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【ウィルフレッドside】なんて事だ・・・
しおりを挟む彼女がいた・・・陽の光を浴びてキラキラと輝くあの銀の髪が美しかった・・・早く君と話がしたい。この前の礼も言いたいが、君に愛を請いたい・・・
「ウィルフレッド、何を見ていた?」
急になんだ?・・・まさか、殿下は俺がレティシア嬢を見ていた事に気付いたのか!?
「えっ?何を・・・庭をでしょうか?」
「庭・・・な・・・」
怪しんでいるな・・・庭を見ていたと言い張るか・・・
「王都の屋敷と違って、整えられていない自然が残っているのだなと思いまして」
「ふっ、で?さっきのご令嬢はどこの誰だ?」
・・・気付いていたのか・・・まさか・・・殿下は興味を持ってしまったのか・・・
「令嬢・・・ですか?」
「隠すな。さっき見ていただろう?庭にいた彼女を。さしずめ妹といったところか。辺境伯も長女の嫁ぎ先に頭を抱えているのだろうか・・・片方しか紹介しないのもおかしいよな?そうは思わんか?」
別に俺は紹介されずともよかったと思っている。マリーリア嬢が、先程殿下の事を熱のこもった目で見ていた。当主はきっと、殿下とお近づきになりたいマリーリア嬢の意を汲んだのだろう・・・
「はぁ・・・私には当主の考えはわかりません」
「なぁ、ウィルフレッド、私は彼女と話がしてみたい」
なっ・・・頼む。関わらないで頂きたい・・・俺が・・・俺が先に彼女に出会ったというのに・・・
「・・・そうですか」
「直接話してみないとわからないだろう?」
殿下に彼女を会わせたくない。
「わかりました。当主に話をつけておきます」
「当主にではなく、直接呼んで来い。なぜ姉の方にだけ会わせたのか・・・気になるな。案外いい娘かもしれん、あの姉のようなどこにでもいるような媚びへつらうような女より随分楽しそうだ」
ダメだ・・・殿下は完全に彼女に興味を持っている・・・はぁ・・・殿下の言う事にNOとは言えない。彼女はたとえ殿下であろうと渡したくはないというのに・・・殿下に会わせないといけないか?お願いだ・・・殿下に惹かれないでくれ・・・
ーーーーーーーーーーーーーー
次回
全く・・・面倒ですね
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