1 / 26
1話 婚約破棄に爵位剥奪に国外追放されました。
しおりを挟む
「我、フィエール・K・カルセインはイオフィエル・A・クインディチェジモとの婚約を破棄する!さらにイオフィエル家の爵位剥奪、国外追放を言い渡す!!」
ザワザワザワザワ
ここは学園の卒業パーティー。
金の髪に緑の瞳を持ち中の上位の見た目でドヤ顔をしているのがこの国の第2王子であるフィエール・K・カルセインだ。
そして彼の目線の先にいる金の髪に透き通るような白い肌、瞬きをすれば音がするのではないかというくらいに長いまつ毛にキラキラ光るルビーの瞳をもつ少女が今婚約破棄を言い渡されたイオフィエル・A・クインディチェジモだ。
「理由をおきかせください」
婚約破棄に関しては特に第2王子を愛していた訳ではなかったので問題なかったが、爵位剥奪に国外追放となると普通は一族が路頭に迷ってしまうし、そもそもそんなことをされる理由が思い浮かばなかったのでなぜなのか気になった。
「理由だと?いいだろう!」
第2王子がそういうと、後ろから女の子が現れた。
チョコレートのような髪にオレンジ色の瞳の少女だ。
「(あの方はたしか…)ミオ様?」
「そうだ!彼女は最近まで平民だったが、男爵家に引き取られ、両親に恩返しができるように常に努力をしていた!」
「(なるほど、そんな彼女に惚れてしまったから私はいらないということですか…)」
「しかし!貴様はそんな彼女にいじめをしていた!!」
「はぁ~?」
全く見覚えのないことに対してクインディチェジモは思わず変な声がでた。
「忘れたとは言わさんぞ!貴様がミオにしてきた数々の嫌がらせを!」
「忘れたも何も、私がミオ様にお会いしたのは今日が初めてです。」
「な!?貴様!!ミオが元平民だからと侮辱する気か!?」
「誤解でございます。ミオ様とはクラスが違うためそもそも接点がありませんでした。」
「なるほど、ミオは普通科で自分は特進科である事を自慢しているのだな?」
「(んー、どうしましょ?だんだん相手にするのが馬鹿らしくなってきましたわ。)」
「沈黙ということは認めるということだな!??」
「はぁ、私がいじめたという証拠はありますか?」
「私!クインディチェジモ様に階段から突き落とされましたわ!!そ、それに、何度も転ばされましたし、放課後に呼び出されて水をかけられたりもしました!そ、それからぁ、ぅ、ぅうえーん」
ミオは証言をして泣き出してしまいました。
「え?本当にクインディチェジモがいじめを??」
「まさか、そんな、、」
「で、でもなんだかミオ様が可哀想ですわ」
周りの令嬢達がさわぎわじめました。
「(困りましたわ。どんどん誤解が広がってしまいます。)」
「ああ…、可哀想なミオ!この悪役令嬢が!!」
「(…悪役令嬢ですか…)」
「そうだそうだ!成り上がり貴族女!」
「!?」
ある1人の貴族男性がそう言いました。
「ミオ様に謝れぇ!」
それにつられたかのように周りの人々も悪口を言ってきます。
「謝れー!!」
「ミオ様が可哀想だー!!」
「早く謝れ!この悪役令嬢!!」
「プツン……いや、ですわ」
「なんだと!?ああ、やっと剥がれたな!完璧な令嬢の顔が!それが貴様の本性か!(笑)」
ザワザワザワザワ…
「やはり、今までのは全部演技でしたのね?(ヒソヒソ)」
「ええ、きっとそうですわ(ヒソヒソ)」
「私は公爵令嬢です。見覚えのないことでたかだか男爵家の人間に下げる頭は持ち合わせておりません!」
「なるほどな!だが、貴様は爵位を剥奪された!そしてミオは今から私の婚約者だ!!つまり、未来の王太子妃だ!」
「いいえ、私はまだ正式には爵位を剥奪されていません。それにミオ様も婚約者の段階では男爵令嬢です。故に頭は下げません。」
「なんだと貴様!いいから頭を下げろ!!…そうだ、土下座しろ!そうすれば国外追放は無かったことにしてやる!!」
「結構でございます。」
「なんだと!?貴様、一族を路頭に迷わすつもりか!!?」
「ご想像にお任せします。とにかく私は一族を連れてこの国を出ます。爵位の剥奪と婚約破棄も受け入れます。数日のうちに出ていくので、陛下や、王妃様、第1王子様が帰られる前には出て行けると思うのでご安心ください。それではサヨウナラ」
パーティはクインディチェジモが去ってからしんっ、と静まり返った。ただ1人、クインディチェジモの親友であるエイリン・F・フェーティナだけが必死で笑いをこらえていた。
ザワザワザワザワ
ここは学園の卒業パーティー。
金の髪に緑の瞳を持ち中の上位の見た目でドヤ顔をしているのがこの国の第2王子であるフィエール・K・カルセインだ。
