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禿鷲の組合
#25 枷 (6)
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……何とも奇想天外な話だね。
“教授”と呼ばれる男は呟いた。教授と云っても博士号を持っているわけではなくアカデミックな権威を感じさせる服装をしているわけでもない。この時代で本を好んで読んでいるような人間は希少なために自然とそう呼ばれるようになっていたのだ、と彼は以前にレイノルズに語ったことがある。
あのあと俺は――、とレノルズ。本棚をいくつか蹴り倒して即席のバリケードにしました。
奴らは一階の床を喰い破って出てきた。床のあちこちに穴が空いてその奥から連中の青白い腕がぬっと生えてきた。あんな光景はそうそう忘れられるもんじゃないとレノは語った。教授は青年の話をふんふんと興味深げに聞きながら“学校”に集った子供達を眺めていた。子供達もまた同じようにレノの話を目を輝かせながら聞いていた。
学校は戦前に使われていた大型バスを改装したものだった。街の路上に放置されていたものに塗装を施し中を掃除してピカピカにした。そしてセントラーダ養護学校と称する横断幕を掲げてあちこちにビラを貼りだしたのだ。
特別な事情で普通の教育を受けられない子供達がいるんだ、と教授。この街は比較的裕福だからまだマシだ。貧困に喘いでいる領邦の中には障害を持って生まれたが最期、――命を全うする機会さえ与えられないまま葬られる子供が今も沢山いる。
初めて会ったとき教授が始めたのがそんな話だった。白いものが混じった顎鬚を指でつまむのが彼の癖だ。机に置かれた珈琲を音を立てずにすする様は今の時代にはない上品さだった。その珈琲はペーパードリップで蒸らされた味わい深い一品でレノが普段飲んでいるものとはまるで舌触りが違った。彼が今まで飲んできたのは布袋に挽いた豆を入れて鍋で煮出されたものやもっとシンプルに直接煮て上澄みを濾したものだったからだ。
レイノルズは珈琲が入ったカップを両手で握りながら答えた。……それはしょうがないでしょう。社会基盤が整っていた時代ならともかく。今はそうした“神様に愛された子供”を育てる余裕がある人間なんかほとんどいません。――ずっと前に俺は旱魃に襲われた領邦の集落でもっと酷いのを見せられました。間引きする赤ん坊を隣近所で交換して腹を裂き内臓を抜き取ってから串で焼いて食べてましたよ。大抵のものには見慣れていたつもりでしたがあれは本当に惨かった。弟はあれ以来肉を食わなくなっていました。
私がこのようなボランティアをしているのもまさにこうした世の中だからこそだ。教授は続いて語った。――あの子達には物語が必要だ。想像力が欠如した大人に育つことほど恐ろしいことはない。かつての大戦争や悲惨な内戦で最も重要な役割を果たした因子は何だったと思う。――大衆から想像力を奪うことだ。敵をなるべく純粋な憎悪をもって殺すためには想像力が邪魔になるんだ。教育が大事なのもまさにそこなんだよレイノルド君。
レイノルズです。
――失敬。
それであなたは“研究”の傍らこうしたボランティアを始めたってわけですか。
ああ。子供達も家の手伝いがあるからね。出席率は決して芳しくはないが。
俺達スカベンジャーへの依頼も子供達のため?
その通り。――実に素晴らしい職業だ。命がけで私達の必要を満たしてくれる。この社会になくてはならない存在だ。
レイノルズは苦い珈琲を一気飲みしたかのように顔をしかめた。
……あなたは本当に変わってますね。変人って云うのでしょうか。
どうとでも呼びなさい。
で、――今回の依頼は? 貼り紙に書かれてた報酬は本当なんでしょうね。
ああ。探してきて欲しい本がある。ちょっとばかし遠いがね。
金さえ出してくれれば何でもいいですよ。
恐らくその図書館でしか見つからないだろう。そうした類の本がどうしても必要な子供がいるんだ。……神様は時に残酷な息吹を伝えなさることがあるがそうした営為にも意味があるのだと私は信じたい。だからこそ高いお金を払って組合に依頼しているんだ。
◇
――バリケードは即席だったけど一応の役には立ちました。
レノは教授と子供達に向けて事の顛末を話し続けた。
図書館の二階。階段を昇りきった先に簡易な陣地を築いたレイノルズはそこに二丁の散弾槍を据えつけて撃ちまくった。水上では機動力のある彼らも階段を昇るのはあまり得意ではないらしく死体の山を築いていった。子分の悲鳴を聞きつけたのか外にいるデカブツが崩落した入口を強引に突破しようとしてきた。奴は巨躯を何度も打ちつけて入口を強引に押し広げると瓦礫を吹き飛ばしながら突入して階段に喰らいついてきた。
……それで階段が丸ごと崩れ落ちたんだ。レノは子供達にも伝わるように両手を振ってジェスチャーしながら話し続けた。――俺は崩落に巻きこまれてバリケードごと下の階に落っこちました。危うく本棚で頭蓋骨がぺしゃんこになるところだった。
――それでどうなったの!?
