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【ウィルフレッドside】あーんとは?
しおりを挟む「ウィル、膝からは下ろしてくれないかしら?」
「嫌だ」
騎士達に囲まれていたシアを奪い取るように抱き込み、そのまま抱えて中庭にきた
シアが持ってきたランチと敷物を準備する
整ったその場所に俺は再度シアを捕まえて膝に乗せて座った
あぁ、やっぱりこれが一番落ち着くな・・・
「仕方ないわね・・・ウィル、はい」
「・・・」
な、なんだ!?
なんでサンドイッチを突き出してくるんだ?
これは・・・どうすれば・・・?
「ウィル?」
「・・・」
えっと・・・
どうすれば・・・
いいんだ?
「これ、嫌いだった?」
そうじゃない・・・
嫌いとかじゃなくて
シアは一体どうして欲しいんだ?
「えっと、そうではなくて・・・これは・・・?」
「食べないの?」
「食べる・・・けど・・・」
食べるために受け取ろうとするが、なぜかとらせて貰えない
手を伸ばすとシアが避ける
なんだ?
一体どうすれば正解なんだ・・・
「はい、あーん」
あーん・・・?
えっと・・・
つまり・・・
えっ!?まさか・・・手ずから食べろと!?
「えっ?いや・・・このまま食べるのか!?」
「そうよ?あーんされるの嫌だった?」
嫌など思うものか・・・
シアがしてくれる事はなんだって嬉しいが・・・
このまま・・・食べれば正解なのか・・・?
「初めての事で戸惑っている・・・あ、あーん・・・」
なんだ・・・これ・・・
恥ずかしいやら、照れるやら・・・
俺は今、顔が真っ赤になっているな・・・
「なぁ・・・これって、みんなやってるものなのか?」
「さぁ・・・そうなんじゃないの?」
そういうものなのか?
そうなのか・・・
シアは・・・平気なんだな?
・・・ん?
まさか!?
「シアは今までにした事があるから平気なのか?・・・した相手がいるという事なのか!?」
俺以外にこんな事する相手がいたのか!?
「えっ?初めてだけど?ウィルがこういうの好きかなと思ったんだけど、違ったのかしら?」
えっ・・・あっ・・・そう、なのか・・・
初めて・・・
俺が初めて・・・
俺だけ・・・
なんだ・・・よかった・・・
だったら・・・俺だけしかして貰えないって事だよな?
「自分で食べる?」
い、いや、待ってくれ!
せっかくシアが構ってくれてるんだ、何度でもして貰いたい!
俺だけにしかこんな事しないなら、尚更もっとして貰いたい!
「・・・いや、またして欲しい」
「ふふっ、やっぱり好きなんでしょう?」
あぁ・・・好きだ
あーんが好きというか、シアが好きだ
シアが好きだから、シアがしてくれるから・・・
「あぁ、シアが大好きだ」
「・・・?あーんが好きかどうか聞いたのだけど。まぁ、いいわ。ウィル、はい、あーん」
「あーん、モグモグ」
なんだか、食事が数倍、いや、数百倍美味しく感じる
シアは魔法使いなのか?
食事に美味しくなる魔法でもかけているのか?
あぁ・・・幸せだな・・・
シアが愛おしい・・・
可愛い・・・
好きだ・・・
シア・・・シア・・・
・・・食べたい・・・
「なぁ、シアも食べたい」
「私は食べ物じゃないわ」
「シア・・・食べたい」
「えっ、ちょ、ちょっと!?」
たまらなくなって、シアを地面に押し倒してしまった
あぁ・・・シア可愛い・・・
シア・・・
好きだ・・・
何度キスしても足りない
もっと・・・もっと・・・
「んっ・・・」
「シア・・・おいしい」
あぁ・・・
幸せだ・・・
周りの目なんてどうでもいい
今は目の前のシアを構いたい
ーーーーーーーーーーーーーーー
次回
どうしたのよ?怖い夢でも見てたの?
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