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【ディアルドside】まさかの両想い
しおりを挟むクラウディアが見つめた先には、クリスティア嬢がいた
涙するクリスティア嬢を慰める侯爵夫妻
大丈夫だ、クラウディア、君には僕がいる
「クリスティア嬢には酷なことをしていたとは知らなかったんだ」
見せつけてもいいよな?
僕はずっと恋焦がれてきたクラウディアの手を取ると、ちゅっと、キスを落とした
「長年想いを寄せていた女性がいるんだ。簡単に諦めるなんてできない。それが・・・君だ。クラウディア嬢」
「嘘・・・」
「嘘じゃない。夜会の翌日、レバノール侯爵家へと縁談を打診した時、すぐにはよい返事はもらえなかった。クリスティア嬢の事があったからだ。それこそ、名を間違えて求婚してきたのではと聞かれたさ。でも、僕は間違えてなんかいない。おかしいと思う。クラウディア嬢を指名して求婚したと言うのに、何故、両親が素直に喜ばない?僕にとってはクラウディア嬢が1番なのに」
「1番・・・」
そうだ、ずっと1番だった
いや、唯一の女性なんだ
「あぁ、もう、かれこれ10年近く恋しているんだ。その間もずっと1番だ。いや、唯一なんだ」
「私も・・・私も・・・ずっとお慕いしておりました!」
お慕い・・・?
聞き間違ったか?
いや、夢か?
ぐっと唇を噛むも、痛みがある・・・
夢じゃない、現実だ!!
「ほ、本当かい!?・・・夢、じゃないよね?・・・信じられない・・・クラウディア嬢が僕の事を・・・好き・・・好きって・・・いや違った、お慕いしているって」
「す、好きです!」
「クラウディア嬢!!」
し、しまった・・・
嬉しさのあまり、抱きついてしまった・・・
しかし、もう、この感情は抑えきれないっ!!
「嬉しいよ・・・実った、僕の片想いが・・・いや、両想いだった・・・こうしちゃいられない・・・」
そうだ、こうしている場合ではない
虐待や差をつけられることまではなかったとしても、調べた結果、やはり侯爵夫妻は姉だけを優遇していた
買い与えられた物や、待遇面ではない
言葉に態度に出るのだ
クラウディアはずっと我慢してきた
姉の影に隠れて、必死に耐えた
「クラウディア嬢・・・いや、クラウディア、今日、このまま公爵家に来てくれ」
「えっと・・・ご挨拶にでしょうか?」
「いや、もう離れたくない・・・違うな、離したくない!結婚はまだ先だが、公爵家に住んで欲しい。少しでも一緒にいたい。もう、他の男に取られたくないんだ!クラウディアを僕だけのものにしたい。もう、侯爵には許可を貰っているし、荷物は後からでもいいだろう?さぁ、早く行こう!部屋も用意してあるだ!」
「もう、ですか!?」
クラウディアは驚いていたが、当たり前だろう?
クラウディアしか娶るつもりはなかったんだから
ーーーーーーーーーーーーー
次回
【ディアルドside】
何故こうなった・・・
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