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禿鷲の組合
#30 タリスマン (4)
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かけたまえ。とモーレイ氏は開口一番そう云った。こんな寂れた郊外までよく来てくれた。
アリサは鼻で笑った。まるで賑やかで活気に満ちた場所がこの星のどこかにまだ残っているかのような口ぶりですね。
そう云うな。――煙草はどうだね?
頂きます。
アリサは椅子に腰かけた。私はその斜め後ろに立って待機した。モーレイ氏は打ち出し細工の銀製の煙草ケースから一本抜き取るとアリサに差しだした。彼女が受け取ろうと指を伸ばしたところで咎めるように口を開く。
――云っておくが吸い終えたらきちんと灰皿で火を消してほしい。間違っても靴底やテーブルの裏側でこすり消すなんて行儀の悪いことはしてほしくないんだ。
されたことがあるんですか?
以前にな。モーレイ氏は神妙に頷いた。あるスカベンジャーときたら待合室に置かれていた花瓶の中に灰をしこたま落としていった。奴のお粗末な脳みそにとっては瓶状の容器はすべて痰壺同然の価値しかないらしい。おかげで貴重な紅蓮仙が台無しになった。秒で叩きだしてやったよ。
花は贅沢品ですからね。このご時世。
まったくだ。
アリサが煙草を吸っているあいだ私はモーレイのことをじっと見ていた。飾り気のない恵まれた体格の男で大理石のように硬くて乾いた黒髪を短く刈りこんでいた。褐色の肌までごわごわとしていて半ば干からびている。若い時分は事あるごとに外に出て全天候型の仕事ぶりを発揮していたのかもしれない。そのきびきびとした動作の名残りから元・軍人の可能性もある。だが確信は持てない。今の時代を生き残っている人間は男も女もある程度は軍隊的な所作を身に着けているものだ。それができないノロマはそもそも破滅の時代を生き残ることができなかった。特にラジオのことを未だにワイヤレスと呼ぶような世代は。
悪くない煙草だろう。とモーレイ氏は確認を求めるように顎を引いた。こうした代物を吸えるようになるまでに相応の時間が掛かった。ここリド・ヴァレーのような郊外住宅地に居を構えるにも金がいる。それも汚い種類の金じゃ駄目だ。世間の耳目を集めん程度にクリーンである必要がある。少なくとも見せかけ上はね。くず鉄拾いの組合と契約を結んだのもそうした見せかけは綺麗な金を稼ぐためだった。
存じてますよ。そうしてあなたはのし上がった。
アリサは吸い終えた煙草を用意された灰皿で丁寧に消した。灰皿はガラス製で花の意匠がふんだんにあしらわれている。憎い奴の頭を思い切り殴りつけるにはちょうど好い大きさだった。
あなたは誰も殺さなかったし誰からも奪わなかった。そこらのゴロツキに出来るようなことじゃない。たとえ取引相手の組合に所属するスカベンジャーが現地で何人虐殺していようがあなたには関係ない。持ちこまれた品を適切な手順かつ適正な価格でさばくだけだ。一点の曇りもなく綺麗なものです。――で、用件は何ですか。
モーレイ氏はアリサの物云いにも動じなかった。ほとんど関心を払っていないように見えた。アリサが話しているあいだ彼がやったことと云えば煙草ケースを持っている自分の指を熱心に見つめることくらいだ。
その時リシュカが部屋に入ってきて珈琲を給仕した。客人のアリサ、そして主人のモーレイの順番で。後ろに立っている私でさえ珈琲の香りは鼻腔をくすぐってくる。混ぜ物もないようだ。上質な豆のようだった。これもまたモーレイ氏が述べるところの“クリーンな金”で手に入れた逸品なのだろう。
アリサが珈琲を指さして云った。
――ミルクはないの?
