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2章 

26話 早い再開

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 ヒュウウウウ…

 風を音を聞きながら、赤く、黒い渦が多数見られる、ドロドロした空間に落ちていく。

 ここからゆっくり落ちて行こうかな?

 だいぶ落ちた所で、風魔法を使おうとした所…。

 あれ?

 

 ううん、もう1度!

 体の奥から魔力を放出…そして、魔法を!

 スン…。

 やっぱり出ない!! いや、これはまるで感じがする!!

 ここでは、魔力が使えないの!?

 魔法が使えないなんて、僕がご主人様と出会う前の時いらいだ…。

 怖い。

 今まで当たり前に出来ていた事が、出来なくなる事がこんなに怖いなんて知らなかった…。

 でも…それ以上に美味しそうな匂いに確実に近づいている!!

 うん、この美味しそうな匂いは間違いない。

 の匂いだ!!

 ああ、無意識に匂いを嗅いでしまう…。

 鼻をすんすんと、何度も嗅ぐその姿は、酷くだらしない顔になっているのはリュークは知らない。

 「ん? あれは…」

 ようやく、底が見えてくると、そこには…溢れんばかりの黒い炎がうごめいていた。

 そこには、見覚えのある悪魔さんと…僕が吹き飛ばした、多数の悪魔さんもいた。

 中には、何とか逃げようと…もがく悪魔もいたが、黒い炎が手の形になり、逃げられずにいた。

 「熱い熱い熱い熱い!!」

 「グァァアアア!! クソォ!! 人間め!!」

 「あぁぁ…魔力がなく…な…る…」

 シュン…。

 と…小さな音を立て、魔力が完全に無くなった悪魔は小さな玉状となり…黒い炎の中で消えた。

 あっ…。

 ボフ。

 下の様子を長く見ていたせいか…僕もどうやら黒い炎のいる底まで着いたみたい。

 「なっ! お、お前は!!」

 「ん?」

 さっき聞いたばかりの声が聞こえ、振り返ると…。

 「エンヴィーさん? さっきぶり!!」

 「何でお前がいるのよ!? ハッ! ふ~ん」

 手を上げて、挨拶すると…。エンヴィーさんはまるで、何もかも分かったような自慢げな顔をしていた。

 「牛乳女に散々利用されたあげく…裏切られてお前も煉獄の底へと落とされたのね!! ざまぁないわね! 人間!! 所詮悪魔と、人間は分かり合えないのよ!! 悪魔は心の中に闇を抱えている。人間は欲の塊。
 決して、私達は分かり合えない存在なのよ!!」

 あっ…魔力吸われてる。

 「ちょっと!」

 これならスライムになった方がいいかもね!

 「聞きなさいよ!!」

 「変っ身!!」

 光魔法で演出を!! って…出ないや…。

 昔、ご主人様の友達から、こうしたらカッコイイよ! と教えてもらったのに…。

 残念だけど、またの機会にしようっと…。

 ぷるんっ。

 と黄金色のスライム…僕はエンヴィーを見ると、凄く驚いたように口をパクパクさせていた。

 ふふん! 凄いでしょ!!

 「お、お前…その姿はいったい…」

 「へへへ~かっこいいでしょ!!」

 ぷるんっ。と…あいにく黒い炎に包まれており、音を出すことができなかった。

 残念。

 って! 僕の魔力がどんどん吸われてるーー!!

 返せーー!!

 「僕の【吸収】をあまくみないでよ!! おりゃぁぁあああ!!」

 「へ!? 何!?」

 辺りにドン!! と強い衝撃が起きたように感じられ…心なしか、リュークの周りの黒い炎が遠のいた気がした。

 むむむ…! 強い! だけど…【吸収】に関しては僕は負けない!!

 すぅぅぅ~と、僕の魔力を取り返していく。

 そして…。

 「!!」

 僕は黒い炎の魔力を【吸収】した。

 「うっっっまぁぁぁぁいいいいい!!」

 「きゃぁぁぁ!!」

 リュークを中心に、強い風が発生し…近くにいたエンヴィーは遠くに飛ばされた。

 美味しい!! 何これ!! 何これ!! タダの魔力なのに凄く美味しい!!

 まるで、美味しい食材を、何年も…何年も…煮込み続けたスープみたい!!

 こんなの…。

 こんなの…我慢出来ない!!

 「【身体変化】!! からの【吸収】!!」

 【身体変化】で、大きなお家まで大きくなり…辺りにいっぱいの黒い炎を【吸収】し続けた。

 「うまぁぁぁ!!」
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