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エキストラ・ストーリィズ
#Ex.05 手形
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アリサが逃げ込んだのは山肌にひっそりと穿たれ悠久の時を過ごしていた洞窟だった。入り口は半ば雪で閉ざされ視界不良だったために見つけられたのは奇跡と言えた。自分以外にもこの季節に遠出して雪にまかれ命を落としかけた愚か者が洞窟に逃げ込んだのを再生機で発見できたのだ。
悪態をつく気力さえなくアリサは最後の力を振り絞って歩を進めた。足元の悪い洞窟をほとんど転げ落ちるようにして降る。散弾槍は担ぐというよりも引きずるような格好になっていた。防犯のため二輪車から取り外した真紅の魔鉱石は吐き気がするほどの重さだったが判断そのものは正解だった。少なくともこれを転用すれば一夜をやり過ごせるだけの暖をとることはできる。
やがて平坦な岩場にどうにか辿り着くと地面に身体を投げ出し大の字になって浅い呼吸を繰り返した。豊かな金髪が岩肌を流れる濁流のようにでたらめな方向に広がった。髪は手入れする暇もなく脂で汚れており枝毛だらけだった。虱の這いずり回る音が今にも聞こえそうだった。
岩肌の冷気が身体を芯まで冷やし目の焦点が定まらなくなってきた。よろよろと身を起こすとアリサは次の手順をまるで術式のように繰り返し呟きながら火を起こす準備を整えた。長い時間、――あまりに長い時のあいだ赤々と燃える魔鉱石に手をかざしながら押し黙って呼吸を整えていた。それから取っ手のついた鍋に簡単なスープをこしらえた。調味料は塩だけであり具材は腐りかけの根菜としなびた葉野菜、そして脂肪のかけらと魚の頭と尾だった。出来上がった水っぽいスープを晩酌でもするかのようにちびちびと飲んだ。カップを宝物のように両手で包んで湯気の最後のひと雫までも吸い込もうとするかのように鼻を近づけていた。吹雪の荒ぶごうごうという音は洞窟の奥にまで木霊をしたたらせて少女の耳を灼いていた。
やがて身体が温まりひと心地がつくと襲ってきたのは猛烈なかゆみだった。手足の末端は霜焼けを起こしており父親が褒めてくれた黄金色の豊かな髪やスカベンジャーの外套は今や寄生虫の聖地となっていた。人差し指を噛んでかゆみをごまかしたが一時しのぎにしかならない。汚れた爪で頭皮や身体を掻きむしりたいという衝動に必死に抗った。
アリサはくず鉄拾いの紅い外套を脱ぐとそれを洞窟の入り口に吹き溜まっている雪の中に埋めた。そのとき外套の一部、――首周りの部分だけを外気に露出させておいた。続いて奥に戻ると小さなフライパンを取り出し魔鉱石の焔で充分に熱した。そして手鏡を覗きながら髪に巣くった虱をピンセットでつまみフライパンの奈落の底に放り込んだ。ぷつっという微かな音とともに寄生虫は動きを止める。それを何度も繰り返す。アリサは無言で虐殺を続けた。飽きることなく熱心に。フライパンなど使わずそのまま火の中に放り込めばいいのだがアリサはそうしなかった。炭と化した虱の死骸の山をじっと見つめていた。空色の瞳は焔に照らされて夕焼けの色だった。
頭髪をある程度マシな状態にすると外套を取りに戻った。雪から露出させた部分には各地域から避難してきた虱でうじゃうじゃしていた。アリサはそれらを無表情でピンセットでつまみ瓶の中に入れていった。一部は塊をなしていたため指でつまめるほどだった。そして洞窟の奥に戻ると瓶の中身をまとめてフライパン地獄に叩き落として神の審判を受けさせた。快晴の折りに干した布団にも似た臭気が立ち昇ってきた。
□
虱退治を終えるとアリサはサイドアームの拳銃をホルスターから抜き弾倉を取り出した。薬室に弾が装填されていないこと。そして安全装置もかかっていることを確認した。アリサはおもむろに拳銃を逆向きに持つと銃口を唇でくわえた。引き金に指がかかっていた。セーフティが機能していることをもう一度視認する。そして指先に力を込めて本来なら撃針が仕事を果たすのに充分な感触を得る。わずかに呼吸が荒くなる。周りの音が遠ざかる。しばらくしてアリサは口から得物を抜いた。銃身に付着した唾液を布で拭うと弾倉を入れ直しホルスターに戻した。外套の襟をきつく締めフードを被って灯のそばに寝転んだ。目を閉じて深呼吸する。木霊する吹雪の叫びを聴く。魔鉱石は目蓋の裏で温かみを届けてくれている。やがて少女は寝息を立て始める。
