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やんちゃな子ども達
しおりを挟む「それで部屋にこもっているのですか」
呆れたような、しかし喜びも混じったような複雑な表情で神父はそう言った。レイラと自身の事を、想い合っていると勘違いしているようだとライエルは神父に話していた。
「神父殿、失礼ですが、嬉しそうに見えるのは気のせいでしょうか?」
「へっ?・・・あぁ、顔に出ておりましたかな?」
「えぇ」
「あの子は・・・レイバンは、先の戦の混乱で両親の死を目の当たりにしたのです。誰も信じられないとばかりに随分と荒れたものです。ですが、レイラだけは違いました。まわりにいた子ども達はレイラより少し大きな子ばかり、レイバンにどう接していいかわからぬ子も多く遠巻きにしている様子もあったのですよ。ですがレイラはまだ分別つかない年齢でした。レイバンに対して全く壁がなかったのです。真っ直ぐに、素直に感情をぶつけてくるレイラは、レイバンにとって光のような存在だったのでしょう。レイバンがこちらに戻ってからというもの、あの二人には溝があるように感じておりました、随分と時が流れたせいでしょう。時間が解決すると思っておりましたが、いささかそんな理由があったとは・・・勘違いに嫉妬ですか・・・レイバンは随分と臆病な男になったものですな」
ふっふっふっと笑う神父は、子どもの成長を喜ぶ親のように見えた。
「お陰で随分と目の敵にされているんですよ。とんだとばっちりもいいところです。私にはリザという唯一の愛している妻がいるというのに」
ライエルはやれやれと苦笑いする。
「何かきっかけがあればよいのだろうが」
神父は真剣に悩んでいる様子だ。
「とにかく、誤解を解かないことには、先に進むどころか悪化していく一方でしょうね」
神父とライエルが話しているところにバタバタと子ども達が走って来る。
「可愛いお客さんがきそうですね」
「全くあの子達はやんちゃで困ったものです」
バタン!
「神父様!」
「これこれ、廊下は走るなとあれほど言っているだろう?」
「それどころじゃないよ!」
「そうだよ!お叱りは後で受けるから!」
「それどころではないとは、何かあったのかい?」
「ライエル様!、レイラねーちゃんが!」
「レイラさんがどうした?」
「連れていかれちゃったよ!」
「誰にだ?」
「知らない男の人達!」
それを聞いて神父とライエルの表情が険しくなる。
「神父殿。この地に私達以外に大人は?」
「おりません」
ライエルはその言葉を聞くと振り返り、子ども達に指示をする。ライエルの指示に頷き、子ども達は急いである場所にむかった。
「間に合ってくれ・・・」
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