騎士団長様からのラブレター ーそのままの君が好きー

agapē【アガペー】

文字の大きさ
上 下
231 / 544

【レイバンside】何もかも順調に

しおりを挟む


上手くいった・・・
こんなに簡単に騙されてくれるとはね
近衛騎士達も危機管理がまだまだだな
これで全て終わる・・・
終わらせる




「おい、お前達・・・わかっているな」

「あぁ、トドメはお前が、だろ?」

「あぁ・・・乗り込むぞ」

「おう」




これで終わるんだ
全てが終わる!
何度も悪夢を見てきた
あの時の光景が頭に焼き付いて離れない
夢に見ては飛び起きる毎日だ




「失礼します」

「おぉ・・・レイバンか・・・」

「副騎士団長、どうされましたか?」

「アイオロス、王宮内にまだ協力者がいないか、侵入できる経路がないか再度確認をして欲しい。陛下には私がついている。騎士も・・・連れてきたから、休息も兼ねて一度城内を回ってこい」

「し、しかし・・・」

「陛下の護衛は数刻で終わるものではないのだ。体力の消耗、集中力の欠如。何を持っても完璧な護衛などできんからな。休息も大事な時間だ」

「は・・・はい、そ、それでは・・・失礼します」

「あぁ、お前達もアイオロスと共に、城内を確認してこい」

「はい、承知しました」




よし・・・これでアイオロスと担当騎士達は遠ざけた




「陛下・・・中々気が休まらないのではないですか?」

「あぁ・・・」

「では、私めの話にお付き合い頂けませんか」

「構わんが・・・それよりも後ろの者達はなんだ?この城の兵ではないようだな」

「緊張状態になられているが故に、疑い深くなっておられるのですね。この者達は、新人騎士達です。先日入隊したばかりで、まだ顔を覚えられていないのも仕方ありません」

「それはおかしな話だな。近衛に入団するには、私への面通しが必ずある。だが・・・私はその者達の顔には見覚えがない」

「・・・さすがに・・・陛下は騙されてはくれませんか・・・」

「レイバン・・・何を企んでいる」

「・・・陛下、昔話をよろしいでしょうか?」

「昔話だと?」

「えぇ・・・陛下・・・20年前の戦・・・勝利に導けてよかったですね。国は栄え、民も幸せそうだ・・・」

「何が言いたい」

「この幸せは、たくさんの犠牲の上にあると言っているんですよ」

「・・・犠牲・・・」

「私・・・孤児だったのはご存知ですよね?」

「・・・それは知っている。お前が入団してきた時に聞いた」

「何故孤児になったのかは・・・ご存知ないでしょう?」

「・・・まさか・・・」




ふっ、
ここまで言えば察しがつくだろう
私は前達のせいで、大切な者を失った
幸せだった日々は簡単に壊れ、失われた
私の大切な家族が
何をしたと言うのだ・・・
真面目に、ただそこで生きていただけなのに
悔やんでも悔やみきれない
終わらせる
みんなの仇を討ってやる







ーーーーーーーーーーーーーーー

次回

いくら考えても、答えはまるででないのです







しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

友人の結婚式で友人兄嫁がスピーチしてくれたのだけど修羅場だった

海林檎
恋愛
え·····こんな時代錯誤の家まだあったんだ····? 友人の家はまさに嫁は義実家の家政婦と言った風潮の生きた化石でガチで引いた上での修羅場展開になった話を書きます·····(((((´°ω°`*))))))

私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない

文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。 使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。 優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。 婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。 「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。 優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。 父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。 嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの? 優月は父親をも信頼できなくなる。 婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。

【完結】転生7年!ぼっち脱出して王宮ライフ満喫してたら王国の動乱に巻き込まれた少女戦記 〜愛でたいアイカは救国の姫になる

三矢さくら
ファンタジー
【完結しました】異世界からの召喚に応じて6歳児に転生したアイカは、護ってくれる結界に逆に閉じ込められた結果、山奥でサバイバル生活を始める。 こんなはずじゃなかった! 異世界の山奥で過ごすこと7年。ようやく結界が解けて、山を下りたアイカは王都ヴィアナで【天衣無縫の無頼姫】の異名をとる第3王女リティアと出会う。 珍しい物好きの王女に気に入られたアイカは、なんと侍女に取り立てられて王宮に! やっと始まった異世界生活は、美男美女ぞろいの王宮生活! 右を見ても左を見ても「愛でたい」美人に美少女! 美男子に美少年ばかり! アイカとリティア、まだまだ幼い侍女と王女が数奇な運命をたどる異世界王宮ファンタジー戦記。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

訳ありな家庭教師と公爵の執着

ゆきむらさり
恋愛
〔あらすじ〕📝名門ブライアン公爵家の美貌の当主ギルバートに雇われることになった一人の家庭教師(ガヴァネス)リディア。きっちりと衣装を着こなし、隙のない身形の家庭教師リディアは素顔を隠し、秘密にしたい過去をも隠す。おまけに美貌の公爵ギルバートには目もくれず、五歳になる公爵令嬢エヴリンの家庭教師としての態度を崩さない。過去に悲惨なめに遭った今の家庭教師リディアは、愛など求めない。そんなリディアに公爵ギルバートの方が興味を抱き……。 ※設定などは独自の世界観でご都合主義。ハピエン🩷  ※稚拙ながらも投稿初日(2025.1.26)からHOTランキングに入れて頂き、ありがとうございます🙂 最高で26位(2025.2.4)。 ※断罪回に残酷な描写がある為、苦手な方はご注意下さい。

皇太子夫妻の歪んだ結婚 

夕鈴
恋愛
皇太子妃リーンは夫の秘密に気付いてしまった。 その秘密はリーンにとって許せないものだった。結婚1日目にして離縁を決意したリーンの夫婦生活の始まりだった。 本編完結してます。 番外編を更新中です。

わたしは夫のことを、愛していないのかもしれない

鈴宮(すずみや)
恋愛
 孤児院出身のアルマは、一年前、幼馴染のヴェルナーと夫婦になった。明るくて優しいヴェルナーは、日々アルマに愛を囁き、彼女のことをとても大事にしている。  しかしアルマは、ある日を境に、ヴェルナーから甘ったるい香りが漂うことに気づく。  その香りは、彼女が勤める診療所の、とある患者と同じもので――――?

【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件

三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。 ※アルファポリスのみの公開です。

処理中です...