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休暇三日目③ゲオルグは感動する

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女同士の話を半ばウィルフレッドに中断されるような形になったが、目的は果たせた。イザベラは名前を呼ぶというミッションを課せられた。心の中で、ゲオルグ様、ゲオルグ様と何度も呼びながら、気付けばゲオルグの寝室の前に立っていた。




。。。。。。。。。。。。。。。


【ゲオルグside】


二人は楽しそうに話しているな
やはり女同士でしか話せない事もあるんだろうな
しかし、部屋がジメジメしている
妻を取られて拗ねているのか、大の男がむくれている
お前は自分が可愛いとでも思っているのか?



「おい、いい加減機嫌なおせよ」

「無理ですよ・・・」

「嫁を迎えに行けばいいじゃないか」

「・・・シアに来るなと言われてますから」

「だったら俺にイザベラを返してくれって言ってくれ。目と鼻の先にいるのに。姿は見えるのに声は聞こえないし、手も届かなくて、これは新手の拷問か?」

「それは俺も同意見です」

「もどかしいな」

「はい・・・師匠を理由に迎えに行ってきます」

「あぁ、早く出ていってくれ」




まったく・・・
ジメジメしすぎだろう
いや・・・俺も一緒かもしれんな
俺はあいつほどじゃないが
それでもイザベラのあの笑顔を、真剣な顔を
引き出せたのが俺じゃないのが悔しいな





あっ・・・
膝枕・・・いいなぁ・・・
俺もああやってごろごろして甘えたい
イザベラ・・・
イザベラはどこに行ったんだ?





コンコンコン




ん?






。。。。。。。。。。。。。。。


コンコンコン


「失礼します」


イザベラはゲオルグの寝室のドアをノックし中に入る。寝台に横たわるゲオルグが嬉しそうにこちらを見ていた。


「おかえり」

「も、戻りました・・・」

「楽しかったか?」

「は、はい!たくさんお話しできまして・・・勉強になりましたわ」

「勉強?何を教えてもらったんだ?」

「・・・課題を貰いましたの」

「課題って?」

「・・・あの・・・」

「なんだい?」


ゲオルグはニコニコとイザベラを見つめている。


「ゲオルグ様・・・」


心臓が止まるかと思った。ゲオルグは目を見開き固まったまま、脳内は思考がパニックになっていた。






。。。。。。。。。。。。。。。


【ゲオルグside】


「ゲオルグ様・・・」


ゲオルグ様!?
い、今・・・イザベラは俺を名で呼んだ?
気のせいではないよな!?
う、嘘だろう?そんな事があっていいのか?
う、嬉しい!どうしよう・・・
抱きしめたいのに!
キスしたいのに!
起き上がれない自分が情けない・・・
課題って、レティシア夫人が呼ぶように言ったのか?
自主的ではないにしろ、一つ進展した・・・
嬉しい!






「あ、あの・・ダメでした、でしょうか?」





へっ!?
あ、俺、あまりの感動と嬉しさに反応してなかったのか
無視したみたいになってるじゃないか!






「ダ、ダメじゃない!いい、むしろどんどん呼んでくれ」

「よ、よかったです・・・」





イザベラ・・・
可愛いなぁ
今、明らかにほっとしたよな?
俺が怒っているとでも思ったのだろうか
怒るはずがない
むしろ感動している
あぁ・・・これからは名で呼んでくれるのか・・・
俺は今、この上なく感動している








ーーーーーーーーーーーーーーー

次回

あぁ、俺のだ。俺だけのものだ














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