モーレイ様のご意向によりご提供できるのはブラックのみです。
そう……。
リシュカの返事にアリサは残念そうに軽く頬を膨らませた。
◇
モーレイ氏はテーブルの上に乗せた指を組み合わせて語った。彼がお上品に着こなしているスーツの肩にはパッドが入っていない。樹齢千年の古木を思わせるようながっしりとした体躯はそんなものを必要としないのだ。リシュカと同じくスーツは喪服のように黒かった。顔に刻まれた絶望的なまでに深いしわから齢五十を超えていそうだが白髪は一本も見当たらない。そのおかげで老けているのか年齢の割に若いのか見分けがつきづらく油断ならない印象を受けた。実際に油断ならない奴であるのは会談が始まってからアリサが一度たりとも彼から目を離していないことからも窺えた。私がこれまで出逢ったどのスカベンジャーよりもよほど猛禽類に似ている。誰も手の届かない遥か上空で旋回し。宵闇を切り裂く眼光はあくまで鋭く。――そして狙った獲物は決して逃がさない。
……君に知ってもらいたいのはね。とモーレイ氏。私は戦前の時代から電話一本で大金を動かせるような類の人間ではなかったということだ。とんでもない。ちんけな街で生まれ育ったちんけな男だった。俗な言葉を使うならはんちく野郎だったってことだ。――ところが戦争と飢餓と疫病が同時に襲ってきて何もかもがスタート・ラインまで巻き戻された。別にそれをチャンスだと思っちゃいなかったよ。生き延びるために必死だったのは君の親世代と同じさ。だが私は他の人間よりも多少は要領が好かった。それだけでなくタフだった。必要に応じて残忍にもなれた。自分の居場所を確保するために躍起になっているうちに今のような一軒家を持てるようになったというそれだけの話だ。私の願いはこのささやかなマイホームで余生を過ごすこと。それだけなんだよ。――煙草、もう一本どうだね?
……ええ。頂きます。
それで本題だ。君にはずいぶん助けてもらっているが同時に多くの貸しもある。――そうだね?
ええ。その節は本当にお世話になりました。あなたがいなかったら私はとっくの昔に餓死していたことでしょう。さもなくば無法者どものディナーのメイン・ディッシュになっていたか。……父が亡くなってからスカベンジャーとして独り立ちするまでにはどうしてもそれ相応の期間とそれ相応の金銭が必要でしたから。
それと安全な棲み処もな。
ええそうですね。――それで今回はどんな頼み事ですか。
これを指定した取引場所まで運んでほしい。
モーレイが顎で合図するとリシュカが給仕用のカートを転がしてきた。カートの上には何の変哲もない紺色のダッフルバッグが載っていた。チャックはこれ以上ないくらいにきっちりと締められていて何が入っているのかは分からない。だがバッグの形状が変わるくらいには中が詰まっていることは確かだ。
アリサはダッフルバッグをじっと見つめてから家の主である商人に顔を戻した。
――これは何です?
あまり表立っては売れないものだ。組合の裏ルートを通して私がさばくことになった。
要するに禁制品ですね。それも公衆トイレ辺りに落っことしでもしたらかなりヤバいことになりそうな類の。
理解が早くて助かるよ。
取引は当然そいつがやってくれるんですよね。いつも通りに。
当然だ。交渉はリシュカがする。君は道中の護衛をしてくれるだけでいい。報酬もいつもと同じだ。
もう一つ大事なことを聞かせてください。これは組合を通しているんですよね。いくらあなたが依頼人でも直接契約はまずいです。
そう云うと思って書類はきちんと準備しているよ。ほら。
アリサは渡された書類の文面を穴が空くほど注意ぶかく読んでいた。文書を握る指先に力がこもっていて本当に穴を空けてしまいそうだった。書類を返却すると椅子の背もたれに身を預けて小さな溜め息をついた。
…………結構です。今回もお世話になります。
無事に帰ってきてくれよ。命あっての物種だ。――本当なら君の父上のお墓参りをしたいと思っているんだ。彼にもまた随分と助けてもらったからな。だが風葬が原則である以上はそれも叶わん願いだ。君に禿鷲の翼の導きがあらんことを。
古風な挨拶ですね。相変わらず。そんな文句を今でも使ってるのはあなたくらいだ。
モーレイ氏は哀しげに首を振った。少なくとも哀しげなふりをしていた。
……昔はスカベンジャーという職業にも嫌悪以外の感情が向けられていた時分があった。畏怖というべきかな。戦前ならば神様や精霊の類に捧げられていたような想いの発露だ。信じられんかもしれんが。そうした時代には今のような古風な言葉にもそれなりに雅な響きが宿っていたものだよ。――ところが今や組合は金の亡者の集まりと見なされて久しい。私のような組合と取引する商売人も然りだ。私が必要としているのはいつだって最低限かつ最小限であるというのに。
その“最小限”すら享受できない人間がほとんどだからじゃないですか。今の世の中は。
かもしれん。
モーレイ氏は微かに頷いた。
アリサは鼻で笑った。まるで賑やかで活気に満ちた場所がこの星のどこかにまだ残っているかのような口ぶりですね。
そう云うな。――煙草はどうだね?
