スライムから人間への転生〜前世の力を受け継いで最強です

モモンガ

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1章 

30話 恋愛相談

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 お爺さんからレイムさんのお父さんの話を聞いた翌日…約束通りお爺さんから白金貨10枚とイシュタム家のエンブレムコインを貰った僕とチロは、レイムさんとお別れする事になった…。

 元々僕は食べ歩きの旅をするつもりだったし、いつかは離れるつもりだった…。

 でも…何でだろう…レイムさんと離れたくない気持ちがある…。

 もっとレイムさんと一緒に食べ歩きをしたり、色んなお店を巡ったりしたい…。

 なんなんだろう…この気持ち…分からない…。

 胸が苦しくてどんぶり6杯しか食べられない…


 …そういえばレイムさんも寂しそうに手を振っていた…もしかして、レイムさんも同じ気持ちだったのかな…?

 分からない…いつも美味しいご飯が味がしない…分からない…。

 今まで感じたことない感情が僕の中でぐるぐると回り視界がよく見えなくなってきた…

 ドン!

「あっ…ごめんなさい」

「ん?私の方こそ…ってどうしたの?」

「えっ?」

「貴方…泣いてるわよ?」

 手を顔に当たると…目から涙が出ている事に始めて気がついた…。

「えっ…なんで?」

「キュ~」

 チロは僕の涙を掬うように尻尾で拭き取ってくれる…

「貴方…ちょっと私についてきなさい」

「あっ…」

 蝙蝠の翼と細くて先がハートの形の尻尾が生えたお姉さんは僕の手を取り歩き出した…。


 ガチャ…

 お姉さんがどこかキラキラとしたお店の裏口からお店に入ると…ドレスを着た魔族の女性が何十人いた


「あら…アンナ…ってそのお嬢ちゃんどうしたの?」

「ああアンナ先輩が誘拐ですか!? 駄目ですよ! 今ならまだ間に合います!! 私と一緒に…フギヤァ!」

 白い肌の人と、手を握っている人と同じように蝙蝠の翼と尻尾が生えた小さめの女の子に、ゲンコツをした。

 小さな女の子は頭を抑えてプルプルと震え涙目になった

「それで? お嬢ちゃんをお店に連れてきてどうしたの? 流石に子供はお店で雇うことは出来ないわよ?」

「ララティーナさん…私をなんだと思っているんですか…。こんな小さな子を働かせるわけにはいかないじゃないですか…それに、この子は男ですよ?」

《えっ?》

 遠巻きで話を聞いていた人達も驚いたように、僕を見た…。

「やっだな~! 先輩! こんな可愛い子が男の子なんてないじゃないですかー、先輩目が節穴になったんじゃないです…フギヤァ!」

「ふ~ん…間違いないわね…。それで? どうしてその子を連れてきたの?」

 白い肌の女性が足を組み直し、ドレスから白い太ももが見える。もし、ここにリューク以外の男性がいたなら、唾を飲み太ももを凝視していたに違いない…。

「それが…この子が泣いていて…流石に放っておくのは罪悪感が…」

「はぁ…アンナ…貴女、前も同じような事を言って魔猫を拾ってきたじゃない…」

「う…」

「まっ…いいわ、じゃあ君…とりあえずお姉さんに話してみない? 相談に乗るわよ?」

 自分でいくら考えても分からなかった僕は…お姉さん方に、レイムさんからの出会いと別れを話していった…。


「ふぅん…それは恋ね、それも、その様子からして初恋」

「初恋?」

「そうよ、初めての感情で同様しちゃったのよ」

 恋…僕がスライムだった頃、ご主人様が女の子と一緒に幸せそうにくっついていたけど…これがそうなんだ…。

 ご主人様と同じ人間って実感があって少し嬉しい…でも…

「どうすればいいか、分からないって顔ね」

「えっ!? どうして分かった!?」

「仕事柄、相手の気持ちが何となく分かるようになったのよ、ここで働けば誰でも出来るようになるわよ。」

「それが出来るのはララティーナさんだけですよ…」ボソッ…

「ん? メイ? 何か言ったかしら?」

「ヒエッ…ななななんでもないですー!」

 逃げようとする、蝙蝠の女の子が白い肌のレイナさんに捕まり、首筋を噛まれた…

「キャアアァァ……あう…。」

 噛まれた、蝙蝠の女の子は顔を赤くして、体をピクピクさせた

「ララティーナさんもっとぉ~」

「貴女達メイを片付けちゃって」

 レイナさんが手を二回叩くと、遠くで見ていた女性2人が近づき両脇を持った

「ララティーナさぁ~~ん~~」

 蝙蝠の女の子がズルズル…と引きずられて行く中、ララティーナさんは何もなかった…ように話し出した

「それで、貴方がどうするか…だったわね。
そんなの簡単よ、欲しい物は奪えばいいのよ、勿論相手の気持ちも大事だけど…魔族も獣人と同じように強き者に惹かれるものよ? 獣人国の新しい王様?」

「えっ!?」

《えっ!?》

「あんな可愛い子が獣人国の王様!?」

「えっ!? 嘘!?」

「でも、でも、ララティーナさんが言うんだから間違いないわよ!」

「素敵! 抱いて!」

「凄い! ララティーナお姉さん、どうして分かったの?」

「フフ…私は耳がいいのよ」

 へぇ~お姉さん大陸も離れているのに、いったいどれだけ耳がいいのかな? 耳が痛くならないか心配。

「だから、貴方がすることは、その子の気持ちを聞いて強引に攫っちゃえばいいのよ?」

 その後も、ララティーナお姉さんから色々と話を聞いてもらって、僕は外に出た…。

 明るかった空も、いつのまにか空が赤く染まっていた。
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