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17、お姉様の為に
しおりを挟むオーロラが、大人顔負けの情報網を持って、サンライズ家を調べていたのは、姉セレーナの為だという。
「お姉様はね、サンライズ家の長男、サイラス様をお慕いしてるのよ。小さい頃からかれこれ・・・15年ほどだったかしらね。一筋も一筋、感心するわ」
「そんなにですか」
「えぇ、しかし、サンライズ家とトワイライト家は対極にあって、難しい立場でもあるの」
「公爵家同士の縁組は権力が集まりすぎるということですか」
「ノアール、遠からず近からずよ」
「と言いますと?」
「確かに権力の集中は良くないわ。でもそれ以外に理由があるのよ。トワイライト家とサンライズ家は、今まで過去に縁組を一度もしてないから前例がないのよね。それに向こうは嫡男、こちらも女ではあるけれど、普通なら長女として婿を迎える次期女公爵の立場よ。普通に婚約打診するのにも躊躇するわ。それに、あのルーカス様のいる家に、お姉様を放り込むのは本気ではないわ。綺麗にお掃除してからじゃないと」
「なんか物騒な言葉が聞こえましたが、姉想いという事にしておきますね」
「ふふっ、ありがとう。お姉様を嫁がせるには準備が必要よ。ルーカス様とエレノア様には舞台を降りて頂いて、夫人にはいい環境に身を置けるように計らいたいわね。ついでに王家とうちも掃除する。夜会で一気に片付けるわ!」
不敵な笑みを浮かべたオーロラ。
「公爵様のお言葉お借りします」
「?」
「オーロラ様は末恐ろしい」
「褒め言葉として受け取っておくわ」
オーロラはお茶を優雅に飲み、カップを置く。
「私、少し考え事したいから、部屋に戻るわ。あなたも夕食までゆっくりしてて」
「はい、かしこまりました」
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本日夕方に投稿予定
【ノアールside】
【オーロラside】
ルーカスと対峙した時二人は何を思っていた?
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