらでもあるだろうに。それなのにレオナルドは毎日のように私の寝室で過ごしてるんだから困ったもんだ。
正直私の寝ている時に部屋に入るのはやめてほしい。寝顔を見られるのって結構恥ずかしいんだから。
ビビアンとミアに手伝ってもらい、急いで身支度を整えて戻ると、レオナルドと共にクリームたっぷりふわふわパンケーキが私を待っていた。
「エイデン達は皆忙しそうにしてますけど、レオナルド様はのんびりしてていいんですか?」
大臣が誘拐事件の責任をとり離職したため、エイデンやカイルは忙しそうだ。
「私は政治に関わっていませんからね。この国に戻ってきたのも久しぶりですし、もう少しのんびりさせてもらいますよ」
のんびりするなら、何も私の部屋じゃなくてもいいのに……エイデンに言えば、いくらでも部屋を用意してくれるだろう。
レオナルドといつも通りのんびりとした朝を過ごしていると、エイデンがやって来た。
「なんだレオナルド。またここにいたのか……」
私の隣に腰かけ、エイデンは呆れたようにため息をついた。
「お前は少しレイナの部屋に入り浸りすぎじゃないか?」
エイデンったら休めてないのかしら?
ビビアンのいれたお茶を飲むエイデンの顔には疲れが見える。
「エイデンは今日も忙しいの?」
「あぁ。空席になっている大臣のポストに誰をつけるか決まらなくてな……色々厄介だよ……」
ひどく渋い顔をしてエイデンは深いため息をついた。
大臣かぁ。エイデンが大変そうだから何か手伝ってあげたいけど、政治の事はよく分からないしなぁ。うーん……
「暇そうだし、レオナルド様がやってみたらいいんじゃないですか? なーんて……」
エイデンの表情を緩めて眉間の皺をとるための冗談のつもりで言ったのに、その場に変な沈黙が流れてしまった。
っと、二人が同時に、
「いやいやいや~」「おぉ!!」っと口を開いた。
「レイナ、名案だ。レオナルド、レイナの部屋に入り浸れないよう仕事させてやるよ」
「私は仕事なんてしたくないですからね」
嫌がるレオナルドを、エイデンが引きずるようにして部屋を出て行ってしまった。
レオナルドが新大臣に任命されたと聞かされたのはその夜の事だ。それからしばらく私の寝顔をレオナルドに見られる事はなかった。
その代わり……
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