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休暇一日目②公爵夫妻の揶揄い
しおりを挟む「おはよう、ウィルフレッド、レティシア」
「おはようございます、父上、母上」
「おはようございます、お義父様、お義母様」
「二人とも随分と早かったのね?」
二人が食堂に入り席に着くと、公爵夫妻は、ウィルフレッドとレティシアが、身だしなみまで整えて寝室から出てきたのが思ったよりも早かったことを疑問に思い、首を傾げていた。
「いつもと変わらない時間ですが?いくら任務が立て込んだとは言え、寝坊するほどではありませんよ?」
「そうではないのだけれど・・・」
「まぁ、仕方あるまい」
「まぁ、いいわ」
「くすっ・・・」
「シア?なんで笑うんだ?わかってないのは俺だけなのか?」
「何でもないわ」
「・・・秘密は嫌だ」
「お義父様とお義母様は、昨日は夫婦として初めての夜だったのだけれど、随分と早く起きてきたんだね?昨日は何もなかったのかしら?と聞いてるのよ」
「・・・そんな事わざわざ聞かなくても・・・」
ウィルフレッドは、両親に揶揄われたのがわかり、顔を真っ赤に染めた。居た堪れなくなり、隣に座っていたレティシアを抱えると、膝にのせて肩に額を預けるように顔を隠した。
「ウィル、私を盾に隠れないでくれる?」
「・・・普通、息子にむかってそんな事聞くか?」
「お義父様もお義母様も、昨日のウィルの様子を見て心配だったのよ」
「・・・だからと言って・・・息子にする話じゃないだろう?」
「そりゃぁ、心配もするわ。息子が可愛い嫁に見捨てられて、離縁を言われるんじゃないかとか?」
「!?・・・シ、シア・・・す、捨てないよな?」
「心配ないわって言ったでしょう?捨ててあげないんだから」
「・・・ほっ・・・母上も人が悪いですよ。本当に心臓に悪い・・・」
公爵夫妻はそのやり取りを微笑ましく眺めていた。
「おはようございます・・・兄上、新婚早々甘えてるんですか?」
ウィルフレッドがレティシアを膝に抱えて抱きしめたまま、擦り寄っているように見えたルシアンは、兄の姿に食堂に入るなりため息をついた。
ーーーーーーーーーーーーーーー
次回
ウィル、みんなに話があるのよね?
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