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1章 

レイムさん視点①

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 リュークさんが屋敷から帰ってしまった…。

 私は何も言えず、引き止める勇気も無く、ただただリュークさんが屋敷を出て行く後ろ姿を見ていることしか出来なかった…。

 どうして…こんなに、リュークさんと離れるのが苦しいんだろう…。

 初めて、…私が無人島で死にそうなった時、助けてくれた人…。

 正直に言えば初めてリュークさんと接した時は変な人だと思った…。

 そう思うのも仕方ないよね? だって死にそうな人に対して、いきなりお肉を食べさせようとしてきたんですよ?

 水をお願いしたら、水の中にお肉を入れようとしてきたんですから…

 その時はチロちゃんって、いう名前の可愛らしい蛇さんがいてくれたおかげで…何とか助かりました…。

 …でもその後が酷かったです…。その日の夜のご飯が、小さなお鍋程の大きさの丼に、白いご飯と揚げてあるお肉に卵を絡まらせた…カツ丼…と…いう料理を目の前に出されたんです…。

 もちろん、私は食べきることが出来ずに、半分の半分くらいしか食べることが出来ませんでした…。

 私が残した、カツ丼を、リュークさんが何も気にせず食べ始めたのを見て…私はつい…その…間接…キ……と意識をしてしまいました…。

 恥ずかしい! …私だけがこんなに意識をしてしまうなんて…ずるい…です。

 次の日…私はお腹が苦しくて、余り眠る事が出来ませんでした…。

 それでもリュークさんが用意した、朝ごはんがあります…。調理を任せているし…命の恩人でもあるリュークさんが作ってくれた、ご飯を食べないわけにはいかず…食べようと決意しました…。

 朝食は…私の事を考えてくれた、みたいで、軽めの物を用意してくれたと、聞いてホッとしました。

 そんな私の目の前にはブロック状の焼いた魚の魔物の肉でした…。

 私はご飯に関して、リュークさんを信じる事をやめました。



 朝食を食べ終えた私は、リュークさんに、自分の事を話す事を決めました。

 私が魔国シドーの4公爵家の1つ、イシュタム家であることを…。

 リュークさんは、私が死神の一族だと知っても、怖がらず、いつもと変わらずに接してくれました。

 私はそれがなによりも嬉しかった…。今まで、私が死神の一族だと知ったら、皆が私の前から姿を消しました…。家族以外は…皆…。

 だから…嬉しかった


 それから、リュークさんは、私が危険だって、教えた海に飛び込んで…帰ってきたと思ったら凄く落ち込んでいて、まだ子供なんだと思って安心したと、同時に私が頑張らない! って気持ちになりました…。

「キュ!」

「クスッ」

 そう思っているのは、私だけじゃかったみたいで、つい笑ってしまいました

 それから、私はリュークさん達と一緒に、魔国シドーまで連れて行ってもらいました。


 空を飛ぶ、魔道具で数日経つと、目的地である魔国シドーの港が目に入りました…が…。突然リュークさんが風魔法で加速させた結果…、私は気を失ってしまってしまいました。


 次に目を覚ました時は、私は初めて見る場所にいました、そこには、リュークさんや、チロちゃんもいなくて、心細くなったけど…。

 親切な女兵士さんが、私を心配してくれて、その人から何があったのか話を聞いていく内に…事情が分かった私は…急いでリュークさんが囚われている牢に急ぎました。

 そこには…大きな鍋とご飯を食べている、リュークさんがいました…。

 心配して、ちょっとだけ損した気分になりました。

 チロちゃんが見つからないまま、一旦、私の家まで行くことにしました。

 そこには大好きな、お爺ちゃんがいて、ここでやっと…帰ってこれたんだと…実感しました。

 私はお爺ちゃんの腕の中にいると…安心と疲れが一緒に押し寄せて、私はいつのまにか、眠ってしまいました。


 次に私が目を覚まし、目に入ったのは、見慣れた天井でした。

 私はメイドのメイと一緒に、最初にお風呂に行き、メイには背中を洗ってもらいました…久しぶりで嬉しくなりました。

 それは、メイも一緒だったみたいで、鼻歌を歌いながら、念入りに洗ってくれました、…ただ張り切りすぎて…白かった私の肌が赤くなりました…。

 相変わらず、おっちょこちょいの、妹のような、年上のメイドに、苦笑いを浮かべながら許すと…メイは泣いてしまいました…。

 お風呂から上がった私は、メイに着替えをやってもらい、お爺ちゃんがいる、リビングに行きました。

 そこには、お爺ちゃんと、リュークさんがいました…。

 挨拶を交わしながら、席に着くと、食事が運ばれ、皆で楽しくお喋りをしながら、食べました。

 …リュークさんは話しながら、2メートルのロックボアをすごい速さで食べていた、事にはビックリしました。

 リュークさんが、変わった器用な部分を知って、笑っていると…。

 私を道具としか、見ないお父様が帰ってきました…。
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