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2章 

4話 変ッッ身!!

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 「ん~~! ん~?」

 目を覚ますと、目の前にレイムの顔があり…じっと見てると、プルプルしている口が気になり、人差し指で触れてみた。

 「お~~プルップル!」

 だんだんと楽しくなってきた僕は、口の隙間に人差し指を入れてみると、レイムさんは、あむあむ…とくわえた。

 「あははは! くすぐったい!」

 「ふぇ?」

 パチリとレイムさんの目が開き…口に違和感を感じ、口に入っている物が僕の指だと分かると、みるみる顔が赤くなっていった…。

 レイムさんって、よく顔が赤くなるよね!

 「な、ななな何をしてるんですかーー!! もう! 怒りました! 寝ている女の子の口に指を入れる…なんて…ハレンチです!!」

 「キュ!?」

 あっ…チロが起きた。

 「ハレンチって何~? 美味しいの?」

 「もう! もう! もう!!」

 胸元をポカポカと叩かれ…何でこんなに怒られているのか、僕は頭を悩ました。



 「それで、モグモグ夢の中に神様が現れて~、モグモグモグ、ここから北西40Kmの島にいる妖狐を助けて欲しいんだって~ゴックン」

 「つーんパクパク、つーん」

 「キュキュキュ」

 レイムさんとチロと一緒に朝食を取りながら、夢の事を話すと、不機嫌そうにしていたレイムさんも、驚きの表情を浮かべた。

 「か、神様…ですか?」

 「そうそう」

 なんて事もないように言う、リュークにレイムとチロは苦笑み浮かべ、つくづく食べ物以外に興味を示さないな~と思った。




 「よし! ご飯も食べ終わった事だし!! パパッと行って、パパパッと解決しちゃおう!! それなら~? 
変ッッ身!!」

 僕はスライム状態になり…種族スキル【身体変化】を使用した。

 このスキルは、文字通り…自分の体を変える事が出来るスキルなんだ!!

 本当なら、体を大きくしたり、小さくしたりする程度のスキルなんだけど…僕にかかれば~?

 「あわ…あわわわ!」

 「キュ! キュキュキュキューー!!」

 レイムさんとチロの驚く声を聞きながら、僕はどんどん体を大きくし…形を整えていく。


 そして、完成したのは20mはあろう、鳥の姿。

 身に炎を纏い、羽は虹色に輝く…キリリとした瞳。

 「キョオオオオオ!!」

 「キャアアァァ!」

 「キュ~~~~」

 あっ…レイムさんと、チロが飛んでちゃった!! 急いで回収しないと!!

 また、やっちゃった! 僕がご主人様と一緒にいた時も、えっと…フェニックスだったけ? この鳥に変身した時に、同じように吹き飛ばしちゃったんだよね!!

 なんでか分からないけど、ご主人様の仲間の人から、一時的に種族が変わった事で、その種族の本能が目覚めたのではないか…? らしい…。

 僕にはさっぱりだけどね!!

 ただ、フェニックスに変身する時は、羽を大きく広げ…声を大きく出したくなるのは本当なんだよね…。

 ちなみに、このフェニックスは…昔、魔に捕われ…暴走していた時、ご主人様と他の仲間の人と僕で倒したんだ!!

 何度も復活して、嫌になったけど、僕がペロリと食べたら復活しなくなったから、僕のおかげなんだよね!!

 おっと! いけないいけない! それより、空を飛ばされた、レイムさんとチロを回収しないと!!

 僕は急いで、翼を広げ…羽ばたき、嘴でレイムさんの服を咥え、上に投げ…ポスリと背中に収まった。

 そして、チロは咥える場所がないので…一時的に口の中に入れた。

 「キューーーー!!!!」

 舌の上で悲鳴のような鳴き声をあげながら、暴れるチロを何とか、喉を落とさないようにするのが大変だった。

 まったくもう! 大人しくしててよね!!


 そういえば、荷物も全部片付けいた事を思い出した僕は、このまま妖狐がいる島に出発する事を決めた。

 この姿なら、凄く早いから1時間もかからないよ!!


 「よぉ~し! 出ー発ー!!」

 「キャアアァァァァ…」

 「キュ~~~~!!」


 口の中で響く、チロが抗議のような声とレイムさんの悲鳴が空に響いた。
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