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休暇七日目③−2【ソルディオ×ウィルフレッド】諦めるのか?
しおりを挟むウィルフレッドは、強敵なライバルがいたと話す。
「アバンス団長程の方が強敵だと思われるのは、王子殿下ぐらいでないと思いつきませんが」
ガシャン!
ウィルフレッドは再度剣を打ち込み、ソルディオはそれを受け止める。
「あぁ、そのまさかさ。ライバルは第一王子殿下だった」
「な、なんですって・・・」
「驚くだろう?俺より地位だってある。見目だってあの通りだ。それに将来は国王。妻になるなら王妃になれる。女性の頂点に立つんだ。だが・・・シアは俺を選んだ」
「自慢ですか」
「あぁ、自慢さ」
ウィルフレッドは構えていた剣を下ろす。
「観衆の前で派手に王子殿下を振って、俺に公開プロポーズしてくれたんだぞ?俺はボロボロ泣いて、情けない姿を晒した。だが、シアはそんな俺だっていいって言ってくれたんだ。公爵家の嫡男で、騎士団長で・・・威厳を持ち、皆に慕われ常に相応しくあろうとしていた。俺の、そんな被り続けてきた仮面をいとも簡単に剥がしたんだ。俺自身が知らなかった俺を引き出した。我慢しなくていいだ。遠慮など無用なんだって」
ウィルフレッドは視線を彷徨わせると、見つけたとばかりにふわりと微笑む。ウィルフレッドが見た先には、レティシアとエルサが並んで木陰に座り話をしてた。レティシアが気付き小さく手を振った事でウィルフレッドは表情が緩んだというわけだ。
「シアは取り繕った俺じゃなく、俺自身が好きなんだと言ってくれた。どれだけそれが嬉しかったか。誰もが近衛の騎士団長で公爵家の嫡男という顔をもつ俺に媚を売る。縁続きになろうと擦り寄ってくる。だが、シアは、レティシア・ベルモンドだけは、ただ一人の男として、ウィルフレッド・アバンスとして俺を見てくれた」
嬉しそうにレティシアを見つめながら話すウィルフレッドの横顔を、ソルディオは静かに見つめていた。
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