騎士団長様からのラブレター ーそのままの君が好きー

agapē【アガペー】

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部下との会話

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話をしてた騎士がさらに質問をなげかける。


「どうして探しているんですか?」

「あ、あぁ・・・半年前の夜会で急病人がいてな、応急処置で手を貸してくれたのだ。礼を言わないままでな・・・きちんと礼を言いたくて」

「えっ?それだけの理由でこれほどまでに躍起になって探しているんですか?執着しすぎでしょう・・・」

「・・・しかし・・・」

「どうやって探しているんです?」

「あぁ、とりあえず家格の高い家から順に、確実にわかっている令嬢を除いて、聞き取りや実際に見に行っている。今は男爵家まで殆どが確認済みだ」

「だとしたら、あとは確認ができていない家のご令嬢だという事ですね・・・」

「男爵家以外はもう確認は済んでいる。あと数軒程度しか残っていない。幻だっかのか・・・自分の思い違いかもしれないな・・・」

「そうですか・・・王都以外で領地にいるご令嬢っていう可能性はないんですか?」

「それも、王都にタウンハウスを構えている家の使用人などに確認を済ませている」

「そうなんですね」


いろいろ考えてはみるが、八方塞がりだった。


「何歳くらいなんです?」

「初めて見たご令嬢だった。デビュタントしたてで15、16歳位だと思うんだが」

「・・・年齢が違ったとしても、見た目の条件もある・・・あとは・・・滅多に夜会に参加しないご令嬢とかでしょうか?」

「滅多に参加しない・・・」

「例えば・・・貴族令嬢ではあるが騎士であるとか、婚姻をしていて身籠もっているとか、もしくは・・・辺境などの遠隔地のご令嬢だとかでしょうかね」

「辺・・・境・・・」

「辺境伯のご令嬢だったら、滅多に王都に出てこない可能性もありますよね?」

「すっかり失念していた。公爵家、侯爵家、伯爵家、子爵家、男爵家と探していた。辺境伯が完全に抜け落ちていた」

「よかったじゃないですか!望みが増えましたね」

「あぁ・・・しかし、どうやって調べるか・・・」

「あぁ!団長、適任なのがいますよ。ちょっと待っててくださいね」

「適任?」


部下の騎士は人を呼びに行った。連れてきた騎士は出身地が辺境領の者だった。




ーーーーーーーーーーーーーーー


次回

ポンコツなんですか?



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