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休暇二日目⑨ゲオルグとの再会

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騎士達との稽古から客室へと戻ったウィルフレッドとレティシアはバスタブに湯を張って一緒につかる。ウィルフレッドは、レティシアを背後から抱きしめてご満悦だ。湯から上がると、バスタオルでレティシアを包み、寝台へと運び、濡れた髪の水気をタオルで拭いていく。


「ねぇ、自分でやるからそこまでしなくていいわよ?」

「いや、俺がしたいんだ。濡れ髪に触れるって・・・なんだか特別って感じがするから好きなんだ」

「そうなの?なんだか子ども扱いされてるみたいな気分になるわ」


レティシアはふふっと笑う。二人が湯あみを済ませ、部屋着に着替えてくつろいでいると、扉をノックする音がした。ウィルフレッドが対応し、ドアを開けると、老齢の執事が立っていた。執事が言うにはゲオルグが目を覚まし、二人が来ている事を聞くと、ぜひ会いたいと言っているらしい。二人は執事に案内され、ゲオルグの寝室へと足を運んだ。


「失礼します。アバンス団長様とご夫人をお連れいたしました」

「あぁ、ありがとう」

「師匠、ご無沙汰しております」

「ウィルフレッド!久しいな。それにレティシア嬢、いや、今は夫人か」

「えぇ、これでも人妻ですの」


レティシアはふふっと笑って見せる。ゲオルグは寝台に横になったまま笑顔をみせる。起きあがろうとしたようだが、うまく力が入らないらしい。


「うっ・・・」

「辺境伯様!」


焦ったイザベラが駆け寄って起き上がるのを止めようとする。


「師匠、無理はなさらないでください。怪我をなさっているのでしょう?」

「・・・あぁ・・・このままですまないが・・・」

「かまいませんよ」

「しかし、女に興味のなかったお前が結婚か・・・どう転ぶかわからないもんだな」

「師匠だって、まさかこんな歳で結婚されるとは思いませんでしたよ。しかも親子ほど歳の離れた若い奥方を貰うなんて」


ウィルフレッドはゲオルグを揶揄いながら、側についていたイザベラに視線を移す。


「イザベラには申し訳なかったと思ってる。もっと他にいい男がいただろうに、俺が娶ったばっかりに・・・」

「・・・私はここに嫁げてよかったと思ってますわ・・・みなさん親切にしてくださいますし」


イザベラは笑顔を作るも、レティシアにはその笑顔がどこか寂しげに見えた。呼び名もそうであるが、二人にはまだ距離が見える。ゲオルグが遠慮をするから、イザベラが本心を言えずにいる。そんな気がしてならなかった。何か二人の距離が縮まるような事があれば・・・二人の姿を見てそう思っていた。



ーーーーーーーーーーーー

次回

夫人には少々辛い話になるかもしれないんですが・・・



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