そして彼の目線の先にいる金の髪に透き通るような白い肌、瞬きをすれば音がするのではないかというくらいに長いまつ毛にキラキラ光るルビーの瞳をもつ少女が今婚約破棄を言い渡されたイオフィエル・A・クインディチェジモだ。
「理由をおきかせください」
婚約破棄に関しては特に第2王子を愛していた訳ではなかったので問題なかったが、爵位剥奪に国外追放となると普通は一族が路頭に迷ってしまうし、そもそもそんなことをされる理由が思い浮かばなかったのでなぜなのか気になった。
「理由だと?いいだろう!」
第2王子がそういうと、後ろから女の子が現れた。
チョコレートのような髪にオレンジ色の瞳の少女だ。
「(あの方はたしか…)ミオ様?」
「そうだ!彼女は最近まで平民だったが、男爵家に引き取られ、両親に恩返しができるように常に努力をしていた!」
「(なるほど、そんな彼女に惚れてしまったから私はいらないということですか…)」
「しかし!貴様はそんな彼女にいじめをしていた!!」
「はぁ~?」
全く見覚えのないことに対してクインディチェジモは思わず変な声がでた。
「忘れたとは言わさんぞ!貴様がミオにしてきた数々の嫌がらせを!」
「忘れたも何も、私がミオ様にお会いしたのは今日が初めてです。」
「な!?貴様!!ミオが元平民だからと侮辱する気か!?」
「誤解でございます。ミオ様とはクラスが違うためそもそも接点がありませんでした。」
「なるほど、ミオは普通科で自分は特進科である事を自慢しているのだな?」
「(んー、どうしましょ?だんだん相手にするのが馬鹿らしくなってきましたわ。)」
「沈黙ということは認めるということだな!??」
「はぁ、私がいじめたという証拠はありますか?」
「私!クインディチェジモ様に階段から突き落とされましたわ!!そ、それに、何度も転ばされましたし、放課後に呼び出されて水をかけられたりもしました!そ、それからぁ、ぅ、ぅうえーん」
ミオは証言をして泣き出してしまいました。
「え?本当にクインディチェジモがいじめを??」
「まさか、そんな、、」
「で、でもなんだかミオ様が可哀想ですわ」
周りの令嬢達がさわぎわじめました。
「(困りましたわ。どんどん誤解が広がってしまいます。)」
「ああ…、可哀想なミオ!この悪役令嬢が!!」
「(…悪役令嬢ですか…)」
「そうだそうだ!成り上がり貴族女!」
「!?」
ある1人の貴族男性がそう言いました。
「ミオ様に謝れぇ!」
それにつられたかのように周りの人々も悪口を言ってきます。
「謝れー!!」
「ミオ様が可哀想だー!!」
「早く謝れ!この悪役令嬢!!」
「プツン……いや、ですわ」
「なんだと!?ああ、やっと剥がれたな!完璧な令嬢の顔が!それが貴様の本性か!(笑)」
ザワザワザワザワ…
「やはり、今までのは全部演技でしたのね?(ヒソヒソ)」
「ええ、きっとそうですわ(ヒソヒソ)」
「私は公爵令嬢です。見覚えのないことでたかだか男爵家の人間に下げる頭は持ち合わせておりません!」
「なるほどな!だが、貴様は爵位を剥奪された!そしてミオは今から私の婚約者だ!!つまり、未来の王太子妃だ!」
「いいえ、私はまだ正式には爵位を剥奪されていません。それにミオ様も婚約者の段階では男爵令嬢です。故に頭は下げません。」
「なんだと貴様!いいから頭を下げろ!!…そうだ、土下座しろ!そうすれば国外追放は無かったことにしてやる!!」
「結構でございます。」
「なんだと!?貴様、一族を路頭に迷わすつもりか!!?」
「ご想像にお任せします。とにかく私は一族を連れてこの国を出ます。爵位の剥奪と婚約破棄も受け入れます。数日のうちに出ていくので、陛下や、王妃様、第1王子様が帰られる前には出て行けると思うのでご安心ください。それではサヨウナラ」
パーティはクインディチェジモが去ってからしんっ、と静まり返った。ただ1人、クインディチェジモの親友であるエイリン・F・フェーティナだけが必死で笑いをこらえていた。
0
お気に入りに追加
870
あなたにおすすめの小説
王子として育てられた私は、隣国の王子様に女だとバレてなぜか溺愛されています
八重
恋愛
リオは女しか生まれない呪いをかけられた王族の生まれで、慣習通り「王子」として育てられた。
そして17歳になったリオは隣国との外交担当に任ぜられる。
しかし、外交公務で向かった隣国にて、その国の第一王子フィルに女であることがバレてしまう。
リオはフィルがまわりに秘密をばらさないか心配になり、しょっちゅうフィルのもとに通う。
フィルはそんなリオを冷たくあしらうが、ある日フィルはリオを押し倒す。
「男を甘く見るな」
