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1章 

24話 豚箱

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 魔族の人達に魔法の糸でグルグル巻きにされた、僕とチロは武装された魔族の人達の家…かな?とにかくいっぱいいる所に連れてこられた。

 レイムさんは女性の魔族の人が慎重に手を足と腰にあてて、…えっと…おひめ…様…だっこ…だったっけ? 確か前にお母さんに教えてもらったんだけど!

 あ~~お母さんを思い出したら、久しぶりにお母さんの手料理を食べたくなってきちゃった。

 …転移しようかな? 魔国の座標とかも魔法で分かったし…うん、そうしよう!チロも紹介しないとね!


「おい! 聞いているのか!」

 机を強く叩く音で目を向けて見れば、昔倒したオーガと同じ太く硬い角を生やし、大きな体に筋肉を持つ魔族の睨まれた


 そこから離れた所では何かを書いている、先程槍を持っていた魔族の人とチロもそこにいた。

「ん? あっ! ごめんなさい! 聞いていませんでした!」

「んなぁ~にぃ~! お前俺様を舐めているのかぁ~! 軟弱な人族は脳も軟弱みたいだな!」

「む…僕のどこが軟弱だと言うのさ!」

 流石にたった今、会った人に悪口言われると怒りたくなるよね!

「ハッ! お前の姿そのものを軟弱と言っているのさ! そんな細い腕で何ができるってんだ! 強者つーのはな…俺みたいな奴を言うんだよ!!」

 オーガの魔族は腕を曲げて筋肉を見せつけてくる…。

 僕の太ももの2倍ぐらいある…。

「ふ~んだ。おじさんは見た目だけでしょ! 強さに必要なのは魔力とそれに見合った肉体だよ! おじさんみたいな筋肉だらけの人とは違うんですー」

「なんだとぉ~~! 軟弱な人族の癖にしやがって調子こいてんじゃねぇぞ!! よ~~し、分かった。お前がそんな態度をとるのなら一生豚箱に入れてやるよ!! ギャーハッハッハッハーーーーー!!!!」

「豚箱!?」

 僕の体は自然と震えていた…。

 豚箱だって…なんて…

「ん~? 震えているぞ~! 軟弱な人族~! 今さら後悔したって、もう遅い! お前は一生豚箱の中だ~! それとも…俺の靴を舐めて、
軟弱で愚かで無能な人族でごめんなさい。これからはムーガ様の奴隷になります。…って言いな! 言ったら考えてやってもいいぞぉ~。」

 …なんて…

 ニヤニヤと笑みを浮かべながら、トントン…とテーブル叩く音と紙にペンを書く音だけが聞こえる…。

「ほら! 早くしなぁ~俺様の気が変わら「是非!! 僕を豚箱に入れてください!!」

 なんて…素晴らしいんだ~~!!!!

「……おい…。ルーク…てめぇなんて奴を連れて来やがった…。」

「私に言わないでくれ…。私でも槍を向けられた相手に美味しい食べ物はどこですか? …と聞く相手の考えなど分かるはず、ないだろう…。」

 オーガの魔族は後ろでペンを紙に書いている魔族に顔を向け、睨むが…帰って来たのは困惑とため息だけだった…。

「まぁ…いい。お前が豚箱に入りたいと言うのなら入れてやる。だが…「本当に!?ヤッター!!」話を聞きやがれ!!」

「いいか!? お前と一緒にいた同胞が目が覚めるまで豚箱に入っててもらう! どちらにせよ不法入国したからなぁ~。お前が他国のスパイとも限らん!! 故に豚箱では、じっくりとお話しさせてもらうからなぁ~。イーヒッヒッヒ!!」

 オーガの魔族はそう言って懐から鞭を取り出して、地面におもっいきり叩きつけ…少し地面が割れた。

「お話しなら、お菓子とお茶が必要だよね!! 用意しておくね!! …でも僕のお菓子だから食べ過ぎたら駄目だよ!! 僕のお菓子だからね!!」

「……連れて行けぇ!! 逃げられねぇように縛って豚箱に放り込んどけぇ!!」

「わーい! 豚箱! 豚箱♪」

「早くしろぉ!!」


 ………


 さっきと違うオーガの魔族のおじさんに、連れられて移動すると…鉄格子に囲まれて薄暗い場所で止まった…。

「おら! さっさと入れ!」

「あれ? 豚箱に行くんじゃないの?」

「はぁ~? お前何言ってんだ? ここが豚箱だよ! まっ…男と一緒じゃないだけ良かったな! じゃなきゃ壊れるまで犯さられるだろうしな!! ギャーハッハッハッハ!」

「こ…ここが…豚箱…? う、嘘だ!! 豚さんがどこにもいないじゃないか!」

「…はぁ? お前何を勘違いしてんだ? 豚はお前だ!」

「…? おじさん…病気? 神官さんに診てもらった方がいいよ。」

 僕がそう言うとおじさんの頭に青筋が浮かんだ…。

「てめぇ…それは俺の目がおかしいって事か?なめてんじゃねぇぞクソガキが!!」

ドン!!

「うわ!」

 おじさんの心配をしていたのと、筋肉の塊のオーガの魔族の力で、僕は抵抗も出来ず背中を蹴られ…鉄格子の中に入ってしまった…。

「けっ! ムカつくガキだ! いいか! ここから出ようとしたら、ぶち殺すからな!!」

 そう言ってオーガの魔族おじさんは僕の前から姿が消えた


「ん~~。どうしよう…ふほう……こく…だっけ? 僕が悪い事しちゃったのは、チロを見てたら分かったし…大人しくしてようかな…。」

 ここにいない、チロを頭に浮かべながら…僕はレイムさんが事情を説明して来てくれるの待つことした。

 待ってる間、暇なのでアイテムボックスから大きな鍋を取り出し…お湯を沸かした。
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