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伝えあう二人

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 それから何かにつけてライエルとレイラが一緒にいる所を見かけていた。レイバンは二人がどんどんと距離を縮めてる事に焦りと焦燥感と半ば諦めのような気持ちも湧く。


「・・・レイラ・・・ああいう男が好みなのか・・・」


 レイバンは遠くから二人の様子を眺めながらポツリと呟いた。辺境の騎士。それも一個隊を任されている。聞けば子爵家の嫡男だというではないか。こんな荒れ果てた土地を任されただけの男に勝ち目などあるのか。ライエル達はこの地の復興をと派遣されたが、あくまで派遣。しばらくすれば入れ替わりの騎士が来るかもしれないし、キリのいいところで引き上げることもあるだろう。その時レイラは?もしもライエルに着いて行きたいと言えば、自分には止める術もないのだと思い知らされた気がした。しばらく眺めていると、二人が話しながらこちらに向かって歩いてきているのが見え、レイバンは咄嗟に隠れた。


「・・・が大好・・・です。レイラさんは?・・・がお好き・・・でしょう?」

「・・・はい、でも・・・私なんかが・・・」

「レイラさんは・・・魅力が・・・素敵な・・・です。自信持って・・・ですよ」


まだ距離があり、会話は途切れ途切れでしか聞こえないが、ライエルの問いにレイラが頬を染めて答える。なんと可愛らしいのだろうとレイバンは思っていた。それと同時に、その相手が何故自分ではないのだろうとも。そして確実に言えるのは、互いに想いを伝え合っているという事実。レイバンはもう、踏み込む余地さえないのだと絶望した。そしてレイラを避けるようになっていく。姿を見てしまえば、声を聞いてしまえば、必死に蓋をしている気持ちが溢れそうだった。姿を見る事はあっても、挨拶さえすることもなく、数日が経っていた。





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