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【コルテオside】天使か悪魔か
しおりを挟むコルテオside
まるで闇に咲く薔薇のようだ
漆黒の髪は艶めいて
瞳は真っ赤に輝いている
凛とした佇まいなのに、
愛らしさもある
僕がもっと歳が近ければ・・・
そんな事を考えても無駄だと言うのに
歳が近ければ何なんだ?
彼女が僕を好いてくれると?
そもそも僕は伯爵家の次男でしかない
特別に事業が成功していたり、
裕福なわけでもない
なにか認められるような功績があった
わけでもない
マクシミリオン様が恋をしたのは
間違いないだろうと確信を持てる
僕は?
僕は・・・
エルサ嬢が・・・好きだ
でも・・・この気持ちは心の中に留めておこう
僕は何のために存在しているのだろうか
家族からは疎まれ、虐げられ
まぁ、兄上とくらべて何もかも出来の悪い弟が可愛くは思えなかったのだろう
自分達の子どもは兄上だけだとでも
言いたげで・・・
でも、僕は自由になれたんだ
自分の道を歩み始めた
自分で切り開いていけばいい
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・
・・・ん?
視界が闇に染まっていく
まるで僕の心のようだな・・・
いや、バラが咲いている・・・
コンコンコン
はっ!?
いけない・・・
随分とぼーっとしていたらしい
目の前にこんなにも可愛い存在が
いるのにも気付かないなんて
首を傾げて・・・
可愛いな・・・
もっと近くで見たい
ガチャリ・・・
「こんなことろで何なさってるんです?」
「エルサ嬢・・・特に何というわけではありません。いい景色だな・・・と」
何していたと言われてもな・・・
何も手につかず、ただただぼーっとして
いただけ
そんなつまらない事を言ってもな
しかし、いい景色だななんて・・・
これがか?
僕は随分と変わり者のように見えた
かもしれないな・・・
「ここがですか?」
うっ・・・
だよね・・・
だが・・・その仕草はまずいな
首を傾げて・・・可愛いがすぎる
「あ、いやっ、えっと・・・」
「ふふっ、コルテオ様もぼんやりとなさる事があるのですね」
君って人は・・・
普段は凛としていて気が強そうなのに
笑みを浮かべるとまるで天使のようだ
いや、黒だから悪魔なのか?
僕を惑わす・・・小悪魔か
どっちだっていい、
可愛いに越した事はない
こんな可愛い悪魔なら騙されても
何されてもいいのかもしれないな
でも、惑わすのは僕の事だけだよ?
なんてね・・・
君は・・・
誰のものになるんだろうね
誰から愛を囁かれ、大事にされ
幸せを感じていくのだろう
その相手が僕じゃないことは確かだね
どんなに想っても
君に釣り合う男にはなれない
君に与えられるものがあまりにも
少ないから
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