□
翌朝には吹雪は止んでいた。目を覚ましたアリサは術式で火の勢いを強めると昨夜のスープの残りを温め直した。そして上着の内ポケットに入れておいた黒パンも取り出した。体温のおかげで貴重な主食の凍結はなんとか避けられた。少なくともそれ以上硬くなる事態は避けられたわけだ。
亀のような歩みで食事を続けながらもようやく周囲を見渡す余裕ができていた。光の届きにくい洞窟の奥だが今朝は晴れており陽の角度も手伝って壁や天井をぼんやりと視認することができた。
背後の壁面を見たときアリサは食事の手を止めた。肩がびくっと跳ねて危うくカップを取り落としそうになった。昨夜に自殺の練習をしたときよりもずっと心臓はうるさく高鳴った。深呼吸して瞬きを繰り返しホルスターに伸びた手を引っ込める。そして改めて壁面を見つめる。
壁の一面にびっしりと無数の手形が描かれていた。
最初は魔鉱兵器の熱線によって多数の人びとの影や体液が焼きつけられたのかと思った。そのような連想をしたのは旅を続けているなかで実際に目にしたことがあったからだ。石畳にくっきりと遺された人型の黒い影。だがいくら魔鉱兵器でも洞窟の奥にまでその熱は届かない。
アリサはカップを置いて立ち上がり壁に近づいて仔細に観察した。それぞれの手は輪郭に沿って塗料か何かを噴きつけ浮かび上がらせることで描かれていた。手形が樹木の枝葉のように広がって洞窟の天井まで伸びているさまはそれ自体が一個の生命であるかのようだった。塗料の色は赤や黒、橙、紫などだ。描かれたばかりのころは鮮やかな黄色もあったのかもしれない。アリサは手を伸ばして手形のひとつと重ねようとして引っこめた。そのまま引きずりこまれて自分もまた壁に噴きつけられたアートの一部になりそうな気がしたのだ。
ふと思い出して腰のポーチから再生機を取り出し術式を唱えた。そしてダイヤルを回していった。だが機器の限界まで遡ってみてもその絵の制作風景は浮かび上がってこなかった。不動のまま完全に沈黙しており訴えかけてくることはない。魔鉱石が採掘され古来の術式が再発見されるよりもずっと以前、……ひょっとしたら数千年も前の作品なのかもしれなかった。
アリサより以前に洞窟に逃げ込んだ人物の姿なら映し出すことができた。戦争が始まって間もない時期だ。その人物は食糧や水を使い果たすまで洞窟内に留まっていた。時おり携帯ラジオを持って外に出て行った。それ以外は来る日も来る日も魅入られたように壁画を見つめていた。外で世界がまさに滅びようとしていることなどおかまいなしに。いよいよ食糧が尽きるとその人は荷物をまとめた。そして壁画の隅に自らの左手をそっと置き携帯していた車両塗装用のスプレーを噴きかけた。作業を終えると一歩下がった。手形の樹木に新たに加えられた若葉の一枚が周りのものと同化していくさまを見守っていた。その人物も、――あるいは太古の時代にこの洞窟で暮らしていた人びとも考えていたことは同じだったのかもしれない。自分達は確かにここにいたと。
やがてその人は荷物を背負うと名残惜し気に洞窟を去った。地平線の彼方で空が真っ赤に染まり至るところから黒煙の上がっている世界へと戻っていった。
□
アリサはそれから二、三日は洞窟にいた。外はすっかり晴れていたが全身の節々が痛み熱を出していた。乏しいスープと粗末な黒パン、貴重なビタミン剤を頼りに生き延びた。外套にくるまって休んでいるあいだ今後のことを考えていた。これからは絶対無茶をせず地道に稼いでいくことにしようと自分に何度も云い聞かせた。
目が覚めているときも夜に眠るときも眼前に黙して立ち尽くしている壁画の存在を感じていた。体調が快復するとすぐに荷をまとめた。天気がまた崩れてしまう前に逃げ帰らねばならない。洞窟を出る前に手形のひとつに自らの手を重ねてみた。もちろん吸い込まれることはなかった。当時生きていた人の体温が伝わってくることもない。それでも想像の中でその存在を感じることは自由のはずだった。長い時間、目を閉じていた。それから深呼吸をひとつ入れるとアリサは涸れ果てた荒野へと還っていった。
結局、――アリサはその洞窟に自らの手形を遺すことはしなかった。
だがそのとき以来、自殺の練習という代替行為の習慣は止めている。
