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【公爵当主side】息子の変化

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「お会いしたかったです!お義姉様!僕、ルシアンです」




ルシアンが駆け出して行ったようだな

しっかりしているようでもまだまだ子どもだな




「きゃー!可愛い!!」





なんだ?
まさか、ディアもか・・・




「ちょっと、何してるんですか!俺のシアなんですよ!離れてください、ルシアンも離れろっ!羨ましい事するな、俺もまだなのに!」




今のはウィルフレッドの声なのか?
こんな嫉妬をするだなんて知らなかったな・・・

しかし、全然来ないじゃないか・・・




「お兄様酷い!」

「そうよ、私だってレティシアちゃん愛でたいのに!」

「ダメです!シアは俺の!俺だけのものです!」




いつまでやるつもりなんだ・・・




「おいおい、玄関で何やってるんだ・・・」




そしてウィルフレッド・・・何やっているんだ・・・





「ウィル、おろしてくれない?」

「嫌だ」




ご令嬢を膝に乗せて辺境伯の隣に座ってしまった・・・

お前はこっちだろう・・・





「辺境伯、息子が・・・なんかすみません」

「いいえ、ここまで娘を慕ってくれているのは嬉しいものですよ」

「それにしてもレティシアちゃん、可愛いわぁ!娘が欲しかったのがやっと叶ったわ!」

「僕も綺麗なお義姉様ができて嬉しいです!」

「妻も次男もこの通りです。本当にウィルフレッドと一緒になってくれるご令嬢がいるなんて、嬉しい限りです」

「アバンス団長ほどの方なら引く手数多でしょうに」

「いえ、息子は本当に結婚をしたがらなかったんです。縁談の釣書を見もせずに片っ端から断っていくものですから・・・親としては難儀な問題でした。それなのに、こんなに素敵なお嬢さんを連れてくるなんて・・・」




本当に息子に嫁が来てくれるなんて・・・夢ではないんだな・・・




「お義姉様、あとで一緒にお茶しましょう!庭に綺麗な花が咲いているんです、僕が案内します!」

「レティシアちゃん、娘ができるなんて嬉しいわ。一緒に街にお買い物に行きましょうね!カフェでお茶もいいわね。そうだわ!私のお友達のお茶会に一緒に参加しましょう!嫁自慢ができるわ!」




ルシアンとディアがお誘いをしている
しかし、ウィルフレッドの嫉妬が凄いな・・・

目の前でこの光景を見ていると、なんだか羨ましくも思えてくる

娘というのは知らない境地だ

私もやってみたいものだな・・・





「ウィルフレッド、お前がそんなに嫉妬する男だったとは知らなかったな。それに人前でそんなことができる奴だったとはな・・・」

「これはシアに対してだけです」

「そんなにいいものなのか?」

「えぇ、最高ですよ」

「ほぉ・・・」

「今は腕の中にいてもらいたいので、この体勢が一番安心するんです」

「ウィルフレッド」

「何です?」

「私もレティシア嬢をお膝に乗せてみたいな」

「なっ、何言ってるんですか!ダメに決まっているでしょう!シアに触れていいのは俺だけです。父上でもダメです!・・・もうダメだ!ここはシアを狙っている奴しかいない」




おぉ・・・

そんなにレティシア嬢が大事なのか

よかったというべきか

まぁ、いずれお膝に乗せてみたいものだ




「シア、このまま屋敷に住んでくれないか?」

「そうです、お義姉様、兄上と結婚するんでしょう?もう住んでください!」

「そうよ、レティシアちゃん、もうここはあなたのおうちよ?」




皆、そこまで望んでいるのだな

では、私も加勢するか・・・




「レティシア嬢、君がよければこのままどうかな?」

「レティシア、ここまで言われて帰るのも気が引ける・・・いいんじゃないか?」

「お義父上!ありがとうございます!」

「だから、なんでウィルが返事するのよ・・・」




嫌ではないようで安心だな

しかし、息子の変化には驚かされた

いや、変化というより、元から内にあったものかもしれないな

その感情を向ける相手が現れたという事か

このご令嬢を逃すまいという気持ちもわかる・・・が、

とにかく娘というものをお膝に乗せてみたいものだな







ーーーーーーーーーーーーーーー


次回

それは流石に・・・

え?

ん?

あれ?

どうしましょう・・・



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