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ウィルフレッドの手紙13
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社交シーズンも終わり、貴族達は領地に帰る者も多い。少し王都も静かになる。近衛騎士の騎士団長である自分をたまに恨んでしまう。何もない貴族令息だったら、この時間を使って君に会いに行けるのにな。今にも君の元に行きたい。この瞬間にも他の令息達が君の元に愛を請いに行っているのではないかと気が気がじゃない。君の笑顔は誰に向けられているのだろうか。俺であって欲しいとずっと願っている。あれからもうだいぶ時が経ったが、君への気持ちは変わりつつある。気持ちは変わらないなんて言うが、嘘なんだと思う。好きが大好きに変わったんだ。絶対なんてないと知ったんだ。好きがどんどん大きくなっていく。
I like you just the way you are.
(そのままの君が好き)
ウィルフレッド・アバンス
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【ウィルフレッドside】
俺の公爵家の屋敷は王都にあって、アバンスの領地は王都のすぐ隣だ。だから領地に帰るという習慣がない。騎士団長なんてしてなければ、社交シーズンさえ終われば時間がつくれるのに・・・騎士団長をやっている自分を恨んでしまいそうだ。この間にも、他の令息達がレティシア嬢の元を訪れて、愛を請うて関係を深めているのではないかと気が気じゃない。頼む、誰にも靡かないでくれ。惹かれないでくれ。気持ちというのは永遠に変わらないなんて嘘なんだと思う。好きというのは変わるものだと知った。好きではなくなる事もあるだろう。しかし、それとは逆もある。好きがもっと好きになって大好きになっていく。まだ上があったのかと自分でも驚いている。だから絶対なんてないんだ。もし、レティシア嬢の気持ちが変わってくれたなら・・・俺の事をほんの少しでも気になってくれれば・・・どんなに嬉しいのだろうな。
【レティシアside】
社交シーズンか・・・前回夜会に参加してからもう一年以上経ったのね。時が経つのは早いわ。社交シーズンに王都に留まる貴族は領地と王都のタウンハウスを半々で過ごしていると聞くわ。辺境に住む私は王都のタウンハウスに滞在するのに、移動の時間がかかるから、中々王都には行かないのよね。好きが大好きにね・・・団長様、いつまで私の事を気にかけているのかしら。この間にも歳は重ねているのよ?公爵様に結婚を急かされているんじゃなかったのかしら?今だに逃げ続けているのかもしれないわね。もし私が団長様の気持ちに答えたら・・・あなたはどんな表情を見せるのかしら。少し興味があるわ。
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次回
来年の生誕パーティは妻として隣にいてくれるのだろう
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