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2章 

22話 激怒

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 「あは…あははは…アハハハハハハ!!!!」

 誰だ…。

 僕の食事を台無しにしたのは…。

 「どこのどいつだー!!!!」

 リュークの怒りが頂点に達した。
無意識に威圧を解き放ち、先程まで近くにいた36人の悪魔達は…威圧に耐えきれずその場で倒れた。

 ふと、リュークの魔力感知に反応があった。

 見つけた…。

 【空間魔法】で大きな魔力が2つある、直ぐ近くに転移した。

 1人目は、透けている服を身につけ…立派な体を全然隠せていない女性の悪魔。

 2人目は、上半身裸で…よく鍛えられているのが分かり、片手に大きなハンマーを持っている男の悪魔。

 2人の悪魔は、リュークが飛ばした、殺意と威圧を受け…既に戦意喪失していた。

 「君達だよね? 僕の大切な…大切なご飯を台無しにしたのは」

 「ままま、待て! 俺達は【暴食】のグランの気配を感じとり、始末しに来ただけだ!! 俺達にお前と敵対の意思はない!!」

 「そ、そうよ! 私は勝てない戦いはしない悪魔なの、見逃してくれるなら私を好きにしてくれても構わないわ!!」

 敵対の意思はない…?

 好きにしてくれても構わない…?

 「そんな事は知らないし、いい」

 両腕をスライム触手に変え…1つの触手が裂け、2つになる。

 2つが4つに、4つが八つに、八つが……。

 どんどん裂け、両腕の触手が増えていき…2人の悪魔は逃げ出した。

 「「ヒ…ヒィィィィイ!!」」

 逃すわけないでしょ?
食べ物恨み…僕は決して忘れないよ?

 「空間転移」

 逃げ出した2人の前に転移し、全ての触手に【闇魔法】ダークヒールを混ぜ…僕のご飯を台無しにした悪魔めがけて、打ち出した。

 「「グヘェ!! ヘブ!! ブベ!!」

 ダークヒールを混ぜた事で、リュークによって抉れた肉体は、直ぐに回復する。

 だが…受けた痛みと、衝撃は消え無い。

 2人の悪魔は肉体が消し飛ぶ→回復する(気絶)→肉体が消し飛ぶ(目覚める)→回復する(気絶)の繰り返しを何度も…そう、何度も…味わうことになった。

 もう、2度と悪い事が出来ないように…お仕置きしてやる!!

 そして、僕のご飯を台無しにした代わりに、美味しいご飯を用意させてやる!!


 「も、もう…止め…グァァアア!!」

 「い、痛い…で、でも…それが…いい…こんなの…初め…て…アッ!」

 何か悪魔の女の人は、喜んでる?

 顔を赤くさせ、ハァハァしてるし…気持ち悪い。

 この人…反省してないな!!

 ならもっと強くしてやる!!

 打ち込む触手を、より早く…より早く!! 打ち込んだ。

 まる1日も…。







 「イタイノハイヤダ、モウシマセン、ゴメンナサイ、ゴハンハダイジ、ダメニシタラダメ」

 「うへへへ、もっとぉ~もっとぉ~」

 ふぅ…これでこの人達は2度とご飯を粗末にする事ないかな?

 お仕置きして、少しはスッキリしたし…もう許してあげるかな?

 息をハァハァしながら、足にしがみついてくる悪魔の女性を鬱陶しそうに…引き剥がし、周りを見ると遠くで僕の部下にしてくれ! と言っていた悪魔の人達がいた。

 あ…すっかり忘れてた。

 後で謝らなくちゃいけないね…。

 でも、今はそれより…。

 「お腹空いたぁ~」

 お腹の鳴る音が、悪魔界へ大きく響いた。
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