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【アリエルside】ふさわしい男にならくれてやる

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「叔父上、リシェリアと話をさせてください!私はリシェリアを王都に連れ帰ります。元の関係に戻りたいのです。現状のままでは、未来を考える事はできません」

「執着しているのはよくわかった。俺の一存で突っぱねてもいいが、本人の気持ちも聞いておいた方がいいだろうな」



なんでアイスフォードはリシェにこんなにも執着するんだ?いくらでも女は選べるだろうに。まぁ、リシェほどいい女はいないからわからんでもないが。俺の一存でやらんと言えればいいが・・・リシェが王都に戻る事を望んでいたら、無理強いはできんからな。


リシェ、着替えてき・・・可愛い。お前は何着ても似合うな。しかもこの瞬間にその色はどうかと思うぞ?なんでパープル俺の瞳の色にした・・・アイスフォードに見せつけるつもりか?


はぁ・・・もう・・・リシェ、こっちに座るんだ。もっと近く、もっとこっちに来い。もう、俺が寄せてやる。

この温もりを得ることはできなくなるのかもしれんな・・・手放したくない。


リシェがアイスフォードの婚約者だった?だから元の関係にとか言ってたのか。羨ましいな・・・こんないい女が婚約者など・・・しかし、なぜ婚約が解消になったのだ?


あぁ、リシェには言ってなかったな・・・他の男に興味を持たれるのも嫌だったし、なんせ、リシェと歳の近い男をわざわざ教えてやる事もないと思っていたからな。俺はこいつの叔父だ。俺が王都にいたのも24歳の頃までだ。その後はずっと辺境にいたからな。リシェは知らんだろうな。


愛称呼びをするなと?なんだ、お前婚約者だったのに、愛称呼びもさせてもらえていなかったのか?かわいそなやつだな。俺は3ヶ月も経たずに愛称呼びになったぞ?いや、心の中では会って数時間で呼んでしまっていたがな。


やはり、リシェの両親も心配しているんだな・・・しかし片付いたとはなんだ?リシェが辺境にくる原因になった事だろうか。リシェ自身が話さない事をこいつから聞くわけにはいかん。なんの心配もないというが、俺はお前が王都にいるだけでリシェが心配だ。


何を言ってもダメだからと、王妃になるのはリシェしかいないなんて言うとはな・・・確かにそれは一理ある。リシェは優秀だし、臣下への気づかいもできる。ただアイスフォードが国王になるのなら、リシェをくれてやる気はない。もっとリシェを大事にしてくれる、リシェにふさわしい男が国王になるというのならくれてやってもいい。

だが・・・その時は俺も覚悟が必要だな・・・リシェを手放さなくてはならん。俺はリシェを手放せるのか?この3ヶ月間とてつもなく幸せだった。満たされた。もうリシェのいない生活が考えられん。俺はリシェがいなくなれば、元の生活に戻るだけなのか?元に戻って、前と変わらぬ生活を送れるのか?やる事は同じでも、この世界から色が失われてしまうような喪失感があるだろうな。生きてる価値すらなくしてしまいそうだ・・・

俺・・・手が震えてる・・・格好悪いな・・・





ーーーーーーーーーーーーーーー


次回


そんなに知りたければ教えて差し上げますわ
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