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ご読了に心から感謝いたします。
アリサさんが独りの時期を書きたくなりました。
悪態をつく気力さえなくアリサは最後の力を振り絞って歩を進めた。足元の悪い洞窟をほとんど転げ落ちるようにして降る。散弾槍は担ぐというよりも引きずるような格好になっていた。防犯のため二輪車から取り外した真紅の魔鉱石は吐き気がするほどの重さだったが判断そのものは正解だった。少なくともこれを転用すれば一夜をやり過ごせるだけの暖をとることはできる。
やがて平坦な岩場にどうにか辿り着くと地面に身体を投げ出し大の字になって浅い呼吸を繰り返した。豊かな金髪が岩肌を流れる濁流のようにでたらめな方向に広がった。髪は手入れする暇もなく脂で汚れており枝毛だらけだった。虱の這いずり回る音が今にも聞こえそうだった。
岩肌の冷気が身体を芯まで冷やし目の焦点が定まらなくなってきた。よろよろと身を起こすとアリサは次の手順をまるで術式のように繰り返し呟きながら火を起こす準備を整えた。長い時間、――あまりに長い時のあいだ赤々と燃える魔鉱石に手をかざしながら押し黙って呼吸を整えていた。それから取っ手のついた鍋に簡単なスープをこしらえた。調味料は塩だけであり具材は腐りかけの根菜としなびた葉野菜、そして脂肪のかけらと魚の頭と尾だった。出来上がった水っぽいスープを晩酌でもするかのようにちびちびと飲んだ。カップを宝物のように両手で包んで湯気の最後のひと雫までも吸い込もうとするかのように鼻を近づけていた。吹雪の荒ぶごうごうという音は洞窟の奥にまで木霊をしたたらせて少女の耳を灼いていた。
やがて身体が温まりひと心地がつくと襲ってきたのは猛烈なかゆみだった。手足の末端は霜焼けを起こしており父親が褒めてくれた黄金色の豊かな髪やスカベンジャーの外套は今や寄生虫の聖地となっていた。人差し指を噛んでかゆみをごまかしたが一時しのぎにしかならない。汚れた爪で頭皮や身体を掻きむしりたいという衝動に必死に抗った。
アリサはくず鉄拾いの紅い外套を脱ぐとそれを洞窟の入り口に吹き溜まっている雪の中に埋めた。そのとき外套の一部、――首周りの部分だけを外気に露出させておいた。続いて奥に戻ると小さなフライパンを取り出し魔鉱石の焔で充分に熱した。そして手鏡を覗きながら髪に巣くった虱をピンセットでつまみフライパンの奈落の底に放り込んだ。ぷつっという微かな音とともに寄生虫は動きを止める。それを何度も繰り返す。アリサは無言で虐殺を続けた。飽きることなく熱心に。フライパンなど使わずそのまま火の中に放り込めばいいのだがアリサはそうしなかった。炭と化した虱の死骸の山をじっと見つめていた。空色の瞳は焔に照らされて夕焼けの色だった。
頭髪をある程度マシな状態にすると外套を取りに戻った。雪から露出させた部分には各地域から避難してきた虱でうじゃうじゃしていた。アリサはそれらを無表情でピンセットでつまみ瓶の中に入れていった。一部は塊をなしていたため指でつまめるほどだった。そして洞窟の奥に戻ると瓶の中身をまとめてフライパン地獄に叩き落として神の審判を受けさせた。快晴の折りに干した布団にも似た臭気が立ち昇ってきた。
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虱退治を終えるとアリサはサイドアームの拳銃をホルスターから抜き弾倉を取り出した。薬室に弾が装填されていないこと。そして安全装置もかかっていることを確認した。アリサはおもむろに拳銃を逆向きに持つと銃口を唇でくわえた。引き金に指がかかっていた。セーフティが機能していることをもう一度視認する。そして指先に力を込めて本来なら撃針が仕事を果たすのに充分な感触を得る。わずかに呼吸が荒くなる。周りの音が遠ざかる。しばらくしてアリサは口から得物を抜いた。銃身に付着した唾液を布で拭うと弾倉を入れ直しホルスターに戻した。外套の襟をきつく締めフードを被って灯のそばに寝転んだ。目を閉じて深呼吸する。木霊する吹雪の叫びを聴く。魔鉱石は目蓋の裏で温かみを届けてくれている。やがて少女は寝息を立て始める。