と声を上げたのは盲目の少年だった。彼が大事に胸に抱えているのはレノとオズが命賭けで取ってきた点字絵本だった。善き本の内容を子供にも分かりやすく平易な言葉とイラストで表現したものだ。
レノは少年に顔を向けて続ける。
軽い脳震盪から目覚めた時には例のデカブツの頭がすぐ目の前にあった。どこにも逃げ場はなかった。まさに絶体絶命ってやつだ。人間の頭なんて奴にかかれば象に踏まれたリンゴみたいにひと噛みで潰れちまうだろう。お前らも実際に相対すれば分かる。大抵のことには動じないつもりだったがあの時ばかりは本当に小便をちびるかと思ったよ。
でもレノの兄ちゃんは生きてる。そうでしょ?
ああ。
――間一髪で死神さんが間に合ったんだ! スピーカーの修理が終わって怪物を撃退したんだよね?
レノは口を開きかけたがそのまま閉じて頭の後ろを爪でがりがりとかいた。それを先に云うなよな、と唇を尖らせた。ごめんなさーいと答えて笑う盲目の少年。ああそうだよ、とレノルズは語る。
俺の耳には聴こえなかったが効果は覿面だった。人型の群れはもちろん例のデカブツも脱線した機関車みたいに引っくり返ったな。口から泡を吐き散らして絶叫しやがるんだ。俺はその隙を狙ってぽかんと大口開けた奴の胃の中に榴弾をぶち込んでやった。殺せはしなかったがこれ以上ない深手を負わせたんだ。
レノは話を結んだ。
とにかく連中は退散した。後には静寂だけが残った。――少なくとも俺の耳には、ってことだがね。
付け加えられた言葉に子供達は笑いながら拍手を送る。盲目の少年も。脚を喪った少女も。天使に愛されて言葉をうまく話せない子供達も。みんながみんな思い思いに讃えてくれた。レノは居心地が悪くなった。また今度なと手を振ってバスから降りた。
◇
教授が後を追いかけてきた。改めてありがとう、助かったよ、と彼は云う。――報酬はすでに組合に支払っておいた。後で受け取ると好い。
今度からは組合なんか通さずに直接払ってくれても好いですよ。
それは御法度じゃなかったかな?
冗談です。
教授は布きれで眼鏡を拭きながら訊ねる。……最後にひとつだけ。
なんです?
君が出逢った老人のことさ。彼は今もその図書館に?
ええ。
残念だな。ここに来てもらえば子供達のとても好い話し相手になったのに。
俺も似たようなこと考えて誘いはしましたよ。あんな場所いつまでも独りで住めるもんじゃない。
でも彼は断ってきたんだね?
ええ。
レノはそう云って思い返した。総てが終わってオズが帰り支度を始める中レノは老人に一緒に来ないかと声をかけた。彼は首を振った。わしはもう終わってしまった人間。今さら人の住まう集落になんて馴染めんよ。ここで短い余生を楽しむさ。
……分かったよ。けど爺さん、寂しくないのか。水死体みたいなお友達もしばらくは上がってこないぞ。オズのおっさんの話だと再生機の魔鉱石を電力として転用したそうだからあんたが死んでからもたっぷり十年は保つんだと。
人に紛れて暮らすのは枷を嵌められて過ごすようなものだ。と、老人は云う。……わしはただでさえ盲目という枷に縛られておる。でもだからこそ戦時中に厭なものを見ずに済んだ。戦前の生活を懐かしく思い出すことはあれど郷愁に苦しめられることもない。それはすでに過ぎ去ったものだと骨身に沁みて理解できておるからだ。
……何を云ってるのか分からねェよ爺さん。
いやお前さんには分かるはずじゃよ。今の時代は生きることそのものが咎人の枷を嵌められていることに等しい。前時代の人類の罪を今のお前さん達が背負わされておる。――お前さんの父、母、そして他の総ての人びとに代わってわしが謝ろう。――こんな世の中にしてしまって申し訳なく思っておる。わしらはお前さんの未来を奪ってしまった。
老人は頭を下げた。レノは答えずに黙って見ていた。彼が思い出していたのは食卓で口論している父母の姿だった。父は慣れない肉体作業で疲れ果てており母は慢性的な頭痛に悩まされていた。決して円満な家庭ではなかったはずだった。今も教会の回廊で朽ち果てている弟のことも思い出された。総てがあまりに遠くに感じられた。
…………約束通り本はもらっていくよ。
レノはようやくそれだけ云った。
“教授”と呼ばれる男は呟いた。教授と云っても博士号を持っているわけではなくアカデミックな権威を感じさせる服装をしているわけでもない。この時代で本を好んで読んでいるような人間は希少なために自然とそう呼ばれるようになっていたのだ、と彼は以前にレイノルズに語ったことがある。
