スライムから人間への転生〜前世の力を受け継いで最強です

モモンガ

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2章 

19話 強欲の悪魔

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 「ん~美味しそうな物ないなぁ~」

 僕はしょんぼりしつつも、もうせっかくだから…美味しくなくても食べれそうな物を探して、視線をぐるりと見渡してもいるのは悪魔さんだけ。

 でも、僕の勘が言っている…。

 この世界には、僕を満足させる程の者がある! と…。

 僕は向かってくる悪魔さんを、吹き飛ばしながら…されているみたいに、飛ぶ速度を上げた。



 ……


 暫く飛んでいると、見覚えがある悪魔さんが大きな黒いお城の屋根の上に、知らない悪魔さんと話しているのが眼に入った。

 「あれ? あの悪魔さんだー!」

 僕の声に反応したのか、悪魔界に案内してくれた悪魔さんが…僕を見て顔を青くして頭を抱えた。

 どうしたのかな?

 その隣には他の悪魔さんより一回り大きく…立派な2本の角を生やしたムキムキな悪魔さんが僕を見て、ニヤリと不適に笑った。

 とりあえず、2人がいる屋根の上に降りた。

 「ああ…テメェか? 俺の邪魔をしたっつーのは」

 「ん? 邪魔?」

 何かしたかな?

 …うん。してないよね。

 初めて会った人に、そんな事を言われ、首を傾ける。

 ん~お邪魔かな?

 「ああ? テメェ俺に嘘ついたのか?」

 そう言うと…大きな悪魔は、リュークを案内した悪魔の首を掴み…持ち上げた。

 「いっ! いえ…本当です! 私目…は嘘など言っては…おりません!」

 「ほ~、じゃあテメェはこんな猿のガキに無様に敗れ…失敗したと?」

 ぐぐぐ…と首を掴んでいる、右腕の力が強まっていく。

 「ガッ! グガガ…」

 「そんな無能はいらねぇ。消えろ」

 そう言うと…右腕から黒いモヤが溢れ、案内悪魔を覆いつくしていく。

 案内悪魔は、何とか逃げ出そうと…もがくが効果は無く…体が何度かビクンビクン! と動き止まった。

 「ふん、こんなもんか。さて…待たせたな猿…」

 一回り大きな悪魔は…いた場所に眼を向けると、いつのまにかリュークは消えていた。






 「モグモグモグ…お話中だったから、また後で行こうっと!」

 悪魔さんの、お話が長くなりそうだったので帰りに行こうと決め…邪魔にならないように気配を、周りと同化させてその場からいなくなったんだ!

 ついでに、小腹が空いた僕は、アイテムボックスからおまんじゅうを取り出してパクリと頬張った。

 2個目を取り出そうとすると…さっきいた場所から結構な速さで向かって来ているマナがあった。

 「多分、案内してくれた悪魔さんと一緒にいた悪魔さんだよね…? どうしたんだろう? もしかしておまんじゅうが欲しいのかな?」

 姿が見えた悪魔さんは、僕の眼の前でピタリ! と止まった。

 「おい、猿…。テメェ…【強欲】の悪魔、グリード様から逃げれると思ってんのか!! あぁ!?」

 「強欲? 逃げる?」

 何を言っているんだろう…この悪魔さんは?

 そんな僕の様子が気に食わなかったのか、イライラした様子で顔を近づけ…僕の鼻に魚が腐ったような匂いが入った。

 「俺の【強欲】はなーー「臭い! 口臭い!」

 「あっ…」

 つい、思ってしまった事を口に出してしまった。

 だって、本当に臭かったんだもん…。

 大きな悪魔さんは、眉をピクピクさせている。

 「ご、ごめんなさい! つい臭くて…」

 ブチッ!!

 「テンメェ…猿の分際で俺様を馬鹿にするとはいい度胸じゃねぇか…。普通に殺すだけじゃ足りねえ。
 俺の【強欲】でテメェのレベル、ステータス、スキル。何もかも奪っておもちゃにしてやんよ!!」

 右腕に黒いモヤを、纏わせ…僕を掴もうとしてくる悪魔さんを見て、この悪魔さんも…何故か僕に酷い事をしようとしてくる悪魔さんと同じなんだと気づいた。

 あの、右腕に嫌な予感した僕は…強力な攻撃する事に決めた。

 右腕をスライム触手に変化! そして右腕を5倍に! さらに! 【暴食】を混ぜる! こうする事で触れた瞬間僕の胃の中に入るようになる。

 「な! この気配は!?」

 「悪い人は…お仕置きだーー!!」

 「ふ、ふざけーー。」

 大きな悪魔さんが突き出した、右手に触れ…一瞬で飲み込んだ。

 「ちゃんと、反省したら出してあげるからね~」

 お腹をポンポンと叩き…何事もなかったようにその場から飛び去った。
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