頂きます。
アリサは椅子に腰かけた。私はその斜め後ろに立って待機した。モーレイ氏は打ち出し細工の銀製の煙草ケースから一本抜き取るとアリサに差しだした。彼女が受け取ろうと指を伸ばしたところで咎めるように口を開く。
――云っておくが吸い終えたらきちんと灰皿で火を消してほしい。間違っても靴底やテーブルの裏側でこすり消すなんて行儀の悪いことはしてほしくないんだ。
されたことがあるんですか?
以前にな。モーレイ氏は神妙に頷いた。あるスカベンジャーときたら待合室に置かれていた花瓶の中に灰をしこたま落としていった。奴のお粗末な脳みそにとっては瓶状の容器はすべて痰壺同然の価値しかないらしい。おかげで貴重な紅蓮仙が台無しになった。秒で叩きだしてやったよ。
花は贅沢品ですからね。このご時世。
まったくだ。
アリサが煙草を吸っているあいだ私はモーレイのことをじっと見ていた。飾り気のない恵まれた体格の男で大理石のように硬くて乾いた黒髪を短く刈りこんでいた。褐色の肌までごわごわとしていて半ば干からびている。若い時分は事あるごとに外に出て全天候型の仕事ぶりを発揮していたのかもしれない。そのきびきびとした動作の名残りから元・軍人の可能性もある。だが確信は持てない。今の時代を生き残っている人間は男も女もある程度は軍隊的な所作を身に着けているものだ。それができないノロマはそもそも破滅の時代を生き残ることができなかった。特にラジオのことを未だにワイヤレスと呼ぶような世代は。
悪くない煙草だろう。とモーレイ氏は確認を求めるように顎を引いた。こうした代物を吸えるようになるまでに相応の時間が掛かった。ここリド・ヴァレーのような郊外住宅地に居を構えるにも金がいる。それも汚い種類の金じゃ駄目だ。世間の耳目を集めん程度にクリーンである必要がある。少なくとも見せかけ上はね。くず鉄拾いの組合と契約を結んだのもそうした見せかけは綺麗な金を稼ぐためだった。
存じてますよ。そうしてあなたはのし上がった。
アリサは吸い終えた煙草を用意された灰皿で丁寧に消した。灰皿はガラス製で花の意匠がふんだんにあしらわれている。憎い奴の頭を思い切り殴りつけるにはちょうど好い大きさだった。
あなたは誰も殺さなかったし誰からも奪わなかった。そこらのゴロツキに出来るようなことじゃない。たとえ取引相手の組合に所属するスカベンジャーが現地で何人虐殺していようがあなたには関係ない。持ちこまれた品を適切な手順かつ適正な価格でさばくだけだ。一点の曇りもなく綺麗なものです。――で、用件は何ですか。
モーレイ氏はアリサの物云いにも動じなかった。ほとんど関心を払っていないように見えた。アリサが話しているあいだ彼がやったことと云えば煙草ケースを持っている自分の指を熱心に見つめることくらいだ。
その時リシュカが部屋に入ってきて珈琲を給仕した。客人のアリサ、そして主人のモーレイの順番で。後ろに立っている私でさえ珈琲の香りは鼻腔をくすぐってくる。混ぜ物もないようだ。上質な豆のようだった。これもまたモーレイ氏が述べるところの“クリーンな金”で手に入れた逸品なのだろう。
アリサが珈琲を指さして云った。
――ミルクはないの?
