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探し求めた君
しおりを挟む「辺境伯、この度は世話になる」
「いいえ、何もない所で申し訳ないのですが、辺境の騎士達も殿下や近衛騎士の皆さんにお会いできる事を楽しみにしておりました。励みになります」
辺境伯邸に着いた第一王子ヴィンセントと護衛の近衛騎士達。辺境伯当主との挨拶をかわしていた。
「お父様」
「おぉ、こっちに来なさい」
「はい」
「こちら長女のマリーリアでございます」
「ヴィンセント殿下、お初にお目にかかります、マリーリア・ベルモンドでございます」
「挨拶ありがとう。当主、美しいご令嬢だな」
「ありがとうございます。マリーリアは第二王子であらせられるアルバート殿下と同じ学年でよくしていただきました。この度、領地の視察等は長女のマリーリアが世話をさせて頂きますので、何なりとお申し付けください」
「あぁ、よろしく頼む」
「はい、お力になれますよう、頑張りますわ」
マリーリアはほんのり頬を赤らめてヴィンセントを見つめる。
「殿下、それでは、滞在中に使用頂く別邸にご案内させて頂きます。マリーリア」
「はい、お父様」
マリーリアの案内で、ヴィンセント、ウィルフレッド、近衛騎士達が別邸へと案内される事になった。辺境領は国の攻防の要でもあり、辺境伯の屋敷は要塞と言っても過言ではない程頑丈な作りをしている。辺境伯邸の敷地はとても広大で、本邸の奥に中庭があり、使用人棟や救護棟、騎士の訓練所や宿舎などが建ち並ぶ。その奥に別邸があり、別邸の裏には、人の手があまり加えられていない森や草原がある。辺境伯領は大きな高い壁に囲まれている為、小さな国が存在するような光景である。
到着した別邸、吹き抜けの解放感のあるホールの奥は一面窓になっていた。新緑の中、きらりと光るものが目に入った。
ウィルフレッドが半年もかけて探し、ようやく見つけた令嬢がそこにいた。
向けた視線の先、ヴィンセントはウィルフレッドが何かを見ているのに気付く。そして彼も興味を持ってしまう。
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次回
隠すな
随分楽しそうだ
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