スライムから人間への転生〜前世の力を受け継いで最強です

モモンガ

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1章 

28話 イグアスさんとの戦い

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 家の事情に巻き込まれた僕は、何故かこの屋敷の1番の兵士と戦う事になった…。

 僕の前には頭には黒く、細くも頑丈そうで魔力がたっぷり詰まっているように、見える。

身軽さを求めたのか、黒と白を合わさった皮鎧をし腰には鞘に入った…細い剣が指してあった。


「それがしが…我輩と戦う者か? 我輩は漆黒のドラゴンの血が宿りしドラゴニュートのイグアス…と申する…今日は存分に楽しもうぞ」

 イグアスさんが鞘に収まっていた…剣を抜いた。

「ね! イグアスさん! その剣珍しいね!」

イグアスさんの剣は漆黒に染まっていて、何故全体的にか反り返っていた

「これは刀と言って切る事に特化した物。剣は叩き切る代物…故に美しくない。我輩は戦いの中でも熱く美しく戦い、少しでも記憶にのこしたいゆえ…」

「美しさ…」

 そういえば、僕がスライムだった時、勇者パーティにも美しさとか言ってるエルフいたなぁ~

 戦闘が始まる前と終わった後に必ず、収納袋から全体を映すほどの大きさの鏡を取り出して「ああ…俺はいつ見ても美しい…」って言って顔を赤くしてたなぁ…

「ね! イグアスさんは鏡見ないの?」

「鏡…とな? 我輩が? 何故?」

「? …僕の知ってる人で美しくさ。とか言ってる人は、自分と同じくらいの大きさの鏡を取り出して、いろんなポーズをとって顔を赤くしていたからイグアスさんもそうなのかな? …って」

「…その者は自分の事が大好きなのであろう…。」

「そうなの?」

「うむ…」

「「……」」

「挨拶はその辺でいいでしょう。早く始めなさい、私は暇じゃないのです、イグアス…いくら脆弱な下等生物だろうと手加減は許しませんよ? 例え、死んだとしてもそれは本人の脆弱さ故…本気でやりなさい。」

 何となく話しづらい空気になっていると、レイムのお父さんが声をかけ、さっき感じていた、いこごちの悪い空気が無くなったので、そこだけは2人とも感謝した。

「…承知…この者からは強者の臭いがするゆえ、我輩も油断はしておりませぬ。」

「ならばいい」

「じゃあ…僕も自分の武器を取り出すねー!」

 そう言って、僕はアイテムボックスから純白の綺麗な剣を取り出した…。
 その剣は太陽の光を反射させ、辺りを照らしていく。

「…その剣はなんぞ?昔、世界を回った時でもそのような美しく純白な剣など見たことなどない…、いや、だが…完成ではないみたいだな。
 未完成でその圧倒的の存在感…素晴らしい」

「フッフッフ…この剣は僕が倒した魔物で1番魔力がある場所から作られてるんだよ! 未完成?」

 獣人国にいたときに、僕が倒したメガホエールの角を売った商人さんから、助けてくれたお詫びとして貰ったんだ! 

 でも未完成なんだ~別にいいけど、これ使うときは分厚いお肉を切るときだけだし。

 何かずいぶん僕に頭を何度も下げて、これからも仲ようしようや! …みたいな事を言ってたけど。

 まだまだだね!!


「何と…それがしが倒した魔物の素材で作られた剣とな? …ハッハッハ!!
それが本当なら我輩がそれがしに敵うはずなかろう! …だが我輩もさらなる高へと上がるチャンス…せめて今の我輩の力…試させてもらおうぞ!!」

 イグアスは腰を落とし、左てを腰にさしてある鞘に添え、右手を刀のつかを握りしめた

「…ん? 来ないの?」

「すまぬ…。我輩の本気は攻めより守りのほうが自身があるのでる…それがしには悪いが攻めは任せるのである。」

「そっか! じゃあ…行くよ!」

 僕はのスピードで近づいた時…イグアスさんの間合いに入った時、動いた…。

 イグアスさんの右手の親指が刀の鍔《つば》を持ち上げ…抜いた

「抜刀術…一閃!!」

 イグアスさんが放った一撃は光を放つと共に駆り出された…。

 イグアスさんの斬撃を僕は魔力を剣に纏わせ…滑らせるように流し…イグアスさんの刀が地面に刺さると同時に、僕の剣はイグアスさんの首に当たるか当たらないような、スレスレの距離で止めた…。


「…いやはや…想像以上の力量…我輩の剣をこうも流され、反撃までされるとは…まいったまいった…。世界は広い…我輩はまだまだ…と…いうことよな…」

「うん! 世界にはもっともっと広いよ! 僕もまだ素晴らしい物美味しいご飯があると思うから、僕は世界を回って旅をしているんだ!」

「な…何と…それほどの力量剣術を持ちながらさらなる高みを目指すというのであるか…。」

「ううん…。僕の力量料理の腕はまだまだ…だからもっと僕はもっと素晴らしい物美味しい食材を集めるんだ!」


 イグアスは、この人間の言葉を聞いて震えた

(この…武人は…強い…心も魂も意思も全てが我輩が今まであってきた中で1番…。
…ついていきたい…この武人の側でどんな道を歩むのか我輩は見届けたい!)



 ん? あれ…? イグアスさんが、何故か僕をずっと見てる…? どうしたのかな?

「まさか…脆弱な下等生物ごときに…我がイシュタム家の1番の戦士が負けるなど…ありえない…」

「フォフォフォッ! だから言ったじゃろ? あの嬢ちゃんは儂よりも強いと…。
そんな人間がイグアスに負けるはずないじゃろ。」

「ありえない…脆弱な下等生物ごときが…魔族の中でも上位の能力を持つドラゴニュートに勝つなど…ありえない…。
あってはならない…。そうか…貴方…何か汚い手を使いましたね? そうでしょう?」

 レイムさんのお父さんは早口で喋りながら…僕に近づいてきた…ちょっと気持ち悪い…。

「待たれよ…。カルカン様…我輩とこの武人は真剣勝負をしたのである…汚い手など…「お前は黙っていろ!!」」

 僕とレイムさんのお父さんの間にイグアスさんが割って入り…何とか止めようとしたけど、肩を触れると…力が入らなくなったように膝から崩れ落ちた…。

「脆弱な下等生物ごときが…下等生物ごときが…調子にのるなぁああ!! 下等生物は地面に這いつくばってればいいん――「いい加減にしろよ…カルカン…。」」

「グハッ!」

 僕に触れようとしてきた、レイムさんのお父さんから、レイムさんのお爺さんが首に鋭い手刀を放つと…レイムさんのお父さんは前から倒れた…。

「すまんのぉ~お嬢ちゃん…。まさか…ここまで歪んであるとは…儂の判断ミスじゃ…。すまぬが儂はコヤツを運ばなくてはならなくなったのでな…少し先を外すぞい…。」

 呆然とする僕達を置いて…レイムさんのお爺さんはレイムさんのお父さんを肩に担いだまま消えるのだった…。
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