モーレイ様のご意向によりご提供できるのはブラックのみです。
そう……。
リシュカの返事にアリサは残念そうに軽く頬を膨らませた。
◇
モーレイ氏はテーブルの上に乗せた指を組み合わせて語った。彼がお上品に着こなしているスーツの肩にはパッドが入っていない。樹齢千年の古木を思わせるようながっしりとした体躯はそんなものを必要としないのだ。リシュカと同じくスーツは喪服のように黒かった。顔に刻まれた絶望的なまでに深いしわから齢五十を超えていそうだが白髪は一本も見当たらない。そのおかげで老けているのか年齢の割に若いのか見分けがつきづらく油断ならない印象を受けた。実際に油断ならない奴であるのは会談が始まってからアリサが一度たりとも彼から目を離していないことからも窺えた。私がこれまで出逢ったどのスカベンジャーよりもよほど猛禽類に似ている。誰も手の届かない遥か上空で旋回し。宵闇を切り裂く眼光はあくまで鋭く。――そして狙った獲物は決して逃がさない。
……君に知ってもらいたいのはね。とモーレイ氏。私は戦前の時代から電話一本で大金を動かせるような類の人間ではなかったということだ。とんでもない。ちんけな街で生まれ育ったちんけな男だった。俗な言葉を使うならはんちく野郎だったってことだ。――ところが戦争と飢餓と疫病が同時に襲ってきて何もかもがスタート・ラインまで巻き戻された。別にそれをチャンスだと思っちゃいなかったよ。生き延びるために必死だったのは君の親世代と同じさ。だが私は他の人間よりも多少は要領が好かった。それだけでなくタフだった。必要に応じて残忍にもなれた。自分の居場所を確保するために躍起になっているうちに今のような一軒家を持てるようになったというそれだけの話だ。私の願いはこのささやかなマイホームで余生を過ごすこと。それだけなんだよ。――煙草、もう一本どうだね?
……ええ。頂きます。
それで本題だ。君にはずいぶん助けてもらっているが同時に多くの貸しもある。――そうだね?
ええ。その節は本当にお世話になりました。あなたがいなかったら私はとっくの昔に餓死していたことでしょう。さもなくば無法者どものディナーのメイン・ディッシュになっていたか。……父が亡くなってからスカベンジャーとして独り立ちするまでにはどうしてもそれ相応の期間とそれ相応の金銭が必要でしたから。
それと安全な棲み処もな。
ええそうですね。――それで今回はどんな頼み事ですか。
これを指定した取引場所まで運んでほしい。
モーレイが顎で合図するとリシュカが給仕用のカートを転がしてきた。カートの上には何の変哲もない紺色のダッフルバッグが載っていた。チャックはこれ以上ないくらいにきっちりと締められていて何が入っているのかは分からない。だがバッグの形状が変わるくらいには中が詰まっていることは確かだ。
アリサはダッフルバッグをじっと見つめてから家の主である商人に顔を戻した。
――これは何です?
あまり表立っては売れないものだ。組合の裏ルートを通して私がさばくことになった。
要するに禁制品ですね。それも公衆トイレ辺りに落っことしでもしたらかなりヤバいことになりそうな類の。
理解が早くて助かるよ。
取引は当然そいつがやってくれるんですよね。いつも通りに。
当然だ。交渉はリシュカがする。君は道中の護衛をしてくれるだけでいい。報酬もいつもと同じだ。
もう一つ大事なことを聞かせてください。これは組合を通しているんですよね。いくらあなたが依頼人でも直接契約はまずいです。
そう云うと思って書類はきちんと準備しているよ。ほら。
アリサは渡された書類の文面を穴が空くほど注意ぶかく読んでいた。文書を握る指先に力がこもっていて本当に穴を空けてしまいそうだった。書類を返却すると椅子の背もたれに身を預けて小さな溜め息をついた。
…………結構です。今回もお世話になります。
無事に帰ってきてくれよ。命あっての物種だ。――本当なら君の父上のお墓参りをしたいと思っているんだ。彼にもまた随分と助けてもらったからな。だが風葬が原則である以上はそれも叶わん願いだ。君に禿鷲の翼の導きがあらんことを。
古風な挨拶ですね。相変わらず。そんな文句を今でも使ってるのはあなたくらいだ。
モーレイ氏は哀しげに首を振った。少なくとも哀しげなふりをしていた。
……昔はスカベンジャーという職業にも嫌悪以外の感情が向けられていた時分があった。畏怖というべきかな。戦前ならば神様や精霊の類に捧げられていたような想いの発露だ。信じられんかもしれんが。そうした時代には今のような古風な言葉にもそれなりに雅な響きが宿っていたものだよ。――ところが今や組合は金の亡者の集まりと見なされて久しい。私のような組合と取引する商売人も然りだ。私が必要としているのはいつだって最低限かつ最小限であるというのに。
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