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2章
16話 リュークだから…
しおりを挟む「なるほどね…つまり、言い伝えは本当で、封印されていた悪魔の門の封印が弱まり、小さな穴が空き…その悪魔はそこから出たって事でいいのかい?」
「うん! そうだよ!」
「それは分かった。だが…此奴の目的はいったいなんなのかえ?」
「えっと、悪魔達の目的は…2つあって、1つは悪魔の門を封印した神達の復讐。
2つ目は、地上に出て暴れたいだけみたい。
そう答えると、おうちゃんは…考えるように顎に手をあて、おばぁちゃんはため息を吐いた。
「全く…もう少し老害に優しい世界になってはくれないものかね…」
「お婆様…それは難しいと思いますえ…。知性を持つ者がいる限り、争い事は決して無くなりはしない…妾はそう思う」
知性を持つ者? 知性って考える力だったけ?
「どちらにせよ、何か悪魔に対策を考えねばならぬみたいよの」
「そうさな…せめて、今の悪魔界がどうゆう動きをしているのか…いつ封印が完全に破れるのか分かればよいのだが…。この悪魔の情報は5年前の物…今とはだいぶ変わっていると考えた方がいいだろうね」
「? じゃあ悪魔界行くついでに、そこにいる悪魔さんに聞いてこようか?」
「なるほど、それはいいアイデア…。何を言っておるお前は…」
「リューク…」
冷たい眼と、呆れた眼を向けられ…動揺した。
「あのね、この悪魔さんの脳を覗いたら…少しだけど、食べれそうな物見つけたんだ!! 行ったことない場所だし、食べた事のないような味や食感が僕を待っているかもしれないんだ!! 何を言われても僕は止められない!! だって…僕はその為に生まれ変わっただから!!
「「……」」
「ど・ん・な味かな~♬ 美味しいかな~♪ 食べたいなぁ~♫ フフフ~ン~🎵」
リュークは悪魔界の食材を食べている妄想をしながら、その場でくるくると踊り…涎を垂らす。
リュークな奇妙な姿に、何とも言えない空気になり…結弦葉は神社に向かって歩き出した。
「あたしゃ部屋に戻るよ。その子を死なせたくなかったら、説得するさね。
いくら強いとしても、何千、何万の数を1人で相手にするなんて無謀さ…命を捨てにいくよなものさね」
「ッ! リュー…ク…」
桜花は、またリュークがいなくなってしまう! と頭によぎり…何とか説得しようと顔を向けるが…。
リュークの涎が小さな川になっているのと、とてつもなく、だらしない顔になっているのを見て…昔から知っている桜花は「あっ…無理そう」と瞬時に理解してしまった。
「えへっえへへへ~♪」
僕が見た景色は、植物とかは見当たらなかったけど、変な生き物は少し見つけたから、食べれる物がもっとあるに違いないよね?
「えへっ🎵」
「リューク、少しよいか?」
「ん?」
ふと、手に違和感を感じて、顔を上げると…僕の手をおうちゃんが、自分の両手で包んでいた。
「リューク…悪魔界は危険な場所。決して油断してはいけない。妾は御馳走を用意してまっておるからの…ちゃんと帰ってくるのだぞ? 待っておるからな?」
「御馳走!! うん! 分かった!! なるべく早く帰ってくるね!!」
ごっちそう♫ ごっちそう♫ と踊るリュークの姿を見た桜花は心なしか…不安と寂しさが混じった表情していた。
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