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ウィルフレッドの手紙9
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屋敷に母が呼んだ宝石商が来ていた。少しも興味がなかったから、これまで一度も見たことはなかった。母が嬉々として宝石を見ている横で、俺はあるものに目を奪われたんだ。青のサファイアのイヤリングがあった。俺の瞳の色にそっくりな。それを見た瞬間、君の顔が脳裏に浮かんだよ。いつしかこれをつけてくれたら・・・そんな思いが込み上げてしまった。最近は何かにつけて君の事を思い出してしまう。そして、自分勝手な想像をしては切なくなるんだ。君に・・・会いたい。
I like you just the way you are.
(そのままの君が好き)
ウィルフレッド・アバンス
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【ウィルフレッドside】
俺の瞳の色。サファイアのようだと幼少の頃からよく言われてきたものだ。これまで大して気にした事もなかったが、好ましい相手ができると、こうも考えが変わるのだと驚いている。相手に自分の色を身につけて欲しいなんて、独占欲の塊だな・・・まさか俺がこうなるなんて、一年前の俺に教えてやりたいものだ。そして助言もしたい。好き女にできる事をきちんと身につけておけと。何もしてこなかった自分が悔やまれる。相手に好かれる事はあっても、相手を好く事はこれまでなかった。今になってツケが回ってきたようだ。過去の自分に戻ってやり直したいものだな。
【レティシアside】
アバンス団長様、最近包み隠さず私の事を好きだというような事を手紙に書くようになったわね。相手の色を身につけるなんて、婚約者同士でやるような事でしょう?私に言われても・・・私がアバンス団長様の色を・・・ね・・・。想像して切なくなる?一体何の想像をしているのかしら。
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次回
花は好きだろうか?
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