騎士団長様からのラブレター ーそのままの君が好きー

agapē【アガペー】

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休暇五日目⑧ウィルフレッドの危惧

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レティシアが座っていた長椅子のソファに身体を預け、ひたすらゴロゴロして膝に甘えたウィルフレッド。


「なんだか私お邪魔みたいね」

「エルサ様、お気になさらず。ウィルはたまにこうやって随分と甘えたがる時があるんです。私にとってはいつもの事ですけれど」


レティシアがウィルフレッドの髪を梳きながら優しく答える。


「まぁ、まだ話し足りないけど、晩餐のあとにでもお話しましょう」


そう言ってエルサは部屋から出て行った。エルサが出て行ったのを確認すると、ウィルフレッドはむくっと起き上がる。


「シア、部屋に行こう」

「どうしたの?」

「大事な話がある」


さっきまで甘えていたウィルフレッドはどこへ行ったのか。真剣な瞳でレティシアを見つめていた。客間に戻ると、ウィルフレッドはソファへと腰を下ろすとレティシアに手招きをする。側まできたレティシアの腕を掴むと、そのまま抱き寄せ胸に顔を埋めていた。


「ウィル、まだ甘え足りなかった?」

「ずっとこうしていたい」

「そのままで話さないでくれない?くすぐったいわ」


そう言いながらもレティシアは髪を梳きながら優しい瞳でウィルフレッドを眺めていた。


「どうしたの?」

「さっき・・・辺境伯と宰相殿と話をしてきた。シアは母親・・・レイリア王女殿下に瓜二つなんだそうだ」

「えぇ、小さい頃からお父様にもよく言われていたわ」

「危険だ・・・」

「危険?」


レティシアの胸に顔を埋めたままのウィルフレッドは動かないままだったが、しばらく沈黙するとゆっくりと顔を上げた。


「今の現王が執着しているのはシアの母親のレイリア王女殿下だった。それは今でもだ。宰相殿から聞いたが、王城に召し上げられているのは若い令嬢達ばかりだが、皆、金の髪。それも白金の銀に近ければ近いほど王は喜び側に置きたがるそうだ。シアを一目見ればきっと王だって気にいるし側に置きたがる」

「だから?」

「シア、早くここを出よう。少しでも遠くに離れたがいい」

「そんなに急ぐ必要あるの?」

「危険なんだ!」

「でも守ってくれるのでしょう?」

「当たり前だ、だが、危険とわかっていてここにシアを置いておくのは気が気じゃない」

「大丈夫、ウィルは強いもの。それに言ってやるわ、オジサンなんて興味ないわって」

「若ければ良かったのか?」

「どうかしら?」

「そこは興味ないって言ってくれよ!」

「きゃぁ!?」


ソファに寝転がったウィルフレッドはそのままレティシアを引っ張り、自身の上に乗せるようにして抱きしめた。


「シアは俺だけのものなのに・・・」


ウィルフレッドが完全に眠るまで解放して貰えなかったのは言うまでもない。



ーーーーーーーーーーーーーーーー

次回

【レティシア×エルサ】

2人の会話

では、恋愛にご興味が?












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