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【ウィルフレッドside】想って貰える男が羨ましい
しおりを挟む「私は、未来の夫にすると決めた方がおりますの。ですから諦めてくださいませ」
そう・・・なのか・・・
未来の夫・・・羨ましいな・・・
「えぇ、もう決めましたの。私も殿下と同じで、相手がどう返事しようと彼以上の相手は見つからないと思いますの」
そんなにいい男がいたのか・・・知らなかったな。俺の片想いは最初から叶うことはなかったという事か・・・悔しい・・・誰なんだ・・・レティシア嬢にそこまで言わせる男は・・・誰・・・なんだ・・・
「そいつが夫にならないと言ったらどうするのだ」
そんな事あるはずないだろう・・・この会場の数多の令息達が彼女に視線を送っているんだ。断る男なんているはずがない。レティシア嬢が望めば誰だって了承するに決まっている。
「彼以外はいりませんので、余程の事がない限りは一生独身のままかもしれませんわ」
そこまでその男を愛しているのか・・・一生独身でいるくらいなら、俺を選んではくれないか?レティシア嬢の愛は望まないから、側にいさせて欲しい・・・君はそれすらも拒むのだろうな。妥協はしない。自分の意志をしっかり持っている。それがレティシア・ベルモンドだ。俺はそんなレティシア嬢だから好きになった。
「・・・誰だ」
「はい?」
「誰なんだ、君が夫にしたいと思っている男は!」
「知ってどうしますの?」
「俺が納得する男なんだろうな?」
「さぁ、どうでしょう」
「誰なんだ!」
殿下も納得がいかないんだろう。それだけ本気なのだな。俺だって知りたい、いや、知りたくない・・・
「・・・そんなに知りたければ教えて差し上げますわ」
とうとうこの時が来たんだな・・・俺立ち直れないかもな・・・目の前で失恋・・・させられるんだな・・・
これがフラれるって事か・・・
手紙で目の前で見せつけてくれなんて言ったが、本当にそうされる日がくるなんてな・・・
この会場にいるんだよな・・・
もう、レティシア嬢は・・・手には入らないんだな・・・
俺はこれまで通り騎士であり、騎士団長であり、王族を守ってこのまま変わらず・・・
コツ、コツ、コツ、コツ
ん・・・?
「彼を夫にするって決めましたの」
ーーーーーーーーーーーーーーー
次回
これは・・・夢だろうか?
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