急な恋愛展開をきっかけに、二人は急接近して……。
【完結】婚約破棄されたので国を滅ぼします
雪井しい
恋愛
「エスメラルダ・ログネンコ。お前との婚約破棄を破棄させてもらう」王太子アルノーは公衆の面前で公爵家令嬢であるエスメラルダとの婚約を破棄することと、彼女の今までの悪行を糾弾した。エスメラルダとの婚約破棄によってこの国が滅ぶということをしらないまま。
【全3話完結しました】
※カクヨムでも公開中
【本編完結】婚約破棄されて嫁いだ先の旦那様は、結婚翌日に私が妻だと気づいたようです
八重
恋愛
社交界で『稀代の歌姫』の名で知られ、王太子の婚約者でもあったエリーヌ・ブランシェ。
皆の憧れの的だった彼女はある夜会の日、親友で同じ歌手だったロラに嫉妬され、彼女の陰謀で歌声を失った──
ロラに婚約者も奪われ、歌声も失い、さらに冤罪をかけられて牢屋に入れられる。
そして王太子の命によりエリーヌは、『毒公爵』と悪名高いアンリ・エマニュエル公爵のもとへと嫁ぐことになる。
仕事を理由に初日の挨拶もすっぽかされるエリーヌ。
婚約者を失ったばかりだったため、そっと夫を支えていけばいい、愛されなくてもそれで構わない。
エリーヌはそう思っていたのに……。
翌日廊下で会った後にアンリの態度が急変!!
「この娘は誰だ?」
「アンリ様の奥様、エリーヌ様でございます」
「僕は、結婚したのか?」
側近の言葉も仕事に夢中で聞き流してしまっていたアンリは、自分が結婚したことに気づいていなかった。
自分にこんなにも魅力的で可愛い奥さんが出来たことを知り、アンリの溺愛と好き好き攻撃が止まらなくなり──?!
■恋愛に初々しい夫婦の溺愛甘々シンデレラストーリー。
親友に騙されて恋人を奪われたエリーヌが、政略結婚をきっかけにベタ甘に溺愛されて幸せになるお話。
※他サイトでも投稿中で、『小説家になろう』先行公開です
ある愚かな婚約破棄の結末
オレンジ方解石
恋愛
セドリック王子から婚約破棄を宣言されたアデライド。
王子の愚かさに頭を抱えるが、周囲は一斉に「アデライドが悪い」と王子の味方をして…………。
※一応ジャンルを『恋愛』に設定してありますが、甘さ控えめです。
子供の言い分 大人の領分
ひおむし
恋愛
第二王子は、苛立っていた。身分を超えて絆を結んだ、元平民の子爵令嬢を苛む悪辣な婚約者に。気持ちを同じくする宰相子息、騎士団長子息は、ともに正義の鉄槌をくださんと立ち上がろうーーーとしたら、何故か即効で生徒指導室に放り込まれた。
「はーい、全員揃ってるかなー」
王道婚約破棄VSダウナー系教師。
いつも学園モノの婚約破棄見るたびに『いや教師何やってんの、学校なのに』と思っていた作者の鬱憤をつめた作品です。
どうやらお前、死んだらしいぞ? ~変わり者令嬢は父親に報復する~
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「ビクティー・シークランドは、どうやら死んでしまったらしいぞ?」
「はぁ? 殿下、アンタついに頭沸いた?」
私は思わずそう言った。
だって仕方がないじゃない、普通にビックリしたんだから。
***
私、ビクティー・シークランドは少し変わった令嬢だ。
お世辞にも淑女然としているとは言えず、男が好む政治事に興味を持ってる。
だから父からも煙たがられているのは自覚があった。
しかしある日、殺されそうになった事で彼女は決める。
「必ず仕返ししてやろう」って。
そんな令嬢の人望と理性に支えられた大勝負をご覧あれ。
学院内でいきなり婚約破棄されました
マルローネ
恋愛
王立貴族学院に通っていた伯爵令嬢のメアリは婚約者であり侯爵令息、さらに生徒会長のオルスタに婚約破棄を言い渡されてしまう。しかも学院内のクラスの中で……。
慰謝料も支払わず、さらに共同で事業を行っていたのだがその利益も不当に奪われる結果に。
メアリは婚約破棄はともかく、それ以外のことには納得行かず幼馴染の伯爵令息レヴィンと共に反論することに。
急速に二人の仲も進展していくが……?
【修正版】可愛いあの子は。
ましろ
恋愛
本当に好きだった。貴方に相応しい令嬢になる為にずっと努力してきたのにっ…!
第三王子であるディーン様とは政略的な婚約だったけれど、穏やかに少しずつ思いを重ねて来たつもりでした。
一人の転入生の存在がすべてを変えていくとは思わなかったのです…。
✻こちらは以前投稿していたものの修正版です。
途中から展開が変わっています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる