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【ウィルフレッドside】護衛かたわら盗み聞き
しおりを挟む「あぁ、どうしても聞いてみたい事があってな」
陛下はこちらにいらっしゃったのか・・・
お姿が見えないと思えば、こちらにいると聞いてきてはみたが・・・
独り言か?
いや、誰かいるみたいだな・・・
「何でしょう?」
女性・・・?
いや、この声は!?
「レティシア嬢は、ウィルフレッドを選んだ。その理由は昨日ヴィンセントに同行していた騎士達からも聞いた。そして、昨日は、愚息がすまなかった」
「いいえ、次がなければよいのです」
昨日のことをお詫びという事か
しかし、何故ここにシアがいるんだ
陛下と二人で会っているなんて・・・
「それでだ。一つ気になった事があってな・・・どうしても聞いてみたかった」
陛下は何を聞くつもりなんだ?
「先に出会ったのがウィルフレッドではなくヴィンセントであったなら、結果は違ったのだろうか?」
「はい?」
陛下は一体何をお考えなんだ!
まさか、まだヴィンセント殿下とシアとの事を・・・
「レティシア嬢が、ウィルフレッドを気にかける前に、ヴィンセントに出会っていたら、もしくは、ヴィンセントの婚約者候補として名が上がっていたならば、どうだったのだろうかと思ったのだ」
「・・・正式な婚約者であれば、立場がありますもの、それ相当の対応をしていたと思いますわ。しかし、順番が違えど・・・陛下には失礼かもしれませんが、先にヴィンセント殿下に出会っていたとしていも、変わらなかったと思います」
「・・・それは・・・何故だろうか?」
「ヴィンセント殿下は、良くも悪くも王族です。堂々とした立ち振る舞いは、未来の国王として必要なものでしょう。ですが、そのお立場で、身分を振るっても、人の心は手には入りません。私を選べば未来の王妃になれるのだぞ?そんなことを言われて寄ってくるのは、その地位が欲しい女性だけです。そんな言葉をは放つうちは、本当の愛など手に入りません」
「耳が痛い話だな・・・」
「もしや陛下も?」
「あぁ、身に覚えがある」
「だから王族は幸せにはなれないのですよ」
「包み隠さず言うのだな・・・」
「言って欲しかったのでしょう?」
シアは相手が陛下でも物怖じせずに言うんだな・・・
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次回
【ウィルフレッドside】
まるで幼い子ども扱いだな
それでも・・・安心する・・・
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