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見知らぬ男達

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神父とライエルがレイバンが引きこもっていると話していた同時刻。レイラは子ども達が庭で遊んでいるのを見守っていた。視界の片隅に、誰かが近付いて来ているのが見えた。明らかな違和感。そう、この地には、レイバンやライエル等の騎士達が来るまでは、大人と言えば、神父と自分だけだった。それが、視界に入ってきたのは、明らかに大人の男二人。しかも、北の辺境から派遣されている見知った騎士達ではない。レイラはじわりと緊張が増していくのを自覚した。


「おぉ、おぉ、楽しそうだな」


大柄な男が遊んでいる子ども達に声をかける。レイラは慌てて駆けていき、男と子ども達の間に割って入った。


「お見かけしない顔ですね。何のご用事ですか?」

「用事がなきゃ来ちゃいけねぇのか?」


男達とレイラのやり取りを不安そうな顔をしながら子ども達が見ていた。


「子ども達の元気な声が聞こえたからちょいと見に来ただけさ」

「そうだ。だが、子ども達が相手してくれないとなると・・・アンタが相手してくれるのか?」

「そりゃぁいい。よく見たら可愛い顔してるし、若いじゃないか」


レイラは、男達が一体何の目的で近寄ってきたのか、警戒しつつ様子を伺う。


「この地に人はいないはずです。昔の戦場なり、荒れ果てた土地にわざわざ住もうなどと考える人はこれまでいませんでした。だとすると、貴方達の目的はなんですか?ここには、強奪する金銭もありません」

「金銭ねぇ・・・確かに必要だ。俺達だって、戦の被害者さ。これまで食うに困ることだって何度も経験してきたさ。お陰で狩りはうまくなった。まぁ、食いたいもんが食えるわけではないが、食うに困ってはいない。そうだな・・・困っている事はあるな。だからよぉ、アンタがそれを解決してくれよ」

「解決?何を望むというのです」

「簡単な事さ。俺らを楽しませてくれればいいんだ。なぁに、アンタも楽しめるさ。楽しいというより、快楽を教えてやるよ。自分からねだって腰を振るようになるまでな」

「そりゃぁ、いい。そうと決まれば早速試させてもらおうじゃないか」

「俺等の仲間もいるんだぜ?アンタに物足りない思いはさせんさ。みんなで可愛がってやるからよぉ」


男達の不躾な視線にレイラは嫌悪感を露にする。男が伸ばしてきた手をかわすも、気づくのが遅れた。二人の他に、もう一人男がいたことに気付かなかった。


「きゃぁっ!?」


レイラは後ろから羽交い締めにされたかと思えば、手を伸ばしてきていた大柄な男に簡単に担ぎ上げられてしまった。じたばたするもびくともしない。


「離してっ!」

「いてぇな。大人しくしてろ」

「んぐっ!・・・んっ、んんっ」


横に並んで立っていた男がレイラの服を破り、破れた切れはしをレイラの口に押し込んだ。スカートの裾が割かれ、白い太ももが露になる。


「うぉぉ・・・肌が白くてきれいだな」


布を押し込んできた男がレイラの太ももに手をあてて撫で上げる。


「んんんっ!!」


男達がレイラを担いだまま去っていく。子ども達は男達とレイラの姿が見えなくなると、慌てて駆け出し、神父とライエルのもとへと駆け込んだのだった。



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