あのあと俺は――、とレノルズ。本棚をいくつか蹴り倒して即席のバリケードにしました。
奴らは一階の床を喰い破って出てきた。床のあちこちに穴が空いてその奥から連中の青白い腕がぬっと生えてきた。あんな光景はそうそう忘れられるもんじゃないとレノは語った。教授は青年の話をふんふんと興味深げに聞きながら“学校”に集った子供達を眺めていた。子供達もまた同じようにレノの話を目を輝かせながら聞いていた。
学校は戦前に使われていた大型バスを改装したものだった。街の路上に放置されていたものに塗装を施し中を掃除してピカピカにした。そしてセントラーダ養護学校と称する横断幕を掲げてあちこちにビラを貼りだしたのだ。
特別な事情で普通の教育を受けられない子供達がいるんだ、と教授。この街は比較的裕福だからまだマシだ。貧困に喘いでいる領邦の中には障害を持って生まれたが最期、――命を全うする機会さえ与えられないまま葬られる子供が今も沢山いる。
初めて会ったとき教授が始めたのがそんな話だった。白いものが混じった顎鬚を指でつまむのが彼の癖だ。机に置かれた珈琲を音を立てずにすする様は今の時代にはない上品さだった。その珈琲はペーパードリップで蒸らされた味わい深い一品でレノが普段飲んでいるものとはまるで舌触りが違った。彼が今まで飲んできたのは布袋に挽いた豆を入れて鍋で煮出されたものやもっとシンプルに直接煮て上澄みを濾したものだったからだ。
レイノルズは珈琲が入ったカップを両手で握りながら答えた。……それはしょうがないでしょう。社会基盤が整っていた時代ならともかく。今はそうした“神様に愛された子供”を育てる余裕がある人間なんかほとんどいません。――ずっと前に俺は旱魃に襲われた領邦の集落でもっと酷いのを見せられました。間引きする赤ん坊を隣近所で交換して腹を裂き内臓を抜き取ってから串で焼いて食べてましたよ。大抵のものには見慣れていたつもりでしたがあれは本当に惨かった。弟はあれ以来肉を食わなくなっていました。
私がこのようなボランティアをしているのもまさにこうした世の中だからこそだ。教授は続いて語った。――あの子達には物語が必要だ。想像力が欠如した大人に育つことほど恐ろしいことはない。かつての大戦争や悲惨な内戦で最も重要な役割を果たした因子は何だったと思う。――大衆から想像力を奪うことだ。敵をなるべく純粋な憎悪をもって殺すためには想像力が邪魔になるんだ。教育が大事なのもまさにそこなんだよレイノルド君。
レイノルズです。
――失敬。
それであなたは“研究”の傍らこうしたボランティアを始めたってわけですか。
ああ。子供達も家の手伝いがあるからね。出席率は決して芳しくはないが。
俺達スカベンジャーへの依頼も子供達のため?
その通り。――実に素晴らしい職業だ。命がけで私達の必要を満たしてくれる。この社会になくてはならない存在だ。
レイノルズは苦い珈琲を一気飲みしたかのように顔をしかめた。
……あなたは本当に変わってますね。変人って云うのでしょうか。
どうとでも呼びなさい。
で、――今回の依頼は? 貼り紙に書かれてた報酬は本当なんでしょうね。
ああ。探してきて欲しい本がある。ちょっとばかし遠いがね。
金さえ出してくれれば何でもいいですよ。
恐らくその図書館でしか見つからないだろう。そうした類の本がどうしても必要な子供がいるんだ。……神様は時に残酷な息吹を伝えなさることがあるがそうした営為にも意味があるのだと私は信じたい。だからこそ高いお金を払って組合に依頼しているんだ。
◇
――バリケードは即席だったけど一応の役には立ちました。
レノは教授と子供達に向けて事の顛末を話し続けた。
図書館の二階。階段を昇りきった先に簡易な陣地を築いたレイノルズはそこに二丁の散弾槍を据えつけて撃ちまくった。水上では機動力のある彼らも階段を昇るのはあまり得意ではないらしく死体の山を築いていった。子分の悲鳴を聞きつけたのか外にいるデカブツが崩落した入口を強引に突破しようとしてきた。奴は巨躯を何度も打ちつけて入口を強引に押し広げると瓦礫を吹き飛ばしながら突入して階段に喰らいついてきた。
……それで階段が丸ごと崩れ落ちたんだ。レノは子供達にも伝わるように両手を振ってジェスチャーしながら話し続けた。――俺は崩落に巻きこまれてバリケードごと下の階に落っこちました。危うく本棚で頭蓋骨がぺしゃんこになるところだった。
――それでどうなったの!?