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翌朝には吹雪は止んでいた。目を覚ましたアリサは術式で火の勢いを強めると昨夜のスープの残りを温め直した。そして上着の内ポケットに入れておいた黒パンも取り出した。体温のおかげで貴重な主食の凍結はなんとか避けられた。少なくともそれ以上硬くなる事態は避けられたわけだ。
亀のような歩みで食事を続けながらもようやく周囲を見渡す余裕ができていた。光の届きにくい洞窟の奥だが今朝は晴れており陽の角度も手伝って壁や天井をぼんやりと視認することができた。
背後の壁面を見たときアリサは食事の手を止めた。肩がびくっと跳ねて危うくカップを取り落としそうになった。昨夜に自殺の練習をしたときよりもずっと心臓はうるさく高鳴った。深呼吸して瞬きを繰り返しホルスターに伸びた手を引っ込める。そして改めて壁面を見つめる。
壁の一面にびっしりと無数の手形が描かれていた。
最初は魔鉱兵器の熱線によって多数の人びとの影や体液が焼きつけられたのかと思った。そのような連想をしたのは旅を続けているなかで実際に目にしたことがあったからだ。石畳にくっきりと遺された人型の黒い影。だがいくら魔鉱兵器でも洞窟の奥にまでその熱は届かない。
アリサはカップを置いて立ち上がり壁に近づいて仔細に観察した。それぞれの手は輪郭に沿って塗料か何かを噴きつけ浮かび上がらせることで描かれていた。手形が樹木の枝葉のように広がって洞窟の天井まで伸びているさまはそれ自体が一個の生命であるかのようだった。塗料の色は赤や黒、橙、紫などだ。描かれたばかりのころは鮮やかな黄色もあったのかもしれない。アリサは手を伸ばして手形のひとつと重ねようとして引っこめた。そのまま引きずりこまれて自分もまた壁に噴きつけられたアートの一部になりそうな気がしたのだ。
ふと思い出して腰のポーチから再生機を取り出し術式を唱えた。そしてダイヤルを回していった。だが機器の限界まで遡ってみてもその絵の制作風景は浮かび上がってこなかった。不動のまま完全に沈黙しており訴えかけてくることはない。魔鉱石が採掘され古来の術式が再発見されるよりもずっと以前、……ひょっとしたら数千年も前の作品なのかもしれなかった。
アリサより以前に洞窟に逃げ込んだ人物の姿なら映し出すことができた。戦争が始まって間もない時期だ。その人物は食糧や水を使い果たすまで洞窟内に留まっていた。時おり携帯ラジオを持って外に出て行った。それ以外は来る日も来る日も魅入られたように壁画を見つめていた。外で世界がまさに滅びようとしていることなどおかまいなしに。いよいよ食糧が尽きるとその人は荷物をまとめた。そして壁画の隅に自らの左手をそっと置き携帯していた車両塗装用のスプレーを噴きかけた。作業を終えると一歩下がった。手形の樹木に新たに加えられた若葉の一枚が周りのものと同化していくさまを見守っていた。その人物も、――あるいは太古の時代にこの洞窟で暮らしていた人びとも考えていたことは同じだったのかもしれない。自分達は確かにここにいたと。
やがてその人は荷物を背負うと名残惜し気に洞窟を去った。地平線の彼方で空が真っ赤に染まり至るところから黒煙の上がっている世界へと戻っていった。
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アリサはそれから二、三日は洞窟にいた。外はすっかり晴れていたが全身の節々が痛み熱を出していた。乏しいスープと粗末な黒パン、貴重なビタミン剤を頼りに生き延びた。外套にくるまって休んでいるあいだ今後のことを考えていた。これからは絶対無茶をせず地道に稼いでいくことにしようと自分に何度も云い聞かせた。
目が覚めているときも夜に眠るときも眼前に黙して立ち尽くしている壁画の存在を感じていた。体調が快復するとすぐに荷をまとめた。天気がまた崩れてしまう前に逃げ帰らねばならない。洞窟を出る前に手形のひとつに自らの手を重ねてみた。もちろん吸い込まれることはなかった。当時生きていた人の体温が伝わってくることもない。それでも想像の中でその存在を感じることは自由のはずだった。長い時間、目を閉じていた。それから深呼吸をひとつ入れるとアリサは涸れ果てた荒野へと還っていった。
結局、――アリサはその洞窟に自らの手形を遺すことはしなかった。
だがそのとき以来、自殺の練習という代替行為の習慣は止めている。
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