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【ウィルフレッドside】例え相手が王子でも
しおりを挟む「はぁ・・・早く帰りたい・・・」
「団長、まだ来たばかりでしょう?」
「そう言うな、レイバン・・・何なら毎日屋敷から出てきたくないんだぞ?登城拒否しそうだ・・・」
「まったく・・・」
「ところでレイバン、何故、お前がここにいる?」
「その件なのですが、ヴィンセント殿下が、本日急に予定を変更されて外出されまして、近衛を数人つけるようにと仰せつかりまして・・・どこかへ外出なさったようなんです。周りの近衛には話しているようですが、私にはどうも、話していただけなくて・・・少し遠巻きにされているのですよ。なんだか嫌な予感がしますね・・・」
「嫌な予感・・・?・・・殿下はどこに行ったんだ?」
嫌な予感・・・
まさかとは思うが、うちの屋敷に、シアの所に行ったのではないよな?
流石にもう諦めているとは思うが・・・
なんか胸騒ぎがする・・・
「レイバン、少し外出する。屋敷に戻ってくる」
「えぇ、承知しました」
気のせいであってくれ・・・
「ブルーノ!行くぞ!」
俺は愛馬に跨って急いで屋敷に戻った
嫌な予感とは当たるものだな
屋敷の前に見慣れない馬車が止まっている
あれは、王族がお忍びの際に使用する、紋章の入っていない馬車・・・
とすると、やはり殿下が・・・
「母上!」
屋敷に入ったすぐ、母上が心配そうな顔で二階を見ていた
やはり殿下が来ているんだな・・・
「ウィルフレッド・・・」
「殿下が来ているんですね?」
「えぇ、止めるのも聞かずにレティシアちゃんの部屋に行ったみたいなの。ルドが一緒に行ったから、大丈夫だとは思うんだけど・・・」
「わかりました、心配いりません、俺が行ってきますから」
「えぇ、お願いね・・・」
シア!
くそっ!
他の男にシアを渡すなんてありえない
それが後に国王になる王子であってもだ
たとえ相手が王子であっても
いや、誰にだって渡すつもりはない
「父上!」
「あぁ、ウィルフレッドか・・・」
「殿下が来ていると・・・」
「そうなんだが、少々取り込み中だ」
「そんなの関係ありませんよ。退いてください」
「ふふっ、あまり嫉妬してくれるなよ?」
「はぁ?何にです?とにかく退いてください」
「はいはい・・・」
殿下・・・
シアの私室にまで押しかけたのか
とにかくシアは誰にも渡さない!
シアは・・・
シアは、俺だけのもの・・・だろう!?
父上が言っていたのは・・・こう言う事か!!
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次回
私には騎士様が二人もいたのね
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