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【レティシアside】ウィルフレッドの盛大な惚気

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帰ることになったのはいいけど、結局下ろしてくれないのね?




「ウィル、歩けないわけじゃないのよ。降ろしてくれる?」

「いーやーだー」

「もう・・・」

「・・・おい・・・」




ん?
あら、ヴィンセント殿下・・・




「見せつけてくれるなよ」

「では、見なければよろしいのです」

「なっ!?」





ウィル・・・
凄いこと言うわね・・・





「あら、ヴィンセント殿下、数日ぶりですわね」

「あぁ、そうだな・・・まだ三日と経っていないからな」

「ふふっ」

「他の男に笑いかけるなと言っただろう?殿下を虜にしてどうする・・・」

「じゃあ、早く帰りましょう?おかえりなさいのキスするんでしょう?」

「・・・おい、なんだそれ?・・・一緒に帰るのではないのか?何故おかえりなさいのキスになるのだ!」

「おかえりなさいだけではないですよ?おはようもおやすみもいってらっしゃいも、そしてしたくなったらするんです。今も・・・」

「んっ・・・もう・・・」





ウィル・・・
何もヴィンセント殿下の前でする事ないのに




「くそっ・・・ん・・・んん?ちょっと待て・・・おはよう、おやすみってどう言う事だ!」

「えっ?そのままの意味ですよ?」

「待て、待て!まさか・・・一緒に住んでるとは言わないよな!?」

「そうですよ?あぁ・・・一緒に寝てますしね」






あらぁ・・・
それ言っちゃうのね





「はぁっ!?何だと!?一緒に・・・寝て・・・る?・・・待て!お前達は、まだ夫婦でもないじゃないか!それに、再会したのは数日前だと言ったじゃないか!おかしい!おかしいぞ!」





ほら・・・
こうなるじゃない・・・
その後もすでに愛称で呼び合っていることなどを自慢していたウィルだけど
もう、コレ、確実に見せつけてるわね・・・





「殿下も早く愛しい婚約者を見つけてくださいね。素晴らしいですよ?毎朝起きたら目の前に愛しい存在がいるんです。特にシアの寝顔と目覚めは天使かと見紛うくらい可愛いんです」




えっと・・・?
何かウィルが語り出したわ・・・
これ・・・惚気てるって言うのかしら?





「目覚めの瞬間、目の前にシアがいて、自分の腕の中で眠っているんです。朝から愛しさで包まれるなんて、幸せのなにものでもありませんよ。頑張ったら頭撫でて貰えて、お昼はあーんもして貰って、膝枕もして貰いました。怖い夢を見て飛び起きたんですが、大丈夫よって抱きしめてくれるんです。他の男に囲まれているシアを見たときは血の気が引きました。でも、抱きしめてなだめてくれて・・・大泣きするような格好悪い私でも好きだって、大好きだって言ってくれるんです。わがままをたくさん聞いてくれて・・・それに、私は案外嫉妬深いようです。周りの目のあるところで抱き合っている男女なんて、頭がおかしいのかと思っていましたが、知らなかった自分が愚かだったと知りました。知ってしまったんです、周りの目など気にせず相手を求めてしまうものなのですね。この歳になって初めて知りました。愛しい人を目の前にすると・・・シア以外見えなくなるのです。ヴィンセント殿下・・・私は・・・とても幸せです」





せ、盛大に惚気てるわ・・・





「う、うるさぁぁぁい!!早く帰れ!!」




ほら、もう・・・
殿下がご立腹よ?





「えぇ、言われなくとも帰りますよ」



ん?何?
何か悪い笑みに見えたけど?




「シア、今日の夕食、また、あーんってしてくれるか?」

「いいけど?」

「寝るときは抱きしめさせてくれよ?」

「いいわよ」




何かしら・・・
トドメでも刺してるつもり?




「湯あみも一緒に入ろうな?」

「それはダメ」

「あっ・・・引っ掛からなかった・・・」




ふっ・・・その手には乗らないわ!




「だぁぁぁっ!!!家でやれ!!」




あらあら、本気で怒らせたのではないかしら?
それにしても、ウィルが盛大に惚気てるのには驚いたわ
そういうところもあるのね・・・







ーーーーーーーーーーーーーーー

次回

ウィル、いい加減離してくれないかしら?




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