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【ディアルドside】気になる彼女
しおりを挟むとあるお茶会で、一人の少女と出会った
「大丈夫ですか?よかったわ、こぼれたのがお水で。これ使ってください」
一人の令息が水を服にかけてしまった
そこへハンカチを差し出した、クリーム色の髪を持った少女
だが、ハンカチを差し出された令息は悪態をついた
「お前からはいらない。クリスティア嬢ならともかく、お前はハズレの方じゃないか」
「そ、そうですよね・・・ごめんなさい」
なんだ、あいつ
人の行為を無碍に扱いやがって・・・
お茶会が終わるまで、他の令嬢達に囲まれて彼女と話す機会は訪れなかった
どうやら僕は、令嬢達の中では優良物件というものらしい
茶会から帰ると、父上に相談をする
クリスティア嬢という名前と、姉妹となる令嬢がいる家を調べて欲しいと
調べはすぐについた
彼女はレバノール侯爵家の次女であり、クラウディアといった
それからというもの、茶会や、屋敷から外出する際には彼女に会ったりしないだろうかと常に姿を探していた
思えばこの時、もうすでに恋をしていのかもしれない
「クリスティア・レバノールと申しますわ」
目の前にいる令嬢は、あのクラウディア嬢の姉だ
学園に入る年になって、偶然にも同じクラスになった
来年にはクラウディア嬢が入学してくるのか・・・
そんな事を考えていた
僕は、クラウディア嬢の事が少しでも知りたくて、クリスティア嬢とたくさん話をした
学園でも人気の彼女は、社交界デビューすればたちまち華となるだろう
彼女はみんなの華であればいい
僕の華は囲って、僕だけが愛でる予定だ
しばらくすると、何故かクリスティア嬢が、僕のことをディーと勝手に愛称で呼び出した
許可もしていないのに、厚かましいな・・・
愛称で呼んで欲しいのはただ一人なのに・・・
一つ下の学年が入学してくる時期になり、僕は心躍っていた
学園で出会って恋をしたとなれば、政略結婚だなんて事ではない
まぁ、随分と昔から恋心を募らせてきたのだから、政略でもなんでもないんだが・・・
だが、その気持ちもすぐ砕け散った
どんなに探してもクラウディア嬢は見つからない
学園側にも問い合わせたが、クラウディア・レバノールというご令嬢は入学していないとの返答だった
頭を殴られた気分だった
浮かれていたんだ
もうすぐ彼女に会えるって・・・
色を失ったような毎日が何事もなく過ぎていく
そして学園を卒業した
それからは、婚約の打診が山のように届いた
学園を卒業する歳になっても婚約者がいないままの優良物件は少ないのだ
僕と、いまだ婚約者を決めていない王太子殿下に集中しているらしい
僕に届いた釣書の中に、レバノール侯爵家からの釣書もあった
それを見つけると、1番に目を通すが、相手はクリスティア嬢で、僕の愛しい相手ではなかった
ーーーーーーーーーーーーーーー
次回
【ディアルドside】
・・・夜会か・・・クラウディア嬢がいないなら・・・意味がない
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