騎士団長様からのラブレター ーそのままの君が好きー

【ウィルフレッドside】ようやく再会できた彼女に

王都を出て5日か・・・この辺境の地に君がいるのか・・・早く会いたい・・・




「うわぁ、白いお馬さん！」




ん？なんだ？どこから声が・・・下か！？危ないだろう！・・・あっ・・・

いた・・・彼女だ・・・いた！！




「飛び出しちゃダメよ、お馬さんがビックリしてしまうわ。乗っている騎士様も危ないのよ？」

「ごめんなさい・・・」

「怪我したわね、ちょっと待って」




君はやはり優しいのだな。そして厳しくもある。そこに惹かれたのだ。気付けば彼女のすぐそばまで来ていた。俺の事を覚えてくれているだろうか？




「あの、もしかして、辺境伯のご令嬢では？」

「えぇ、そうですが。それが何か？」

「あの、お会いしたかった。あなたの名前を伺ってもい・・・」

「私の事を聞く前に怪我人の心配はできないの？あなたが故意にした事でなくても、あなたの白馬がこの子を害するところだったのよ。悪気はないかもしれませんが、ご心配ぐらいなさいませ！」

「それはすまない・・・君、大丈夫だったか？怖い思いをさせたな・・・」



怒られてしまった・・・彼女に怒られるのは二度目だな。でも、なんだろうか・・・怒られるのさえ嬉しく感じられるのは何故だろうか・・・会いたくても会えず、探しても見つからなかった君がすぐそこに、手を伸ばせば届く距離にいる為だろうな。少年に詫びを入れていた為、気付かなかったが、彼女がいない・・・どこに行ったんだ？




「先ほどのご令嬢は・・・」

「辺境伯家のご令嬢、レティシア様です」




レティシア嬢と言うのか・・・名前まで可憐なのだな・・・いつしかその名を呼びたいものだ。




「どちらへ行ったんだろうか？」

「私はもう行くからとだけ告げられてここを後にされました」

「そうか・・・すまない」




もう少しだけ話したかったのだが・・・まぁ、焦らずとも、辺境伯邸に行けば必ず会えるんだ。




「ウィルフレッド、どうした、出るぞ！」

「はい、ただいま！」




早く彼女と会って話がしたい。彼女に愛を請いたい・・・待ち遠しい・・・






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次回

当主、美しい娘さんだな