と声を上げたのは盲目の少年だった。彼が大事に胸に抱えているのはレノとオズが命賭けで取ってきた点字絵本だった。善き本の内容を子供にも分かりやすく平易な言葉とイラストで表現したものだ。
レノは少年に顔を向けて続ける。
軽い脳震盪から目覚めた時には例のデカブツの頭がすぐ目の前にあった。どこにも逃げ場はなかった。まさに絶体絶命ってやつだ。人間の頭なんて奴にかかれば象に踏まれたリンゴみたいにひと噛みで潰れちまうだろう。お前らも実際に相対すれば分かる。大抵のことには動じないつもりだったがあの時ばかりは本当に小便をちびるかと思ったよ。
でもレノの兄ちゃんは生きてる。そうでしょ?
ああ。
――間一髪で死神さんが間に合ったんだ! スピーカーの修理が終わって怪物を撃退したんだよね?
レノは口を開きかけたがそのまま閉じて頭の後ろを爪でがりがりとかいた。それを先に云うなよな、と唇を尖らせた。ごめんなさーいと答えて笑う盲目の少年。ああそうだよ、とレノルズは語る。
俺の耳には聴こえなかったが効果は覿面だった。人型の群れはもちろん例のデカブツも脱線した機関車みたいに引っくり返ったな。口から泡を吐き散らして絶叫しやがるんだ。俺はその隙を狙ってぽかんと大口開けた奴の胃の中に榴弾をぶち込んでやった。殺せはしなかったがこれ以上ない深手を負わせたんだ。
レノは話を結んだ。
とにかく連中は退散した。後には静寂だけが残った。――少なくとも俺の耳には、ってことだがね。
付け加えられた言葉に子供達は笑いながら拍手を送る。盲目の少年も。脚を喪った少女も。天使に愛されて言葉をうまく話せない子供達も。みんながみんな思い思いに讃えてくれた。レノは居心地が悪くなった。また今度なと手を振ってバスから降りた。
◇
教授が後を追いかけてきた。改めてありがとう、助かったよ、と彼は云う。――報酬はすでに組合に支払っておいた。後で受け取ると好い。
今度からは組合なんか通さずに直接払ってくれても好いですよ。
それは御法度じゃなかったかな?
冗談です。
教授は布きれで眼鏡を拭きながら訊ねる。……最後にひとつだけ。
なんです?
君が出逢った老人のことさ。彼は今もその図書館に?
ええ。
残念だな。ここに来てもらえば子供達のとても好い話し相手になったのに。
俺も似たようなこと考えて誘いはしましたよ。あんな場所いつまでも独りで住めるもんじゃない。
でも彼は断ってきたんだね?
ええ。
レノはそう云って思い返した。総てが終わってオズが帰り支度を始める中レノは老人に一緒に来ないかと声をかけた。彼は首を振った。わしはもう終わってしまった人間。今さら人の住まう集落になんて馴染めんよ。ここで短い余生を楽しむさ。
……分かったよ。けど爺さん、寂しくないのか。水死体みたいなお友達もしばらくは上がってこないぞ。オズのおっさんの話だと再生機の魔鉱石を電力として転用したそうだからあんたが死んでからもたっぷり十年は保つんだと。
人に紛れて暮らすのは枷を嵌められて過ごすようなものだ。と、老人は云う。……わしはただでさえ盲目という枷に縛られておる。でもだからこそ戦時中に厭なものを見ずに済んだ。戦前の生活を懐かしく思い出すことはあれど郷愁に苦しめられることもない。それはすでに過ぎ去ったものだと骨身に沁みて理解できておるからだ。
……何を云ってるのか分からねェよ爺さん。
いやお前さんには分かるはずじゃよ。今の時代は生きることそのものが咎人の枷を嵌められていることに等しい。前時代の人類の罪を今のお前さん達が背負わされておる。――お前さんの父、母、そして他の総ての人びとに代わってわしが謝ろう。――こんな世の中にしてしまって申し訳なく思っておる。わしらはお前さんの未来を奪ってしまった。
老人は頭を下げた。レノは答えずに黙って見ていた。彼が思い出していたのは食卓で口論している父母の姿だった。父は慣れない肉体作業で疲れ果てており母は慢性的な頭痛に悩まされていた。決して円満な家庭ではなかったはずだった。今も教会の回廊で朽ち果てている弟のことも思い出された。総てがあまりに遠くに感じられた。
…………約束通り本はもらっていくよ。
レノはようやくそれだけ云った。
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